新型セレナ(C28型)の維持費。ガソリンとe-POWERはどっちがお得?
ライバルのミドルクラスミニバンがボディを3ナンバーサイズに拡大したのに対して、かたくななまでに5ナンバーサイズを守った新型セレナ。
街でも多く見られるようになり、買い替えを意識している方も多いのではないでしょうか?
その際に気になるのは、併売するガソリン車とe-POWER車の維持費の差です。はたして、年間のコストを安く抑えることができるのはどちらでしょう。
- Chapter
- e-POWERなら減税を受けられる
- ランニングコストもe-POWERなら安い
- 保険料はe-POWER、ガソリン車とも同じ
- 日常のメンテナンス費用を抑えるならDIYもひとつの手
- 都市部では意外におおきい駐車場代
- 新車と中古車の維持費に違いはある?
- 維持費という観点でセレナを選ぶなら
現行の日産 セレナは、2022年12月にガソリンモデル、2023年4月にe-powerがそれぞれ発売されました。
新型では先代モデルでオプションだったプロパイロットが全車標準装備になり、最上位グレード「e-POWER LUXION」にはプロパイロット2.0が標準装備されました。
パワートレーンは、ガソリン車に2.0LのMR20DD型、e-Power車には新開発のHR14DDe型 1.4Lと、120kW(163PS)のEM57モーターがくみあわされた第2世代e-Powerが搭載されています。
ボディカラーは、ツートーン4色、モノトーン10色の全14色。先代e-Powerでは選択出来なかった8人乗りもデビューしました。
また同時に発売されたカスタイマイズモデルのセレナ AUTECHには、オーテック車共通のドットパターンフロントグリルをはじめ、スポーティさを演出するメタル調フィニッシュや、ブルーに光るシグネチャーLEDを採用。スポーティかつ高級感溢れる雰囲気に仕上がっています。
ボディカラーは、AUTECH専用色のカスピアンブルー、専用ツートーン3色を含めた、全7色が用意されます。
e-POWERなら減税を受けられる
税金は、自動車税(種別割)と自動車重量税の2種類があります。これらの税金には、車の性能によって軽減措置があります。
自動車税(種別割)
自動車税(種別割)は、搭載されているエンジンの排気量によって加算される税金になります。
新型セレナのエンジンは、e-POWER車が1.4L(1433cc)、ガソリン車が2.0L(1997cc)で、年間の自動車税はe-POWER車が30,500円、ガソリン車は36,000円です。
この自動車税は、年度の途中で新車を購入した場合は月割で計算されます。たとえば9月登録であれば、e-POWER車は15,200円 、ガソリン車は18,000円となります。
環境負荷の少ない自動車の開発や普及を進めるために、燃費性能および排出ガス量が優良な自動車に対して自動車税の税率を軽減するグリーン化特例は適用されません。
自動車税の納付期限は、一部の県をのぞいて5月末です。延滞を避け、納付が厳しい場合は、都道府県税事務所に相談されることをお勧めします。放置しておくと延滞料が発生したり、継続車検を受けることができないなどデメリットが発生します。
自動車重量税
自動車重量税は、車の車重に応じて課税される税金となっています。税額は、0.5トンごとに4,100円ですが、2026年4月30日までに新車登録されたエコカー減税対象車は0.5トンごとに2,500円になっています。
エコカー減税は排出ガス性能や、燃費性能が優れている自動車の性能に応じて自動車重量税を減税する特別措置です。
新型セレナ e-POWERはエコカー減税が適用され、最初の登録時は0円。初回車検では20,000円です。
ガソリン車は、新車登録時49,200円。初回車検では、32,800円が納付金額となります。
環境性能割(自動車取得税)
環境性能割は、自動車取得税に変わって導入された税金です。新車、中古車を購入すると、すべての車に課税されます。
車の燃費性能によって変わってきますが、新型セレナのe-POWER車は非課税。カソリン車は自動車評価額の3%が課税されます。
ランニングコストもe-POWERなら安い
車検代(法定費用)
日本の道路で走るには車検に合格することが義務付けられています。車検の際には、法定費用と車検基本料がかかります。
また車検場は、平日の昼間しか空いていないので、多くの方は業者に依頼することになると思います。その際は、車検費用のほか点検料や車検代行料も入ってきます。
車検基本料
車検をディーラー、自動車販売店、整備工場などに依頼する場合は、車検代行費用、点検費用、整備費用がかかります。店舗によって金額が変わるので、複数の店舗で見積もりを取ることがコスト削減の近道です。
