急な大雪でも大丈夫!雪道の運転が楽なおすすめ中古車10選

近年では首都圏でも大雪になることが増えてきました。
交通量の多い道路は、降りはじめであれば夏タイヤでもなんとか行けますが、ちょっと油断すると路面は雪で覆われ、ゆるやかな上り坂では立ち往生するクルマが続出します。
そんななか、雪道でも安全に走れる車があると心強いものですね。雪道を安全に走る基本はタイヤですが、ここではおすすめの10車種を徹底解説します。
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- 弱さがたちまち露呈するのが雪道
- 「雪に接しているのはタイヤ」と言う事実!! クルマの性能よりもタイヤが重要!!
- 中古で狙いたい雪に強いおすすめの中古車5選
- 中古で狙いたい雪に強いおすすめの軽自動車3選
- 安全は足もとから
- 高性能4WDでも過信は禁物。雪道ではいつもにも増して安全運転を心がけましょう
弱さがたちまち露呈するのが雪道

近年、首都圏でも年に数回、大変な大雪になることがあります。そうするとたちまち、首都圏の交通網の弱さが露呈し、ほぼマヒ状態になります。
そしてそれは自動車も例外ではありません。雪の日のことだけを考えてクルマを選ぶこともないと思いますが、日ごろから自動車を使っている方は、雪道を走ることも念頭には置いておくべきでしょう。
駆動方式はやはり4WDがベスト

雪道は、普段走っている舗装路面にくらべて、極端に滑りやすくなります。
滑りにくさを表す摩擦係数でいうと、舗装路面が1(0.7〜0.9)あるのに対し、一般的な積雪路面では0.25〜0.4、アイスバーンになると0.1以下と極端に低下します。
そんな雪道では、やはり4輪に駆動を伝える4WDの駆動方式がベストです。
反対にFRは、車体の後方に駆動輪があるため、タイヤを路面に押し付けることができず、もっとも運転が難しくなります。FFは、エンジンの重さが駆動輪に掛かることでタイヤのグリップ力が高まり、FRよりも雪道での運転に向いています。
とはいえ、ここまででも触れたように、雪道に限らずクルマはタイヤのグリップ力に依存する部分が多くなっていることも事実なのです。
「雪に接しているのはタイヤ」と言う事実!! クルマの性能よりもタイヤが重要!!

冬の路面は、積雪、圧雪、アイスバーン、シャーベットなど、いろいろあり状況は刻々と変わります。
そんなとき心強いのが冬用タイヤです。厳密には低温路面での走行を前提にしたウィンタータイヤのことで、現在ではスタッドレスタイヤが主流です。雪道ではこのスタッドレスタイヤが心強い見方になってくれるでしょう。
クルマ自体にもさまざまな電子デバイス、運転を助ける仕組みがついてはいますが「路面に接地しているのはあくまでもタイヤ」だということはぜひ肝に銘じておきましょう。
サマータイヤのまま雪の降る日に出かけて、出先で立ち往生。そういうことのないようにしたいものです。
そしてできれば、タイヤチェーンも用意しておいたほうがいいかもしれません。かなりの積雪になったような場合でも、チェーンがあればさらに心丈夫という場面もあるでしょう。
4WDは絶対か?

過酷な場面でも4WDなら大丈夫!! と思われる方も多いかもしれません。
しかし4WDといっても、さまざまな方式があり、かならずしもすべてがすべて雪道に強いということでもないのです。オンデマンド方式の4WDの場合、ひとつの車輪が空転するとほかに動力が伝わらなくなる車種があります。
よほど特殊な場所へ行く、絶対に雪の日でも出なければならないという人以外、もしかすると雪道などで役立つ電子デバイスが付いたFF車でもよいかもしれません。
とはいえ、雪道では過信は禁物です。雪道から「抜け出す」のではなく、しっかりと路面を捉えて「雪を踏む」ためにはどうしたらよいか。そんなことを念頭に置きながら雪道対策をしてみてはいかがでしょうか。

雪道で運転が楽なクルマとして、個人的にはスバルの4WD車がおすすめです。
スバルのシンメトリカルAWDは左右のバランスが良く、安定して走ることができますし、SUVのXV(クロストレック)やフォレスターには「Xモード」が付いており、悪路での走行をクルマが助けてくれます。
なかなか替えのきかないクルマでして、車高が高くロードクリアランスが大きいことも、轍などのできやすい雪道では安心材料です。スバル車はかなりこの点ではアドバンテージが高いと言えるでしょう。
中古で狙いたい雪に強いおすすめの中古車5選
スバル フォレスター

