ルノー カングーを中古車で購入したときの維持費は?限定のディーゼルが狙い目!?

ルノー カングーは、フランスのルノー社が生産する商用車です。日本で販売されるのはMPV版です。
1997年のデビューで、現在は2023年に日本発売された3代目カングーへと進化していますが、ここでは中古車になっても人気の衰えない2代目カングー(カングー2)について、維持費を中心に解説します。
いまカングーを狙っている方は、要チェックです。
- Chapter
- ルノー カングーって、どんな車
- カングー2の維持費を解説
- 税金関連
- 車検代
- 燃料費(ガソリン代)
- 自動車保険
- メンテナンス費用
- 駐車場代
- 新車と中古車の違いは
- 維持費という観点で選ぶなら
ルノー カングーって、どんな車

ルノーの商用車、カングーの2代目が日本デビューをはたしたのは2009年10 月でした。
先代カングーに比べておおきく拡大されたボディは、全幅、全高ともに1,830mmというスクエアなシルエットが特徴で、全長は国内ミドルクラスミニバンよりも短い4,215mmでした。
2010年9月には、ショートホイールベースの3ドアモデル“ビボップ(BE POP)” がデビュー。全長3,870mmのボディは、非常に可愛い雰囲気でしたが数年でラインナップから姿を消してしまったことで、いまや希少車になっています。
搭載エンジンは、いずれも最高出力105P/最大トルク15.1kgmを発生する1,598ccの直列4気筒。トランスミッションは、4ATと5MTが用意されました。

カングー2は、2013年にマイナーチェンジを行いフェイスリフトを敢行。
新しいルノー顔に進化したカングーは、翌2014に1,197ccの直列4気筒ターボを積んだ“ZEN(ゼン)”を投入します。
ZENは当初6MTのみの展開でしたが、2016年に6速EDC(AT)が追加されました。
2021年になると、カングーファン待望のディーゼルモデル“リミテッドディーゼルMT”が発売されます。
既存のエンジンをブラッシュアップして尿素とDPFを組み合わせた排ガス処理システムを搭載した1,460ccのクリーンディーゼルに組み合わされたミッションは、6速MTのみだったにもかかわらず、400台の限定車は発売日に完売となりました。
また、毎年のように用意された特別カラーの限定車「クルール」ですが、こちらは年によって用意されるカラーが異なっていたこともあって、毎回即完売。
ほかにも、フランスの郵便車をイメージした“ラ・ポスト”や、有名パティシエとコラボした“コンフィチュール”などなど、たくさんの特別限定車の存在もファンを飽きさせない要因でした。
現在は2023年3月にデビューした新型のカングー3に切り替わっています。
カングー2の維持費を解説
税金関連

動車税(環境性能割)
カングー2の自動車税は、1.6L車が3万9500円。1.2Lターボ車は3万4500円ですが、令和元年10月1日以降新規登録車は3万500円となり、1.5Lディーゼル車もこの金額が適用されます。
こちらは毎年納めなくてはならない税金です。
中古車で購入の場合、車検を新規に習得して購入する中古新規登録というカタチであれば、購入月の翌月から翌年の3月までの自動車税を月割で納めます。
たとえば1.6車を8月に購入して登録した場合、その年は9月分から翌年の3月分までの2万3000円が税額で、1.2Lなら2万100円。 令和元年10月1日以降登録のカングーは、ガソリン、ディーゼルともに1万7700円となります。
自動車税は、都道府県税なのでたいていの場合5月末までに納めることになっています。
どうしても納められない場合は、差し押さえなどがあるので、放置することはせず、都道府県税務事務所にすぐに相談したほうが得策です。
自動車重量税
自動車重量税は、自動車の重量に対して課税される税金です。新規登録や車検の際に、次の車検までの期間分をまとめて納めます。
新車の場合、リミテッドディーゼルMTのみエコカー減税対象車両で、その他のガソリン車は減免の適用はありませんでした。エコカー税制は変更されることがありますので購入時には確認が必要です。
継続車検時の重量税は、ガソリン車が2万4800円、ディーゼルは3万2800円となります。こちらは車検時に印紙を購入して国に納めなくてはなりません。
車検代

日本の制度では、自動車を運行するにあたり、自家用乗用車は新車登録日から3年後、それ以降は2年ごとに車検が義務付けられています。
車検費用は、法定費用および車検検査基本料(車検ラインを通す費用)が最低限かかります。
法定費用は、以下のとおりです。
自動車重量税:自動車の重量に応じてかかる費用です。
自賠責保険料:最低限の自動車保険で、人身事故のみが保証対象。車両に対して加入が義務づけられる保険です。
印紙代:車検証や、検査ラインを使用するための費用を納めるために必要です。重量税も印紙購入します。
検査手数料:継続検査料2,300円です。
こちらは国や、都道府県に納める費用なので修理工場に預ける際には前もって準備しておきましょう。
車検基本料
車検には、点検費用、整備費用、車検代行手数料が掛かります。これは、車検を代行する、ディーラー、中古車店、整備工場などに払う費用です。
見積もりは、簡単に出来ますので維持費を安く抑えたい場合には、見積もりを確認することが大事です。難しいのはカングー特有の故障や整備もありますので、高いか?安いか?というのは総合的に判断することが必要です。
作業や点検の項目を減らすことによって金額が下がっているだけかもしれませんので、あまり車に詳しくない方は、カングーに慣れたお店での点検整備をオススメします。
ディーラーでの車検整備代は、4万5000円くらい(税金、諸費用を除く)からのようです。
燃料費(ガソリン代)

