スライドドアを備えたトヨタのコンパクトカー。ルーミーとシエンタはそれぞれどんな人におすすめ?
トヨタの現行型ルーミーは2列シートの5人乗りのトールワゴン、3代目(10系)シエンタは3列シート7人乗りと2列シート5人乗りを設定するミニバンという違いがあります。
とはいえ、いずれも”両側にスライドドアを備えたコンパクトなボディ”で、子育てファミリーに人気です。
そんなルーミーとシエンタを比較します。
同じコンパクトでもクラスが違うルーミーとシエンタ
トヨタ ルーミーは、両側スライドドアに広い室内と荷室、乗降性の良さが美点のコンパクトトールワゴンで、2列シートの5人乗りです。
ダイハツからOEM供給を受けて販売するモデルで、本家のダイハツ トールほか、スバル ジャスティもブランド違いの兄弟車。ライバルは、スズキ ソリオ(三菱 デリカD:2)です。
対するシエンタは、両側スライドドアに、3列シート7人乗りにくわえて2列シート5人乗りを設定するミニバンで、最大のライバルはホンダ フリードです。
欧州のセグメントで言えば、ルーミーはもっとも小さなAセグメント、シエンタはBセグメント相当。
それぞれのボディサイズは、ルーミーが全長3,700〜3,705mm×全幅1,670mm×全高1,735mm、ホイールベース2,490mm。
シエンタは、全長4,260mm×全幅1,695mm×全高1,695mmで、ホイールベースは2750mm。最小回転半径はルーミーが4.6〜4.7m、シエンタは5.0mです。
3列シートを用意するシエンタは、全長で560mm、全幅も25mm広くおおきく、最小回転半径をあわせてもルーミーは狭い住宅街などでのニーズによりマッチします。
シエンタの最大の特徴は、ルーミーにはない3列シート仕様を設定することで、最大7人の乗車が可能な点です。
サードシートは、乗降性、居住性の面からも緊急用の域を出ませんが、帰省などで祖父母と出かける際、スポーツの習い事などで急にプラス2人〜3人乗車するなどのシーンでもニーズに応えてくれます。
また5人乗りは、広い荷室に加えて、積載性の高さを享受できます。
さらに現行シエンタは、トヨタ最新の先進安全装備「Toyota Safety Sense」を搭載し、昼夜の歩行者と自転車にも対応する衝突被害軽減ブレーキは、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロール、車線維持機能、ドライバー異常時対応システムも設定されています。
対するルーミーは、ダイハツの「スマートアシスト」で、車線逸脱警報のみで、ドライバー異常検知システムが未設定など、先進性ではシエンタに若干譲ります。
静粛性や快適性はシエンタに軍配
動力性能や操縦安定性、静粛性などの快適性でも1クラス上のシエンタが明らかにうわ回っています。
ルーミーの動的質感は、軽自動車に近く、シエンタは登録車らしい上質感を十分に享受できます。
ルーミーのエンジン排気量は996ccで、660ccの軽自動車では動力性能も含めて不安という声に応えてくれますが、ターボでも最高出力72kW(98PS)、最大トルク140Nm。WLTCモード燃費は、16.8〜18.4km/Lとなっています。
シエンタは、ガソリンエンジン車の排気量は1,490ccで、最高出力88kW(120PS)、最大トルク145Nm。
ハイブリッド車は1,5Lエンジンにモーターアシストが加わり、システム最高出力85kW(116PS)を発生。200kg程度重いシエンタであっても静かで余力のある走りが可能です。
燃費は、ガソリン車が18.3〜18.4km/L、ハイブリッド車は28.2km/L〜28.8km/Lとなっています。
駆動方式は、ルーミー、シエンタともに2WDと4WDを設定しますが、シエンタの4WDモデルはハイブリッド車(E-Four)のみの用意です。
車格とキャラの違い、新車価格も異なる2台ですが、コンパクトな両側スライドドア車ということで、ルーミーとシエンタで迷うケースもあるでしょう。
機能面、性能面だけを見るとシエンタの買いとなりますが、ルーミーの中古車は低走行距離の好条件でより安く手に入る可能性があります。
似たように見える両車でもこれだけの違いがあり、ニーズに応じて選択するのが良いでしょう。