縦置きの水平対向エンジン+四輪駆動による「シンメトリカルAWD」と呼ばれる左右対称のレイアウトが特徴のスバル製4WDモデルの代表格が、フォレスターです。
現在、日本国内で販売されているのは2018年にデビューした5代目(SK系)で、フォレスターとしては、はじめてプラットフォームにSGP(SUBARU GLOBAL PLATFORM)を採用したモデルです。
前後の駆動力配分を電子制御するアクティブトルクスプリットAWDを基本に、4輪の駆動力やブレーキなどを制御して悪路からのスムーズな脱出をアシストする「X-MODE」を搭載。
すべりやすい路面で活躍する「SNOW・DIRT」と、深雪などタイヤが埋まってしまうような状況で脱出をサポートする「DEEP SNOW・MUD」という2つのモードによって、雪道でのドライブをサポートします。
エンジンは、2020年の改良前が2.5L水平対向4気筒と、2.0L水平対向4気筒に電気モーターを組み合わせたe-BOXER。2020年以降は、e-BOXERと1.8L水平対向4気筒ターボというラインナップになっています。
室内は、運転席&助手席とステアリングヒーター、後席シートヒーターが標準装備(Touringのみ後席シートヒーターがオプション)となっています。
スズキ エスクード

1988年に小型の本格クロカン4WDモデルとして登場したスズキ エスクードは、時代にあわせて変化してきたコンパクトSUVですが、日本国内では2024年を最後に販売を終了しています。
最終型となったエスクードは2015年の発売で、欧州などではビターラのネーミングで販売されているモデル。伝統的なラダーフレーム構造からモノコックボディに変わったことでスタイリッシュになったスタリングも魅力です。
搭載エンジンは、1.6L 直列4気筒と2018年に追加された1.4L 直列4気筒直噴ターボのブースタージェット、2022年の改良で登場した1.5Lハイブリッドの3タイプで、駆動方式は1.6LにFFが用意されるほかは、全車フルタイム4WDになります。
4WDモデルに搭載される「ALL GRIP」は、電子制御4WD、4モード(AUTO/SPORT/SNOW/LOCK)走行切替機能、車両運動強調制御システムの3つのテクノロジーを統合したもの。
SNOWモードは、走行中に2WDと4WDを自動で切り替えて、雪道の走行において適切な前後配分を実現。LOCKモードは、50:50の前後配分を基本にトラクションコントロールとの連動でタイヤの不必要な空転を抑え、すべりやすい路面でのグリップを最大限に高めます。
シートヒーターは、運転席&助手席に標準装備です。
トヨタ RAV4

2012年以来、販売の途絶えていたトヨタ RAV4が日本国内に復活したのは2018年のことでした。
歴代5代目にあたる現行型RAV4(50系)は、新しいGA-Kプラットフォームに2.0Lガソリンエンジンと2.5L ハイブリッド、さらにPHEVが用意されます。
なかでもガソリンの4WDモデルには、路面状況に応じた走行支援を3つのモードから選択できる「マルチテレインセレクト」にくわえ、悪路での運転をサポートするSNOWモードやダウンヒルアシストコントロールシステムを装備。
さらにガソリン車の「Adventure」と「G“Z package”」には、前後トルク配分に加え、後輪のトルクを左右独立で制御し、旋回時の車両安定性を高めるトルクベクタリング機構を備えた「ダイナミックトルクベクタリングAWD」が搭載されています。
いっぽうハイブリッドとPHEVは、リアを電気モーターで駆動するE-Fourを採用。空転したタイヤにブレーキをかけることで別のタイヤに駆動トルクがかかるようにする「TRAILモード」が搭載されます。
シートヒーターが標準装備されるのはガソリン、ハイブリッドともに「G」および「G“Z package”」で、「Adventure」は快適温熱シート+シートベンチレーションをオプション設定しています。
日産 エクストレイル(T33型)

2022年にデビューをはたした日産 エクストレイル(T33型)。歴代で4代目にあたり、車両コンセプトを高級路線にシフトしました。
パワートレインは、可変圧縮比エンジンのVCターボを核としたe-POWERのみで、駆動方式は通常の2WD(FF)と、リアにモーターを配置した4WD(e-4ORCE)を用意。
e-4ORCEは、4WD制御技術、シャシー制御技術、電動化技術を組み合わせ、日常の一般道からワインディング、すべりやすい路面まで、あらゆる状況で上質かつ力強い走りを実現します。
選べるドライブモードは、AUTO/ECO/SPORT/SNOW/OFF-ROADの5つ。そのなかのSNOWモードを選べば、モーターのきめ細かな制御により、すべりやすい路面でも容易に発進できるほか、前後モーターの力強い加速でスタックを防ぎ、深雪でも走破が可能です。
日産 エクストレイル(T32型)

