RXよりもひと回り小さい!レクサス初のBEV「RZ450e」が気になる
![レクサス RZ450e バージョンL](https://www.kurumaerabi.com/magazine/magazine/files/photo/2023/05/w1100/MDUvMjAyM182NDc1ODVhYzkzNjM3.jpg)
2023年3月、レクサスはカーボンニュートラル社会の実現に向けたBEV(バッテリーEV)専用モデルの「RZ450e」を発売しました。
新車価格880万円〜というレクサス渾身のBEVとは、どんなクルマに仕上がっているのでしょうか? デザイン、パワートレーン、居住性、先進の安全性能など、こまかく見て行きましょう。
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- 優れた走りをもたらすのは新プラットフォームとボディ構造
- 塊感とシームレスな加速感を表現したエクステリア
- 居心地の良い上質な室内空間
- 航続可能距離は約494km
- 人間中心の考え方に準じた先進の予防安全技術
優れた走りをもたらすのは新プラットフォームとボディ構造
![レクサス RZ450e バージョンL](https://www.kurumaerabi.com/magazine/magazine/files/photo/2023/05/w1100/MDUvMjAyM182NDc1ODVlOWFmNGVi.jpg)
レクサス初のBEV専用モデルとなる「RZ450e」は、電動化技術がもたらすレクサスらしいクルマを、感性に訴えかける走りとデザインと走行性能で体現し、BEVを軸とするブランドへの変革の起点となるモデルに位置づけられています。
BEV専用プラットフォーム(e-TNGA)を使ったボディは、車両フロア下へバッテリーを搭載したことによる低重心・低慣性モーメントを実現するとともに、ボディ骨格の接合にレーザースクリューウェルディング(LSW)や構造用接着剤、レーザーピニング溶接技術にくわえ、リアのラゲッジ開口部の変形を抑える二重環状構造と高剛性発泡剤などによりボディ剛性を向上させました。
また軽量アルミフード、ドアモールディング/ホイールアーチモールディング/バックドアガーニッシュへ発泡樹脂成型などの軽量化などによって、操縦安定性と乗り心地の良さを高次元で両立しています。
塊感とシームレスな加速感を表現したエクステリア
RZ450eのデザインは、次世代レクサスのデザインランゲージの確立に向けて“Seamless E-Motion”をコンセプトに、BEVならではのシームレスな加速感とトルクフルな躍動感を表現しています。
ボディサイズは、RXよりも若干小さい全長4,805mm×全幅1,895mm×全高1,635mm、ホイールベースは2,850mmというものですが、高出力モーターの力を路面に伝える大径タイヤの四隅配置と、リアタイヤをワイドトレッド化した前後異形タイヤ採用による低重心なスタンスが走りの良さを感じさせます。
フロントグリルは、冷却用構造を必要としないBEV の特徴を反映するとともに、機能的な進化や空力性能の向上を目指し、スピンドルを立体の塊で表現した「スピンドルボディ」へと昇華させています。
サイドビューは、フロントフェンダーのタイヤを掴み後方に連続する造形で車両を牽引する力強さと、リアフェンダーのタイヤを強調する力強い立体により、DIRECT4 による躍動感ある走りのイメージを表現しました。
リアビューは、クリーンでシンプルな水平基調のデザインに、張り出したタイヤを強調する造形を組み合わせ、BEV のトルクフルな走りを支える力強いスタンスが際立つデザインを採用。
一文字リアコンビネーションランプとNX から続く新たなLEXUS ロゴタイプを採用。センター部を薄型とした形状の赤色レンズ部が、ロゴタイプを際立たせ、シャープさも強調しています。
居心地の良い上質な室内空間
RZ450eのインテリアは、それぞれの乗員をもてなす空間づくりをベースに、クルマとドライバーが直感的につながり、より運転操作に集中できるコックピット思想“Tazuna Concept”を取り入れているのが特徴です。
カウルからドアへの連続感ある全体造形に、低く配置したインパネを組み込み、ドライバー席と助手席へと抜ける空間を設けたコンソール、シンプルなドアトリムが開放的でクリーンな印象を与えます。
