発売から約2年。中古物件も増えてきたホンダのミドルクラスSUV「ZR-V」のおすすめグレード教えます

ホンダのミドルサイズクロスオーバーSUVとして登場したZR-V。
当初は、2022年秋の発売予定でしたが、半導体不足や世界情勢などの影響により、発売が2023年4月にずれ込んだことは記憶に新しいところです。
それから2年以上が経過し、大ヒットしたヴェゼルの上位車種として着実に販売台数を伸ばしているZR-Vは、中古車市場でも比較的多くの物件が流通しています。
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- 走りの良さを打ち出したミドルサイズのクロスオーバーSUV
- 2種類のパワートレインに、プロペラシャフトを備える4WD
- 大人4人なら十分に余裕のある室内
- グレードは2つ。廉価版の設定はなし
- 人気はハイブリッド車だが価格重視ならガソリンターボという手も
走りの良さを打ち出したミドルサイズのクロスオーバーSUV

ホンダ ZR-Vのプレス向け試乗会は、当初の発売予定直前の2022年9月に群馬サイクルスポーツセンターで開催されました。
狭くてタイトなコーナーや急な勾配が続くステージで、磨きあげた走りを確かめてほしいという開発陣の想いが込められた試乗会でした。
ミドルサイズのクロスオーバーSUVというカタチではあるものの、ホンダらしい走りの良さを身上としたモデルです。
2種類のパワートレインに、プロペラシャフトを備える4WD

パワートレインは、2.0Lエンジンを核とした2モーターハイブリッドシステムの「e:HEV」と、1.5L直噴ターボの2種類。
駆動方式は2WD(FF)のほか、プロペラシャフトを備えたリアルタイムAWD(4WD)も設定することで雪国などのニーズにも応えています。
「e:HEV」は3.0L V6エンジン以上の最大トルクを誇るだけでなく、ドライブモードスイッチにSNOWモードを装備。
いっぽうで1.5Lターボは2.4Lエンジンに匹敵する低速トルクを発生。VTECターボらしく高回転域までスムーズに回り、必要十分な加速を享受できます。
意のままにコーナーをクリアできるシャーシやボディ剛性感の高さなど、SUVでありながらもホンダらしいスポーツ性能を堪能できます。
大人4人なら十分に余裕のある室内
ボディサイズは、全長4,570mm×全幅1,840mm×全高1,620mmで、最小回転半径は5.5m。
コンパクトではないものの、持て余すほど大きくはなく、他社ではマツダの2代目CX-5がもっと近いサイズとなっています。
室内のインパネは視界の良さをもたらすホンダらしい水平基調。SUVですが前後席ともに着座位置は低めとなっています。
後席の足元空間はそれなりですが、前後席に身長180cmの乗員が4人座っても十分な居住性を備えています。
ラゲッジは、ワイドな開口部を備え、後席前倒し時も比較的フラットになります。さらに、トノカバーの床下収納もタイプ別設定しています。
センタータンクレイアウトを採用していないため、居住性や積載性は驚くほど高効率とはいえないものの、ボディサイズにふさわしい、不足を感じさせない実用性を備えています。
グレードは2つ。廉価版の設定はなし

グレード構成は「X」「Z」の2つで、上位の「Z」はオートレベリング機構付きフルLEDヘッドライト、Honda CONNECTディスプレイ+ETC2.0車載器(ナビゲーション連動)、本革シート、ワイヤレス充電器などを標準装備しています。
安全運転支援システムの「Honda SENSING(ホンダセンシング)」は全車標準装備。「X」「Z」ともに特別仕様車の「ブラックスタイル」が設定されています。
人気はハイブリッド車だが価格重視ならガソリンターボという手も

パワートレインは、静粛性の高さとパワフルな加速、燃費の良さ(WLTCモード燃費最高値22.1km/L)を兼ね備える「e:HEV」にするか、WLTCモード燃費最高値14.6km/Lの1.5Lガソリンターボにするかになりますが、売れ筋はハイブリッドの「e:HEV」で、中古車市場でも多くを占めています。
駆動方式の選択は、2WD(FF)を基本に4WDは降雪地域などで欠かせない方が選べばいいでしょう。
グレードは、装備の充実ぶりを重視するのなら「Z」がおすすめ。いっぽう価格を重視するのなら、1.5Lガソリンターボを選択する手もあります。
動力性能は必要十分で、ハイブリッド車よりも軽快なフットワークを披露してくれます。
なお発売時の価格は、ハイブリッドが329万8900円〜411万9500円。1.5Lターボが294万9100円〜376万8600円で、ハイブリッドとターボ車には約35万円の価格差が付いていました。中古車市場でも新車価格の差が反映されている傾向にあります。
物件選びでは、走行距離などの状態などを見極める必要があります。