一般的にディーラーは高めといわれており、ガソリンスタンドや車検専門店、カー用品店、地域に密着した整備工場であれば比較的安く車検を取ることが出来ます。
ただし最初の車検はディーラーでの延長保証などもありますので、なにが得か?じっくり検討してください。
燃料費(ガソリン代)
新型セレナのガソリン車(Xグレード/FF)は、WLTCモード燃費が13.8km/Lです。これで年間1万キロ走ると、レギュラーガソリンを724.6L使用します。
1L=180円として計算すると、年間で130,402円の燃料費が必要です。
いっぽうe-POWER車は、WLTCモード燃費が20.6km /L(FF/Xグレード)です。年間1万キロ走った場合のガソリン使用量は485.3L(レギュラーガソリン)で、87,354円です。
年間1万キロ以上を走行するオーナーの場合、ガソリン代の高騰が続けばe-POWER車は、ガソリン車にくらべて年間で5万円以上の節約になります。
※ガソリン代は、2023年8月7日の全国平均価格を参考
保険料はe-POWER、ガソリン車とも同じ
自賠責保険
自賠責保険は、日本の路上で走るすべての車が加入しなくてはならない強制保険です。この保険に入らなければ、車検にも合格できませんし、無保険車で走った場合は、車検も切れているので重大な罰則があります。
自家用乗用自動車のセレナは、新車時には24,190円(37ヵ月)、車検の際には17,650円(24ヵ月)になります。毎年3月に価格の見直しがありますので、金額は年度によって変わる可能性があります。
任意保険
任意保険は、自賠責保険ではカバーできない、リスクに備えて加入する保険です。任意保険料は、車を使用する条件やドライバーの等級によって変わってきます。
またレジャー、日常使用や、仕事での使用によっても変わってきますし、オプションによっても変わってきます。高いと言って外してしまうといざというときに困りますので話をしっかり聞いて適切なオプションを選びましょう。
車両盗難や事故の際の自車の保証など、さまざま保証があります。
日常のメンテナンス費用を抑えるならDIYもひとつの手
日常の基本的なメンテナンスには、エンジンオイル交換、バッテリー交換、タイヤ交換などがあります。
ネット通販などを見ると、それらメンテナンスに必要なパーツでも安いものがあり、さらにYouubeなど動画配信サイトには作業手順などがアップされてるので、自分でも出来る?と錯覚しがちです。
しかし実際にやってみると上手に行かないことも多く、かえって割高になってしまうこともあります。少しでも心配な方は最初からプロの手に委ねることが大切です。
また車検や12ヶ月点検など、こまめに点検に出すことにより、故障が小さなうちに修理が出来るので、ランニングコストの抑制につながります。
自分である程度はやりたい、という方はご自身の力量や知識に応じて、お店と相談しながらDIYするのも良いでしょう。
都市部では意外におおきい駐車場代
都会の住宅密集地でクルマを維持するためのコストで忘れてならないのは駐車場代です。
たとえば家賃20,000円の駐車場を5年間借りると、ランニングコストにはトータルで120万円の金額がのってきます。
持ち家、駐車場つきという恵まれた環境の方はなにも気にすることはありませんが、駐車場を賃貸で借りる方は、近隣の駐車場相場の確認が重要です。
新車と中古車の維持費に違いはある?
新車にかかる維持費と中古車の維持費にはいくつかの違いがあります。新車はメーカー保証がつきますが、中古車の場合はつかないことがあります。中古車でつけるためには、いくつかの基準をクリアーしなくてはならず、手続きは有料になります。
とはいえデビューから間もない新型セレナの場合、中古車と言っても多くの車両は登録済み未使用車と言われるカテゴリーの個体だと思います。この場合、新車のメーカー保証がついています。
ただし距離はほぼ新車でも、半年前に新車登録してあれば、保証は半年短くなってしまいますし、車検有効期限も半年短くなります。維持費という面では中古車で買うメリットはあまりないと言ってよいでしょう。
維持費という観点でセレナを選ぶなら
新車のセレナで購入後の維持費を考えると、おすすめはe-POWER車です。新車時購入の際のエコカー減税および環境性能割、さらにWLTCモードで20.6km/L走れる性能は購入の決め手になります。
減税や燃料費を考えると、年間の走行距離が多い方ほどメリットが多く、約5年でガソリン車との差額が取り戻せます。
いやいやe-POWERは必要ないよ、それよりも初期費用(月々の支払い)を抑えたいという方はガソリン車がおすすめ。同グレードならe-POWER車にくらべて30万円以上安く購入できます。