センターディスプレイは大型のタッチディスプレイを採用し、多くの機能をディスプレイ内のソフトスイッチに集約。
ギアセレクターは、シフトバイワイヤを採用するとともに、レクサス初となるダイヤルシフトノブをセンターコンソールに配置してシンプルでクリーンなコックピットデザインに貢献して います。
シート表皮とドアトリムには、バイオ素材を約30 %使用したサステナブルな素材で、温かみのある上質さを追求したウルトラスエードを採用するとともに、コンソールアッパーパネルに木目調素材を使うことで、クリーンでモダン、かつ上質なおもてなし空間を実現。
頭上の調光機能を採用したパノラマサンルーフは、シェードレス化にあわせ、遮熱・断熱や紫外線を99%カットする「Low-E ガラス」を採用。頭上空間を確保しつつ、直射日光や紫外線が厳しい環境下でも車室内を快適に保つことが可能です。
後席は、1,000mm のカップルディスタンスと、後方にピークを持たせたキャビンシルエットにより、圧迫感のない居心地の良さを提供します。
航続可能距離は約494km
![レクサス RZ450e バージョンL](https://www.kurumaerabi.com/magazine/magazine/files/photo/2023/05/w1100/MDUvMjAyM182NDc1ODU4ZDAxZDQ0.jpg)
RZ450eのパワートレーンには、モーター、トランスアクスル、インバーターを完全一体化し、コンパクトな構造が特徴の「eAxle」を前後に採用。
前後の駆動力配分は、運転状況や路面の状態に応じて前後の駆動力をコントロールする四輪駆動力システム「DIRECT4」が行い、ドライバーの操作に対して素直に応える走り味を実現します。
DIRECT4は、前:後のトルク配分を100: 0~ 0 : 100 で可変させることで、発進加速性、操縦安定性の向上、低電費に貢献するとともに、発進時、直進加速時は、車両のピッチングを抑え、ダイレクトな加速感が得られるよう制御します。
![レクサス RZ450e バージョンL](https://www.kurumaerabi.com/magazine/magazine/files/photo/2023/05/w1100/MDUvMjAyM182NDc1ODU4YjA0YjZh.jpg)
またBEV専用大容量電池や、シリコンカーバイトのパワー半導体素子をインバータに採用、さらにHEV開発で培ってきた低損失化技術も折り込むことで、航続可能距離は約494kmを実現。
さらに電池昇温システムの搭載や電池制御技術の向上により、世界トップクラスの電池容量維持率(10年後 90%以上)の確保を目標としていることもトピックです。
人間中心の考え方に準じた先進の予防安全技術
![レクサス RZ450e バージョンL](https://www.kurumaerabi.com/magazine/magazine/files/photo/2023/05/w1100/MDUvMjAyM182NDc1ODViMThkMzU5.jpg)
RZ450eの安全装備は、最新の「Lexus Safety System+」を採用しました。
プロアクティブドライビングアシストの支援シーンの追加や、ドライバーモニターとの連携によるドライバーの運転状況に応じた最適制御などにより、これまでよりも手厚い支援を行います。
いっぽう高度運転支援技術「Lexus Teammate」には、“アドバンスドライブ(渋滞時支援)”と“アドバンストパーク(リモート機能付)”を採用し、ドライバーの負担を軽減します。
![レクサス RZ450e バージョンL](https://www.kurumaerabi.com/magazine/magazine/files/photo/2023/05/w1100/MDUvMjAyM182NDc1ODVhYzkzNjM3.jpg)
レクサスが満を持して導入したBEV専用車のRZ450のバージョンLの車両本体価格は880万円。
ライバルは、価格やボディサイズからメルセデス・ベンツEQC400 4マチックやBMW iX3など。
これまで遅れていると言われていた国産BEVですが、レクサスRZの登場により、ここから巻き返しが始まりそうです。