運転が楽しい!中古でMT車を選ぶなら…プロがおすすめする10台

DCT(デュアルクラッチトランスミッション)の登場で、MT(マニュアルトランスミッション)車は年々減っています。
単純な性能比較ではDCTが勝っているので無理のない話なのですが、車を操っている喜びや楽しみではMTが上。
そういった理由から、昔からMT派というベテランだけでなく、若い層にも少数ながらMT車を選ぶ人がいます。
ここでは、そんなMTドライブを気軽に楽しめるおすすめモデルを10台ピックアップしました。
- Chapter
- MT車は運転する楽しさを味わえる格別の存在
- マツダ ロードスターはMT仕様で乗りたい筆頭
- 国産ホットハッチを代表するスズキ スイフトスポーツ
- 価格がこなれてきた先代トヨタ 86/スバル BRZ
- Mazda3の前身アクセラスポーツもMT車を設定
- ヒール&トゥは不要。自動で回転合わせするMTも
- いまでは貴重な軽5ドアスポーツ、スズキ アルト ワークス
- 軽自動車はコペン、S660のほかホンダN-ONEという選択肢もアリ?
- いまのMTは以前ほど難しくない
- 中古車で探すと意外に多いMT車
MT車は運転する楽しさを味わえる格別の存在

MT(マニュアルトランスミッション)車は、年々減りつつありますが、昔乗っていたという人だけでなく、一部ではあるものの、若い層からもじわじわと人気が高まっているという声も聞こえてきます。
デュアルクラッチトランスミッションやAT車、CVT車などの2ペダルの進化も著しいなか、クラッチペダルを操作して、シフトレバーを自ら動かして、運転するMT車は、やはりクルマを運転する楽しさを味わえる格別の存在といえます。
以下では、そんなMT車のなかから、比較的買いやすい中古車のおすすめをピックアップしました。
マツダ ロードスターはMT仕様で乗りたい筆頭

軽量オープンスポーツカーのマツダ ロードスターは、2ペダル(AT)仕様でもハンドリングの良さは楽しめるものの、手動でシフトチェンジしながら操る喜びは格別です。
初代のNAから現行型のNDまで、中古で選ぶ際は、予算はもちろん、ロードスター愛、憧れなどにより、それぞれ異なると思います。
とはいえビギナーであれば、現行ND型で状態のいい物件を探すのが無難でしょう。
国産ホットハッチを代表するスズキ スイフトスポーツ

BセグメントのコンパクトハッチにもMT車が設定されています。
現在、筆者はマツダ デミオのMT車に乗っていますが、最後まで迷ったのがスズキ スイフトスポーツでした。
スイスポは、本格的なスポーツハッチでありながら最近値上がりしたとはいえ、新車価格も比較的抑えられていて、コスパの高さでもライバルを圧倒しています。
ベース車のスイフトに続き、2024年内にも新型が登場するはずですが、現行型のセーフティパッケージ装着車を狙うのが現時点ではベストでしょう。
価格がこなれてきた先代トヨタ 86/スバル BRZ

中古車で選ぶ際は、先代トヨタ 86、先代スバル BRZも物件数が多く、価格の面でもこなれた個体が多く見つかります。
ただし、走行距離を重ねている個体やドレスアップ、カスタマイズ済みも多々あり、とくに後者は見た目の好みはもちろん、車両状態を確認するのが難しい場合もありそうです。
となると走行距離が短く、ノーマル仕様から探すのがオススメです。
人気なのは86が「GT リミテッド」、BRZは「R」「S」「STIスポーツ」など。それらは比較的多く出回っています。
Mazda3の前身アクセラスポーツもMT車を設定

2013年に登場し、2019年に現在のMazda3にバトンを受け継ぐまで販売されたマツダ アクセラスポーツは、最後のアクセラの5ドアスポーツハッチです。
6速MTは、1.5Lガソリンと2.2Lディーゼルターボに設定されていて、前者はフロントノーズが軽く軽快な走りが美点。後者は、分厚いトルクによる余力のある動力性能が長所となっています。
欧州Cセグメントハッチバックに対抗するべく登場した意欲作で、スタイリングや走りを磨きあげていて、後席も大人が実用になる頭上、足元空間を確保。
荷室容量は通常時で364Lと、現在のCセグメントハッチバックと比べると若干小さめですが、実用性は十分に備えています。
ヒール&トゥは不要。自動で回転合わせするMTも

