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【プロ解説】GR同門対決!GRカローラとGRヤリスを比較。本当に速いのはどっちだ?

トヨタ GRカローラ 2022

2020年に登場したトヨタ GRヤリスは、WRCを勝ち抜くために生まれたホモロゲーションモデルです。

全長4mに満たない3ドアのコンパクトカーにも関わらず、新車価格は448万〜533万円とミドルクラスSUVや高級ミニバンと同レベル。

同様のキャラクターで価格帯も近いとなると、国内では同じGRカローラぐらいです。GRブランドのハイパフォーマンスモデルは、どちらが優れているのでしょうか。

Chapter
カローラスポーツをベースに各部を補強したGRモデル
GRヤリスよりもパワフルなエンジン
同じエンジンを軽量コンパクトなボディに積む進化型GRヤリス
販売台数の少ない両車。中古車市場でのプレミアム価格は必至!?

カローラスポーツをベースに各部を補強したGRモデル

トヨタ カローラスポーツ

競技のホモロゲーションモデルで、高性能エンジンと4WDシステムを搭載する車両となると、海外ではヒョンデやシトロエン、シュコダなどから販売されているものの日本国内では未発売。そこで今回は、GRカローラとの同門対決を考えてみました。

Cセグメントの5ドアハッチバック、カローラスポーツをベースとするGRカローラは、2022年4月に世界初公開。

同年の12月にRZを500台と、2シーターの“MORIZO Edition(モリゾウエディション)“を70台。翌2023年8月に550台のRZを抽選販売した後、2025年11月に改良を受けたRZの販売が開始されました。

取材したGRカローラ RZは、改良前のモデルです。

TNGAによるGA-Cプラットフォームを基本骨格に、ドライバーの操作へ俊敏に反応する走りを目指し、スポット溶接打点の増し打ちや、構造用接着剤の塗布長延長などでボディ剛性を強化。

リアホイールハウス間や床下トンネル、タンク前の床下にブレースを追加して、操縦安定性能を高めています。

ベースのカローラスポーツに対して、ボディはフロント/リアフェンダーともにそれぞれ片側約30mm拡幅され、トレッドはフロント60mm、リヤ85mmづつワイド化。 ルーフは、SMC工法で成形されたCFRP製とされ、剛性を高めるだけでなく軽量化も図られています。

GRヤリスよりもパワフルなエンジン

トヨタ GRカローラ 2022

搭載される1.6L直列3気筒ターボエンジンは、高出力化を目指し、エンジンの排気効率を向上。バルブ付き3本出しマフラーを採用することにより、排圧低減と消音性能を両立。

最高出力224kW(304PS)/6,500rpm、最大トルク370Nm/3,000~5,550rpmというスペックで、従来型GRヤリスに比べて、24kWほど高出力(GRヤリスは200kW/6,500rpm)で、最大トルクは発生回転数がワイド(GRヤリスは370Nm/3,000~4,600rpm)になっています。

ちなみにRZ“MORIZO Edition”では、最大トルクが400Nmまで向上。こちらは進化型GRヤリスと同じスペックです。
※2025年モデルの最大トルクは400Nm。以前のモデルはアップグレードプログラムで同スペックに引き上げることが可能です。

6速MTにはショートストロークのシフトレバーを採用。ステアリングから自然に腕を下した位置に配置することで素早いシフト操作を可能にしています。

駆動方式は、電子式多板クラッチによる前後駆動力可変システム採用のスポーツ4WDシステム「GR-FOUR」で、4WDモードセレクトスイッチにより、前後トルク配分を「前60:後40」「前30:後70」「前50:後50(TRACK)」の3つのモードから選択することが可能。

足まわりは、ブッシュのピロボール化、スプリング、アブソーバー、アライメントの最適化にも取り組み、駆動力を余すところなく路面に伝達。圧倒的な旋回性能を実現します。

さらにアクセル応答性やステアリング、エアコンの効きまで制御するドライブモードセレクトを用意して、ドライバーの好みや走行環境に応じて選択ができるようになっています。

同じエンジンを軽量コンパクトなボディに積む進化型GRヤリス

2024年に発表された進化型GRヤリスと、GRカローラを比較してみましょう。

まずボディサイズは、GRヤリスが全長3,995mm×全幅1,805mm×全高1,455mm、ホイールベース2,560mmで車両重量は1,280kg (MT車)です。

対するGRカローラは全長4,410mm×全幅1,850mm×全高1,480mmに、ホイールベース2,640mm、車両重量は1,470kgとなっています。

ホイールベースが80mm長いGRカローラは高い高速安定性を期待できるいっぽうで、GRヤリスはオーバーハングが短く旋回性が高そうです。

トヨタ GRカローラ 2022

トレッドは、GRヤリスのフロント1,535mm/リア1,565mmに対し、GRカローラはフロント1,590mm/リア1,620mmとワイドになっており、高い旋回性に寄与しています。

装着しているホイールとタイヤサイズは、GRヤリス(RZ)が18×8Jに225/40ZR18のミシュラン パイロットスポーツ 4S。 GRカローラは18×8.5Jに235/40R18のヨコハマ アドバンAPEX V601を組み合わせています。

トヨタ GRヤリス RZ 2024モデル

エンジンは同じ1.6L直列3気筒ターボですが、進化型GRヤリスは最高出力が同じ224kW(304PS)/6,500rpmに、最大トルクはGRカローラを上回る400Nm/3,250〜4,800rpmにスープアップ。※2025年GRカローラは400Nm

スポーツ4WDシステム「GR-FOUR」の駆動システムや、ドライブモードセレクトが用意されることは共通。GRヤリスは進化型となって、サーキットモードを選べるようになりました。

車両重量が190kg軽いGRヤリスは、エンジンもハイスペックとなっているため、単純な走行性能はGRヤリスのほうが高くなりますが、従来のGRヤリスはやや荒削りな印象でした。

しかし、進化型となって全体的に性能が向上。GRカローラの安定感の高い乗り味に近づいているように感じました。

販売台数の少ない両車。中古車市場でのプレミアム価格は必至!?

トヨタ GRカローラ 2022

新車時の車両本体価格は、GRヤリスの進化モデルが448万〜533万円で、GRカローラは525万円(2025年モデルは568万円〜)。

正直言っておおいに悩ましい選択ですが、日常での使い勝手。家族の承諾を得るなら、断然4ドアハッチのGRカローラが光ります。

余談ですが「4ドアだし、これなら使いやすいでしょ」という口説き文句は、ラリーホモロゲモデルを購入するとき、家族を説得するための常套句。これまでも、インプレッサ、ランエボ、ランチア デルタなどのオーナーが使ってきました。

ただし、GRヤリス、GRカローラともに中古市場でのタマ数が少なく、新車は数カ月待ちになっています。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として本格的に参画し、2006年に独立。現在は、日本でもっとも多くの広報車両を借り出して取材を行うフリーランスの編集者として活動中。中古車の流通、販売店に精通した「中古車相場師」と呼ばれるいっぽうで、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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