【ライター解説】収納力・乗り心地が抜群のセダン!ホンダ・アコードを徹底解説【動画あり】
初代デビューは1976年。「アコード」はホンダを代表するセダンと言えるクルマです。
日本で2020年にフルモデルチェンジして新型となったモデルは、デビューから数えて10世代目。大きなボディに、モーターをメインに駆動力を生み出すシステムを組み込んだハイブリッドカーに進化しています。
「車選びドットコムYouTube」では、そんな最新アコードをチェックしてみました。
▼アコードの紹介動画はこちらをチェック!
【ホンダ・アコード】土屋圭市と沢すみれが徹底解説!新型アコードはハイブリッドなのに荷室広い!静粛性と走りにドリキンも驚き!HONDA ACCORD EX 【試乗レビュー・車両レビュー】
後席の広い大きなボディ
抜群に乗り心地がいい!それが、新型「アコード」に対する最大の驚きです。
アコードは、ホンダの大型セダン。……というと「えっ!? アコードが大型?もっと小さなクルマだったような」と思う人もいることでしょう。でも、2020年2月に日本デビューした10世代目アコードの車体サイズは全長4900mm×全幅1860mm。かなりの大きいのです。
アコードといえば、かつて……具体的にいえば2002年に発売された7代目くらいまでは「サイズも価格も手頃なセダン(&ワゴン)」でした。
しかしその後急速にクラス、車体サイズ、そして価格がアップして上級化。日本で使うには「ちょっと大きいな」と思ってしまいますが、そこには理由があるのです。
その理由とは、国際化。
アコードはアメリカをメインに販売されているモデルですが、かつては日本向けとアメリカ向けで同じ車名ながら別設計の車体としていたこともありました。
しかし9代目以降は日本向けも北米向けも車体を共用化。そのため日本仕様も、より販売ボリュームの多い北米に準じたサイズとなり、それが大型化につながったというわけです。
また、昨今は中国やタイをはじめとするアセアン各国でも人気車種として展開。北米ではファミリーセダンですが、アジアでは運転は運転手に任せて主が後席に乗ることも多い高級セダンというポジションです。地域によって立ち位置が全く違うのが面白いですね。
そして、そんなアコード。日本であまり見かけないのは事実ですが、何を隠そう世界規模で考えるとかなり売れているクルマ。2020年には約48万台も生産され、これはホンダのなかでは4番目に多い台数です。
48万台がどのくらいかといえば、たとえばSUBARUはインプレッサからアウトバック、そしてBRZまで全車種合計の生産台数が約88万5千台でした。わずか1台だけでその半分以上を稼ぐアコードが、いかに人気車種か理解できるでしょう。
余談ですが、ホンダの2020年の生産台数ランキングは1位が「CR-V」で約73万台。以下「シビック」「ヴェゼル/HR-V」「アコード」そして「フィット」と続きます。
日本仕様はハイブリッド専用車
グローバルで見るとアコードのパワートレインはガソリンとハイブリッドがあり、前者は排気量1.5Lの4気筒ターボと2.0Lの4気筒ターボ。後者は4気筒2.0Lエンジンにモーターを組み合わせたタイプです。
日本仕様に関しては、ハイブリッドのみで展開。その理由は、日本において昨今の大型セダンの売れ筋がハイブリッドに偏っているかにほかなりません。
アコードのライバルに相当するトヨタ「カムリ」も日本ではハイブリッドだけの展開だし、日本で最も売れているセダン(車名別販売台数で多い「カローラ」はワゴンの比率が高い)といえる「クラウン」はガソリン車とハイブリッドが選べるものの、約9割の人がハイブリッドを選択。日本向けのアコードがハイブリッドのみとなるのは当然の成り行きなのです。
参考までに、アコードのライバルに相当するのはカムリのほか、「マツダ6」、「レクサスES」、そして北米では日産「アルティマ」や「マキシマ」など。
実は、北米のセダン市場ではこのクラスがもっとも売れ筋で、アコードもそのど真ん中なのでした。北米では“セダン離れ”なんて言われてアメリカンブランドのセダンはほぼなくなってしまいましたが、なぜか日系メーカーはそれなりの販売ボリュームを稼いでいるのです。
トランクも広くて実用的
それはさておき、アコードに話を戻すとユーティリティ面で驚くのは荷室の広さ。トランクを開けると驚かずにはいられません。
容量は573Lで、これは先代比149Lという驚異的なレベル。奥行きは1.1mあって9.5インチのゴルフバッグを4個収納可能。トランクスルーも付いていて、倒すと奥行きは2mを超えます。とにかく広いのです。
一般的にトランクが狭くなりがちなハイブリッドカーであることを忘れてしまいます。
ハイブリッドカーという言い訳不要で、ラージセダンの広さそのもの。そんなトランクルームを実現した秘密は、バッテリーを置く場所。先代では後席の後ろに置いて荷室を狭くする理由となっていた駆動用バッテリーを、新型は後席座面下に置くことで荷室の拡大を実現したのでした。
もうひとつ、特徴的なのが後席です。とにかく広い。ひたすら広い。十分広かった先代に対して膝まわりのスペースが50mmも増えているのだから見事です。
車選びドットコムYouTubeの紹介動画内でも、土屋圭市さんと沢すみれさんが「広い!」と驚いていますが、決してオーバーではないんですよ。
いっぽうでフロントは、低い着座感が印象的。「セダンの本質を考えたとき、低くてスポーティな運転ポジションが必要と判断した」というのがその理由。最近だと、ここまで低く座るセダンは少ないですね。
メーターは中央から左を7インチのディスプレイとし、シフトセレクターはホンダ独自のボタン式。
ハンドルには、アクセルオフ時の回生ブレーキの効きを調整するためのパドル(エンジン車と違いアクセルオン時は操作が反映されない)が備わっていて、エンジンブレーキを調整する感覚で使えます。
極上の乗り心地にウットリ
そんなアコード、走りはモーターに3.0Lガソリンエンジン並みのトルクがあって力強いうえにとにかくスムーズです。
搭載するハイブリッドシステムは基本的にエンジンを発電機として活用。駆動力はモーターが生み出すので、乗り味は電気自動車と同等なのです。
高速領域のごく一部ではエンジンの力を直接動力として活用する状況もありますが、かなり狭い範囲であるのに加え、その切り替えをドライバーに全く感じさせない巧みさなので、エンジン感が微塵もありません。エンジンは音も静かなので、その存在を忘れてしまうほどなのです。
もうひとつ注目なのは乗り心地。路面から受ける衝撃をしっかりといなし、極上の乗り心地を提供するから快適なのです。
この乗り心地の良さは、後席の広さとともにアコードの最大の美点といっていいのではないでしょうか。
ここだけの話ですが、あまりの快適さに後部座席に座るボクは、撮影中にもかかわらず寝てしまいそうになったほどです。本当に寝てしまわなくてよかった(笑)。