車いすのまま乗車可能!100万円で買える福祉車両

現在の日本は、4人に1人は高齢者(65歳以上)といわれる高齢化社会です。いっぽうで介護が必要な人は、お年寄りだけではありません。
日常生活において介護が必要な家族とお出かけしたり、病院や学校、施設へ送迎する際などのためには、福祉車両が便利です。
ここでは、新車では高額になりがちな福祉車両を100万円でから探すポイントについて紹介します。
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- いろいろなタイプがある福祉車両
- 100万円で買える、中古の福祉車両は?
いろいろなタイプがある福祉車両

介護やサポートを必要とする家族を、病院や社会福祉施設のデイサービスなどに送迎するにはクルマがあると便利です。
なかには歩行が困難で、車椅子を利用しているという人も少なくありません。足を上げることが難しいので、ミニバンタイプであっても乗降に時間がかかったり、かならず介助する人が必要になります。
そういった障がいを持った方でも、ラクに乗り降りでき、さまざまなところに出かけることを容易にするのが、自動車メーカーが販売する福祉車両です。
各自動車メーカーは、車椅子にのったまま乗り降りできたり、座席が回転したりして、介護が必要な方でも外出できるクルマを開発してきました。
トヨタはウェルキャブ、日産はライフケアビークル、スズキはWITHシリーズ、三菱はハーティーランなど、メーカーで呼び名が変わりますが、大きくわけると車いすのままクルマの乗り降りができる「車いす仕様車」、シートが車外にスライドして車いすなどから移乗して乗る「昇降(リフトアップ)シート車」、助手席が回転する「回転シート車」の3タイプです。
多くはミニバンやワンボックスをベースにしていますが、なかには軽自動車やハイブリッドカーが改造された福祉車両もあります。
100万円で買える、中古の福祉車両は?

福祉車両の軽自動車の新車価格は150万円以上、普通乗用車になるとさらに高額。100万円の予算で福祉車両を購入する場合は必然的に中古車を選ぶことになります。
もしも介助を必要とする方が、車いすから福祉車両のシートに移る体力のある方であれば、「昇降(リフトアップ)シート車」や「回転シート車」がおすすめ。
コンパクトカーもある「昇降(リフトアップ)シート車」や「回転シート車」は、室内も本来の乗車定員で使うことができますし、折りたたんだ車いすを積載するスペースも用意されます。
いっぽう車いすに乗ったまま乗り降りできるのは、後方にスロープを装備した「車いす仕様車」です。
車いすごと車内に収まる設計で、車いす利用者を乗車させたときと、それ以外では乗車定員が違います。またリアからスロープで乗降するので、ボディタイプはミニバンやトールワゴンになります。
100万円の予算が福祉車両を探した場合、「昇降(リフトアップ)シート車」や「回転シート車」なら普通乗用車のミニバンやワゴンも見つかりますが、「車いす仕様車」は多くが軽自動車です。
具体的には、走行距離5万キロ程度の物件で前者なら、トヨタ ルーミー/タンクやホンダ フリードなどトールワゴンやコンパクトミニバンが狙えますし、後者であればダイハツ タントのスローパーやホンダ N-BOXの車いす仕様車を探すことが可能です。
走行距離が多かったり、年式が古かったりする車両を探せば、もっとサイズの大きなミドルクラスのミニバンなども視野に入ってきますが、通常の自動車とは違う機構が搭載されているため、過走行や低年式になると故障のリスクが高まることをアタマに入れておいてください。
また福祉車両が充実してきたのは2000年代に入ってからで、操作性や利便性はモデルチェンジごとに進化していますし、ベースの車両自体も先進安全装備の充実によって、同じモデルであれば安全性は高年式ほど高くなっています。
とくに操作性は介助する方にも関係することなので、操作方法、スロープの出し入れや長さ、角度、電動ウインチなど、購入前にチェックしておくべきことは少なくありません。

通常のクルマでは、乗車することが難しかった方も、福祉車両であれば比較的簡単に乗降することができますから、これまで我慢していた家族揃っての買い物や旅行などにも出かけることが可能になります。
福祉車両あれば、介助の必要な方が家族にいてもドライブや食事に気軽に行けるようになります。家族の笑顔のためにも、ぜひ検討してください。