手ごろな価格設定と高いオフロード性能で人気となった日産 エクストレイル。
中古車で狙いやすい3代目(T32型)エクストレイルは、2.0L ガソリンエンジンと2.0Lハイブリッドの設定。駆動方式は、FFと4WDが用意され、4WD車には3つのモードで雪道での運転をサポートするALL MODE 4×4‐iを標準装備。
くわえて、2020年の改良ではドライバーのハンドル操作時の角度やクルマの動きをセンサーで捉えて瞬時に分析し、理想のコーナリングラインに近づけるよう前後トルク配分を行う「インテリジェント4×4」が追加されています。
さらに車体の上下動を予測して駆動力とブレーキを制御することで車体振動を抑制する「インテリジェント ライドコントロール」や、コーナーやブレーキ時にエンジンブレーキを付加し、ドライバーのブレーキ操作負荷を軽減する「インテリジェント エンジンブレーキ」といった技術も搭載されています。
トヨタ ランドクルーザー 200

日本を代表する高級クロスオーバーSUVといっても過言ではないトヨタ ランドクルーザーを中古で狙うなら、先代の200系ランドクルーザーがおすすめです。
シャシーは堅牢なラダーフレーム構造で、最低地上高は225mmを確保。デフロックを備えるほか、路面状況に応じて5つのモード(ROCK/ROCK&DIRT/MOGUL/LOOSE ROCK/MUD&SAND)を選択できる「マルチテレインセレクト」を装備。
また空転した車輪にブレーキをかけて他の車輪に駆動力を配分する「アクティブトラクションコントロール」、ステアリング操作のみでの極低速走行が可能な「クロールコントロール」は、クロールコントロール走行時にタイトなコーナーでの回頭性を高める「ターンアシスト機能」も搭載され、優れた悪路走破性を実現しています。
エンジンは、4.6L V型8気筒と200系デビュー直後に設定された4.7L V型8気筒がありました。
三菱 エクリプスクロス

2018年に日本デビューを果たした三菱自動車のコンパクトSUVがエクリプスクロスです。
アウトランダーよりも小さなボディに、4WD、AYC(アクティブヨーコントロール)、ASC(アクティブスタビリティコントロール)、ABSを統合制御して、優れた操縦性と高い走行安定性を実現する三菱自動車独自の車両運動統合制御システムの「S-AWC」を搭載。
ドライバーの操作と車両の挙動を各部のセンサーで検知して4輪を制御するS-AWCには、NORMAL/SNOW/GRAVEL/TARMAC(PHEVのみ)というドライブモードを用意して、どんな状況でも意のままの走りを実現します。
パワートレインは、1.5Lダウンサイジングターボに8速スポーツモード付きINVECS-Ⅲ(CVT)の組み合わせを基本に、2.2Lディーゼルターボと、2.4L MIVECエンジンとツインモーターによるPHEVの3種類が用意されています。
中古で狙いたい雪に強いおすすめの軽自動車3選
スズキ ジムニー