カングー2の1.6L車と1.2L車は、プレミアムガソリン(ハイオク)指定ですので、燃料費はレギュラーガソリンに比べて若干高くなってしまいます.
燃費は、1.2Lは14.7km/L(JC08モード)、1.5Lディーゼルは19.0km/L(WLTCモード)という数値で、1.6L車が未公表ですが、一般的なオーナーさんが街中で使用しているのをお聞きすると9km/Lくらいとのこと。
プレミアムガソリンの価格を181円/L、軽油を153円/L(いずれも2023年7月現在の平均価格)として、年間に1万km走行する場合、1.6L車は1,111Lの燃料が必要で年間20万1091円、1.2L車はおよそ680Lで12万3116円。
1.5Lディーゼルは8万631円と、圧倒的に経済的なのですが、ディーゼル車は排ガスをクリーンにするためのアドブルーの添加が定期的に必要になります。
カングー ディーゼルのアドブルーの消費量は、1000km毎に約1リッターとなっており、タンク容量は17L。
アドブルーの価格は、ガソリンスタンドなどではリッターあたり400〜500円、ネット通販では200〜300円なので、10,000kmあたりアドブルー代で2000円〜5000円、ほかに作業工賃が必要になります。
自動車保険

自動車保険には、すべての車に加入が義務付けされている「自賠責保険」と、任意で加入する「任意保険」があります。
任意保険は、運転者自身がセレクトして補償を選んで加入する保険です。
自賠責保険
自賠責保険は、公道を運転するすべての車に加入が義務付けられている保険です。この保険に入らないと車検にも合格できませんし、もし保険なしで走った場合、罰則があります。
保険無しで走るということは車検も通っていないと言うことですので、罰則は免許点数6点及び30日の免許停止という重い罪になります。
自家用乗用車として分類されるカングーは、24ヶ月で1万7600円です。ただし、車検切れで中古車を購入した場合は24ヶ月以上(25ヶ月)加入しなくてはならないので、たいていの場合1万8160円になります。
任意保険
任意保険は、多額の賠償、自分の車の修理など、自賠責保険だけでは補償出来ないリスクに備えるための保険です。
車両の所有者や、運転者の年齢、日常レジャー使用や、仕事で使用、また通勤で使用するなどさまざまな条件によって金額が変わります。
一部の損害保険会社では、故障で動かなくなってしまった車にも保険が効くプランがあるそうなのでしっかり検討することが大切です。
盗難や災害、また事故の際に必要な弁護士費用など細かく設定されていますのでご自分に合った選択をすることが必要です。
メンテナンス費用

カングー2のメンテナンス費用は、ボディコーティングなどの外装の維持や掃除、またバッテリー交換、ブレーキ、エアコンフィルター、エアフィルターなど細かい消耗品があります。
定期的なメンテナンスは、オイル交換や、タイヤ交換。メーカー推奨のオイルを使用しないと燃費などにも影響してきますのできちんとしたチェックを怠らないようにしましょう。
ここはお財布と相談しながら最良のものをカーディーラー、自動車用品店でチェックしつつ交換していくことが重要です。
人気のカングーですが世の中の絶対数が少ないため、ワイパーやバッテリーなどの一般的な消耗品であっても、カー用品店などには在庫されていないことも多いので、余計な出費がかさむ可能性がありますので、計画的にメンテナンスを行いましょう。
駐車場代
駐車場は、東京、大阪、福岡などの大都市圏では月の賃料が、車の月々の支払いともに大きな割合を占めてきます。
購入前に詳しく相場を調べて、自分のマネープランに合わせた検討が必要です。案外忘れてしまう費用なので忘れずに予算を組んでおくことが大切です。
カングーは、ボディの塗装にクリアー層のないモデルが多いので、屋根付きか否かで塗装のもちが違うと思います。
大事にするなら、屋根付きやタワーパーキングなど、駐車場所の選定もしっかり検討したほうが良いでしょう。
新車と中古車の違いは
新車と中古車の違いの一番わかりやすいところは車体価格です。車体価格は中古車であれば、安いことが多いのですが、維持費という面では、新車のほうが使用方法によってはメリットがあるかもしれません。
ただし、カングー2はもうすでに新車で購入出来ない車なので、年式の新しい車を探すとメーカー保証が残っている個体もあります。
自然故障の多くは、メーカー保証でカバーできるはずなので、中古車でも保証が付帯されていると安心できます。
維持費という観点で選ぶなら

維持費という観点で選ぶなら、リミテッドディーゼル一択です。使用燃料も軽油ですし、燃費が一番いい車です。
ただしトランスミッションはMTのみ、なおかつ400台の限定車だったので、中古車で探すことはひと苦労ですし、見つけても新車に近い値付けがされている場合も少なくないことがネック。
中古車で探すなら、1.2Lのガソリン車がベストです。
それよりも、ちょっと前のフランス車っぽい匂いや、独特のデザイン、走りに惹かれているという方は、自分に最良のカラー、フロントマスク、エンジンの組み合わせを探すことが、幸せへ第一歩だと思います。
いずれのカングー2もADASなどの安全装備がまったくありませんので、安全性が気になる方は現行モデルを選んだほうが無難かもしれません。