ビギナーや久しぶりにMT車に乗る方にオススメなのが、トヨタがカローラスポーツ、カローラツーロング、C-HR、GRヤリスなどに採用しているiMT車が狙い目です。
シフトアップ/ダウン時に自動でエンジン回転を合わせてくれる機能で、ヒール&トゥで回転合わせをする必要がありません。
手練れのドライバーには邪魔以外の何者でもないのですが、ビギナーはもちろん、イージードライブに徹したいときに重宝します。

ほかにも、日産がフェアレディZのMT車に、ホンダはシビックタイプRに同様の機能を装備しています。
中古車でタマ数が多いのは、フェアレディZ、後席にも大人がゆったり座れるカローラスポーツあたり。
現行Zはまだまだ高嶺の花ですから先代のZ34から、2018年6月登場の現行カローラスポーツはMT車の物件数は少ないものの走行性能が短く、程度のいい個体も出回りつつあります。
いまでは貴重な軽5ドアスポーツ、スズキ アルト ワークス

2014年12月に発売された8代目(HA36型)スズキ アルトから遅れること約1年の、2015年12月に発売されたスポーツモデルがアルト ワークスです。
トランスミッションは、2ペダルのシングルクラッチである5AGSのほかに5速MTを設定していました。なお、同年3月にリリースされたターボRSは、5AGSのみでMT車は未設定でした。
ワークスのMTは、1速から4速がクロスレシオ化され、トルクの厚い回転域でつながりやすく、シフトレバーもショートストローク化するなど、その名に恥じないシフトフィールを備えています。
いっぽうで、専用レカロシートを採用しながらも着座位置が高く、スポーティなのに路面が遠く感じる独特の運転姿勢になります。
ターボRSから2Nmアップとなる最大トルク100Nmを発揮する「RA06A」型ターボは専用チューニングが施され、名機といえるハイパワーとハイレスポンスも堪能できます。
軽自動車はコペン、S660のほかホンダN-ONEという選択肢もアリ?
軽自動車では、ダイハツ コペン、ホンダ S660というオープンスポーツが根強い人気を誇っています。
コペンは現行型でも150万円くらいで低走行距離の個体が散見されます。ただし、現在は不正問題の見通しがようやく見えてきた状態ですので、積極的にはオススメできません。
S660のほうが中古車価格が高いのは、ミッドシップならではの本格的な走行性能を備えている点でしょう。

軽では、ほかにもホンダ N-ONEのMT車も狙い目。大人4人が乗れるハイトワゴンで、節度感のあるMTの操作フィールはさすがホンダ車と納得させられる仕上がりになっています。
いまのMTは以前ほど難しくない

久しぶりにMTに乗りたい、けど坂道発進が不安といった方でも、最近はヒルスタートアシスト(一定時間ブレーキ力を自動で保持)が付いているMT車も多くなっています。
またシフトチェンジが不安という方には、クラッチ操作・シフト操作のときに自動的にエンジンの回転を合わせて、スムーズなシフトチェンジをサポートくれるトヨタのiMTようなトランスミッションを選択する手もあります。
中古車で探すと意外に多いMT車

中古車で走りを楽しめるMT車は数多く残っていて、マツダ ロードスターを筆頭に、ほかにも2012年登場の日産ノート(E12系)のニスモS、2020年登場のN-ONE RSなどもあります。
スポーツカーはもちろんですが、軽自動車や比較的コンパクトなモデル、マツダも最近までCX-5やCX-30などのSUVにもMTを設定していて、中古車市場で探すと意外に多くの選択肢があり、ライフスタイルやニーズに応えてくれるはず。
MT車に乗ってみたいと考えている方は、まずは手ごろな車種から探すと良いかもしれません。