夏でも冬でも発生するバッテリー上がり。車が動かなくなったらどうすればいい?
バッテリー上がりは、現代のクルマにおいて避けられないトラブルのひとつです。
2023年度にJAFのロードサービス(四輪車対応)が出動した理由は、第1位が”バッテリー上がり”で全体の約35%を占めていました。
バッテリー上がりは、冬場に起こるイメージですが、じつは夏場も頻発しています。なぜ、バッテリーは上がるのでしょうか。そして、バッテリーが上がってしまったらどうしたら良いのでしょうか。
参考:JAFロードサービス救援データ
バッテリーが上がる理由は?
バッテリーの充電は、エンジンに接続されたオルタネーター(ダイナモ)によって行っています。そのバッテリーは化学反応によって充電と放電をおこなっています。
ただし、気温が低いと、バッテリーの特性上、容量が変化して、化学反応が起こりにくくなります。
また最近は化学合成100%や粘度の低いエンジンオイルが増えた関係で少なくなっていますが、低温で硬いエンジンオイルを使っていると、暖かい時期よりも大きな電力を必要します。
こういった要因から、冬はバッテリーが上がりやすくなってしまうのです。
夏にバッテリーが上がる理由は?
冬場は、バッテリーの構造上、どうしても上がりやすくなりますが、それ以外でも充電能力を上回る電気が使われ続ければバッテリー上がりが発生します。
じつはクルマの電力は、冬場よりも夏のほうが多く消費しており、それが原因でバッテリーが上がります。
その代表がエアコンです。とくに送風ファンが電気を必要とします。ちなみに冬場のエアコンは、エンジンの熱を利用した暖房がメインなので電力消費が少なくて済みます。
夜の雨天時などには、エアコンを使いながら、ワイパーを作動させて、ヘッドライトも点灯して、と大量に電力を消費しています。
新品のバッテリー、健康なオルタネーターであれば、それでもトラブルになることはまれですが、バッテリーの性能が低下していたり、オルタネーターの発電量が減っていたりすれば、バッテリー上がりの原因になります。
バッテリーが上がった!クルマが動かなくなったらどうするか?
バッテリーが上がってしまい、エンジンがかからなくなってしまった。
そんなときの応急措置として、他のクルマのバッテリーにブースターケーブルをつないでエンジンをかける「ジャンピングスタート」という方法があります。
ジャンピングスタートの手順は以下のとおり。救援するクルマは、バッテリーが上がってしまったクルマと同じ、もしくはそれ以上の電圧のバッテリーを積んでいること。また作業は、かならず軍手をしてから、ボディにケーブルのクリップを接触させないよう、注意して行います。
1.自分のクルマのバッテリーの+端子にブースターケーブルの赤をつなぐ
2.救援車のバッテリーの+端子に赤いケーブルをつなぐ
3.救援車のバッテリーのー端子に黒いケーブルをつなぐ
4.自分のクルマのー端子に黒いケーブルをつなぐ
5.確実につながったことを確認したら救援車のエンジンを始動して、2,000回転前後をキープ
6.自分のクルマのエンジンをかけます
7.エンジンが始動できたら、上の順番とは逆の順番でケーブルをはずす
エンジンがかかれば走行できますが、このときバッテリーはまだ空に近い状態で、エンジンを切るとまた動かなくなる可能性があるため、エンジンは切らないようにします。しばらく走行してバッテリーに充電してください。
ただし、バッテリー自体が寿命を迎えていたり、損傷している場合は、しばらく走行してもエンジンを止めると再始動できないことがあるので注意が必要です。
できれば、そのままカー用品店や電装系が得意なショップなどで、バッテリーの状態をチェックしてもらうと安心です。
助けてくれるクルマが近くにない場合
近くにバッテリーをジャンブしてくれるクルマがない場合は、JAFのロードサービスや、自動車保険のロードサービスに救援をお願いしましょう。
ただし、年末年始やお盆の時期などはロードサービスの出動件数も増えて、連絡をしてもすぐには対応できないということもあります。
そんなトラブルに合わないためには、日々のメンテナンスや事前の確認が必要です。
バッテリーには寿命があり、長く使っているほど消耗して上がりやすくなります。2〜3年が経過したら交換のタイミングと考えたほうが良いです。
しかるべきタイミングでバッテリーをチェックして、弱っていたらケチらずに交換しましょう。
バッテリーのチェック、交換以外のトラブルへの備えとしては、JAFなどのロードサービスに加入しておけば安心ですね。