メルセデス ベンツ Sクラス(セダン) を中古で買うなら、この年式(型式)がオススメ!

”S=スペシャル”を謳うメルセデス・ベンツ Sクラスは、セダン、クーペのほか、上位ブランドにはメルセデス・マイバッハもあります。
最上級モデルであると同時に、趣味性の高い1台でもあり、古いSクラスはコレクターズアイテムとしての一面も持ち合わせています。
ここでは、メルセデス・マイバッハをのぞくセダンに焦点を絞って、中古車でおすすめのモデル(型式)を解説していきます。
約半世紀にわたって高級車のベンチマークとして君臨するSクラス

W116型の初代Sクラスは、1972年に誕生しました。以降、Sクラスは半世紀以上にわたって高級セダンのベンチマークとして世界中の自動車メーカーに絶大な影響を与えてきました。
開発にコンピュータを採り入れ、衝突安全性能を高めるなど、先進的な技術が惜しみなく投入されています。世界で初めてABSをオプション設定したことでも知られています。
また初代から5m近い全長を有しながら、サイズの割に取り回しがしやすく、安定感のある走りや高級感あふれるインテリア、豪華装備は、多くの高級セダンに影響をおよぼしました。

1979年にデビューした2代目のW126型は、ファン垂涎のモデルで、金庫の中にいるようと表現されたな圧倒的なボディの剛性感をはじめ、しっとりした乗り味やウッドパネルをふんだんに使ったインテリア、豪快な加速を引き出す走りには、現在も多くの愛好家を惹きつけてやみません。
いっぽうで、操縦安定性などはさすがに時代を感じさせます。中古車でも見かけますが、維持費も含めて好事家以外は、容易に手を出さない方がいいでしょう。
点検、整備、修理など、信頼できるプロショップとの付き合いも欠かせないはずです。

3代目のW140型は、1991年にデビュー。W126型よりも若干タマ数は多いものの、やはり愛好家向けという印象を受けます。
ボディサイズが拡大され、走りの安定感が向上。後期型はメモリー付パワーシートなど、いまでは高級車に欠かせない快適装備も充実していました。
4代目まではヒストリックカーの域

4代目のW220型は、クーペ風のボディフォルムを備え、W140型よりも若干サイズが小さくなるなど、不評だった要素が改善されました。
いっぽうで、従来のファンからは押し出し感が弱くSクラスらしさが薄れたという声も。さらに、随所にコストダウンも指摘されるなど、質感の面でも物足りないという印象を受けます。
中古車市場では走行距離が短いにもかかわらず150万円を切る物件も散見されますが、年式がそれなりなので、点検、整備、修理までを含めた購入プランを考えたほうが良いでしょう。

2005年10月に日本でも発売された5代目のW221型からは、タマ数も増え、より現実的な選択肢になってきます。
全長は標準ボディでも5.1mを超え、リヤシートの足元空間が拡大。センターコンソールには、手元でナビなどを操作できるCOMANDシステムのほか、渋滞追従機能を備えたクルーズコントロールや車線逸脱機能なども用意されています。
2009年9月には、輸入車初のハイブリッドを導入するなど、環境面への配慮も求められた時代に沿っています。
中古車で買うなら価格も性能面も美味しい先代(W222型)がオススメ

現行型にあたる7代目Sクラス(W223型)は、大柄なボディの割に取り回しがしやすく、ウルトラスムーズなパワートレーンと乗り心地で、歴代最上のSクラスであることは間違いありません。
個人的には、アンビエントライトの演出が過剰のような気もしますが、テレマティクスや安全装備は世界トップクラスです。
しかし2021年1月発売とまだ日が浅く、タマ数もあまり出揃っていません。予算が許せば「買い」なのは間違いありませんが、中古車としての旨味(価格面)はまだ薄いような気がします。

そこで、現実的になるのが2013年デビューの先代(6代目)W222型。走行距離をそれなりに重ねている個体であれば、400万円以下でも手にできます。
ミリ波レーダーとステレオマルチパーパスカメラを使ったセンシングにより、アダプティブクルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキなどはもちろん、後方からの衝突にも備える被害軽減ブレーキ付後方衝突警告システムなど、現在からみても不足のない安全装備が用意されています。
パワートレーンは、豪快な加速を得られる5.5L V8ツインターボの「S 63 AMG」や4.7L V8の「S 550」などもありますが、3.5L V6ハイブリッドの「S 400」でも動力性能はまさに必要十分。
2015年8月には、クリーンディーゼルハイブリッドというユニークな「S 300 h」も追加されています。
ディーゼルらしい音・振動はあるものの、トルクフルな走りを享受できます。