2018年に登場した現行型のスズキ ジムニー(JB64型)は、伝統のラダーフレーム構造を継承しているクロカン系SUVです。
ラダーフレーム構造を簡単に説明すると、車体の左右、縦に通されたメインフレームを数本のクロスメンバーで繋いだ形状がはしご状(ラダー形状)になっていることからそう呼ばれます。
ざっくり説明すると、サスペンションやエンジンはこのフレームに取り付けられており、ボディはそのうえに載っているという構造で、初期の自動車は木製のフレームを使っていました。
この構造は、障害物などに衝突してボディに損傷があっても、基本骨格となるフレームが生きていれば、ボディの修理や載せ替えが簡単なことがメリットです。
いっぽう、現代のクルマに多く採用されているモノコック構造は、メインとなるフレームがなく、ボディ全体が構造体になっている構造。
衝突時には全体で衝撃を受け止めることができるので衝突安全性が高い反面、車体全体で剛性を出しているので悪路走行などで横転してしまうと損傷で廃車になってしまいます。そのため、悪路走行を想定した本格クロカンSUVでは、ラダーフレームを採用する傾向にあります。
駆動方式は、走行条件によって2駆と4駆を任意で切り替えることができるパートタイム式4WDを採用。4駆には通常走行で使用する4Hと、ゆかるんだ道やスタックからの脱出など低速時に使う4Lという2つのモードを用意して走破性を高めています。
現行ジムニーのグレード構成は、「XG」「XL」「XC」の3つ。エントリーグレードにあたる「XG」は、マニュアルエアコンに前席シートヒーター、助手席と後席のシートベルト警告灯&リマインダーが未装着。
さらにリアシートは一体型のベンチタイプになるなど、本来のジムニーらしさが出ているモデルでもあります。
中間グレードの「XL」になると、フルオートエアコンをはじめ運転席&助手席シートヒーター、撥水加工のシート表皮、リアシートの左右独立リクライニング機構に5:5分割シングルフォールディングに、エクステリアはフォグランプやヒーテッドドアミラーをなど、必要にして十分な装備を備えています。
さらに上位グレードの「XC」では、LEDヘッドランプはウォッシャー付き、LEDサイドターンランプ付ドアミラー、ツートーンのボディカラー、クルーズコントロールにくわえて、室内の加飾が高級感のあるものに変更されるなど、乗用車的な快適性を獲得しています。
カスタマイズを考えている方は、どのモデルを購入しても基本的な走りに関する装備は一緒ですので、後付けで装着できないメーカーオプションの有無をみて選ぶといいでしょう。
トランスミッションは、5速MTと4速ATが選択できます。
ジムニーのポイントは、リセールバリューが凄く良いこと。中古でも10万キロ前後走行でも、100万円以上のプライスを掲げている個体もあるなど、今後の市場次第ですが中古車を選んでも、それなりのリセールが期待できそうです。
スズキ エブリイワゴン

スズキ エブリイワゴン(DA17型)は、2015年デビューの現行モデルが100万円前後で購入できます。
ベージュを基調にした内装に、豊富なシートアレンジやメッキ加飾のシフトレバー、充実した快適装備やエンジンのターボ化など、商用ユースメインのバンよりも質感をアップして普段乗りに使いやすいモデルに仕上げられています。
駆動方式は、2WD(FR)とフルタイム4WDの2タイプでしたが、2024年のマイナーチェンジで4WDがパートタイム式に変わると同時に、ぬかるみなどで空回りするタイヤにブレーキをかける「ぬかるみ脱出アシスト」を装備して、雪道など悪路に強いモデルになっています。
またATモデルのトランスミッションがトルコン式4速ATからCVTに変更され、燃費も13.1km/L から15.1km/Lに伸びたこともトピックです。
ちなみに、2024年以前はエブリイバンのNAエンジン車だけがパートタイム式4WDでした。
つまり高年式の中古車でパートタイム式4WDを探すのであれば、エブリイバンがおすすめ。ワゴンに近い内装は「join」というグレードが用意されています。
ダイハツ タフト

ダイハツ タフトは、2020年デビューの軽規格の新しいクロスオーバーSUVです。
スクエアで個性的なデザインは、パッとみると普通車のようにもみえる存在感で若者を中心に人気になっています。
バックパックをテーマにアクティブに活動できる軽快さと、荷物をたくさん運べる機能を両立した室内は、UV&IRカットガラスを使ったスカイフィールトップがポイント。
リアシートは軽自動車によく装備されているスライド機能はないものの、5:5分割でフルフラットにもなるなど使いやすくなっています。
パワートレインはNAとターボで、駆動方式は2WDと4WD。タイヤ空回りしたときに、空回りするタイヤにブレーキをかけ、片方に駆動力を与えるグリップサポート制御が、ぬかるんだ道や悪路での発進や加速をサポートします。
燃費はNAモデルが19.8〜21.4km/L、ターボモデルが18.2〜21.3km/L。街乗りが多く経済性を優先するならNA、高速利用が多いアクティブな使い方が多い方はターボを選択するといいでしょう。
安全は足もとから

高性能な4WDシステムを搭載するSUVであっても、路面と接するタイヤにグリップ力がなければどうにもなりません。
雪道においてウィンタータイヤは必須の装備として考えましょう。
また急ブレーキや急発進も事故やトラブルの元。発進はゆるやかに加速、停車時にもゆるやかにブレーキを踏むなど、前方車両との車間距離を十分にとって安全な発進と停止を行いましょう。
高性能4WDでも過信は禁物。雪道ではいつもにも増して安全運転を心がけましょう
滑りやすい雪道でも、独自の制御技術でドライバーをサポートしてくれる4WDモデルですが限界はあります。
また積もった雪の下にアイスバーンが隠れていたり、交差点やカーブの入口などは路面が凍結していることがあります。システムを過信せず、安全運転を心がけましょう。