3代目シエンタと2代目フリード。中古で狙うなら、どっちのコンパクトミニバンがおすすめ?
トヨタ シエンタとホンダ フリードは、コンパクトなサイズが魅力のミニバンです。
1.5Lクラスのパワートレーンに、7人乗りの室内、5ナンバー枠に収まるボディなど、似たところの多い2台は中古車でもどちらを買えば良いのか迷ってしまいます。
そんなシエンタ(3代目)とフリード(2代目)をさまざまな視点から比較してみましょう。
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- コンパクトミニバンの好敵手
- 燃費は新しいシエンタの勝利
- パワートレーンはどちらも1.5L級
- トヨタチームメイトが運転をサポート
- 狭い路地で効く最小回転半径
- 室内デザインに方向性の違いが現れる
- 廉価グレードのないフリード
コンパクトミニバンの好敵手
トヨタ シエンタとホンダ フリードは、コンパクトミニバンのライバルです。
シエンタのデビューは2003年で、2015年に大幅なモデルチェンジを敢行。現在は、2022年にデビューした3代目(10系)が販売されています。
いっぽうフリードは2008年のデビューで、2代目(GB系)は2016年から2024年まで販売されました。
燃費は新しいシエンタの勝利
子育て世代がまず気になるのは、燃費性能ではないでしょうか?
それぞれWLTCモード燃費は、3代目シエンタのガソリン車(FF)が18.3〜18.4km/L、2代目フリードはFFが17.0km/L、4WDは15.6km/L。
ハイブリッド車は、3代目シエンタのFFが28.2〜28.5km/L、4WDのE-Fourは25.3km/L、2代目フリードはFFが20.9km/L、4WDが19.8km/Lで、フリードハイブリッドは駆動方式による燃費の差がないことが特徴です。
現行モデルのデビューは、シエンタ(3代目)が2022年、フリード(2代目)は2016年なのでちょうど1世代の隔たりがあり、そのぶんシエンタは燃費性能に優れています。
ちなみにモデルチェンジ前の2代目シエンタ(Xグレード)は、ガソリン車のFFが17.0km/L、ハイブリッド車のFFは22.8km/Lという数値で、フリードと比べてそれほど大きな差ではありません。
パワートレーンはどちらも1.5L級
搭載しているパワートレーンは、シエンタが1.5L直列3気筒DOHCガソリンエンジンと1.5L直列3気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド(THSⅡ)。
フリードは、1.5L直列4気筒DOHCエンジンと、1.5Lエンジンにモーターを内蔵した7速DCTを組み合わせたハイブリッド(SPORT HYBRID i-DCD)という構成。
駆動方式は、どちらもFFと4WDを用意しますが、シエンタの4WDはハイブリッド車のみです。
普段から降雪地帯や雪道を頻繁に走るファミリーで、安価な4WDを求めている方はフリードがおすすめです。
トヨタチームメイトが運転をサポート
安全装備面では、シエンタには予防安全パッケージである「トヨタセーフティセンス」が全車に標準装備されています。
運転のリスクに応じて先読みして予防安全をはかるシステムは、ドライバーのステアリング操作やブレーキ操作もサポートします。
プリクラッシュセーフティは、自転車、歩行者、自動車に加え、自動二輪も昼間には判別可能。
車庫入れや縦列駐車の際に、ステアリング、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ操作を車両側で行う「アドバンスドパーク」を備える「トヨタチームメイト」はZグレードにメーカーオプションで用意されます。
いっぽうフリードには「ホンダセンシング」が標準装備されています。
アダプティブクルーズコントロールや車線維持システム、高速道路などで一定の車間距離とスピードを保って走れるので疲労軽減に役立ちます。アクセル踏みちがい防止、衝突軽減ブレーキなど9つの機能が搭載されています。
狭い路地で効く最小回転半径
ボディサイズは、3代目シエンタが全長4,260mm×全幅1,695mm×全高1,695〜1,715mm、2代目フリードは全長4,265〜4,295mm×全幅1,695mm×全高1,710mmとほぼ同じです。
どのくらい小回りが効くかの指標となる最小回転半径は、シエンタが5.0m、フリードは5.2mです。
わずか20cmの違いですが、その差は狭い道で顕著に表れます。都会などに多い入り組んだ道を使うユーザーは、試乗であらかじめ試してみると良いかもしれません。
狭い路地で一発で曲がれるか、切り返すかは精神的にかなり違います。
室内デザインに方向性の違いが現れる
運転席に座ってみると適度な高さの着座位置は甲乙つけがたく、ピラーが邪魔になる感じはありません。
インパネはどちらも直線基調ですが、シエンタがインパネ上部にシートと同じ素材を使い柔らかい雰囲気を演出しているのに対し、フリードは木目調パネルをあしらって高級感を狙っています。
シート表皮も同様で、シエンタはファブリック、フリードは人工皮革とファブリックのコンビ。カラーもシエンタが明るいカラーを使っているのに対し、フリードは落ち着いたカラーでまとめています。
乗車定員は、どちらも5人乗りと7人乗りが選べます。
室内寸法は、シエンタは室内長2,545mm×室内幅1,530mm×室内高1,300mmで、フリードが室内長3,045mm×室内幅1,455mm×室内高1,275〜1,285mmですので、幅と高さは新しいシエンタに分がありますが、室内長はフリードが上回っています。
またどちらも低床設計で車内への乗り降りも容易になっていますが、7人乗りではシエンタのサードシートがバッテリー搭載の関係で着座位置が高くなっています。
いっぽうフリードは、2列目にキャプテンシートを装備した6人乗りが選べることもポイント。2列目の居住性はもちろん、シートを片方だけ倒して3列目にアクセスできるなど、使い勝手も向上します。
対するシエンタの2列目はレバー操作で簡単にたためるタンブル機構付きで、3列目へのアクセスを容易にしています。
3列目の格納は、シエンタが床下収納のダイブダウンタイプ、フリードは窓側に跳ね上げて固定するタイプ。シートの出っ張りがないぶん、積載量と使い勝手ともにシエンタが優勢です。
廉価グレードのないフリード
外装は、シカクマルをキーワードにデザインされた3代目シエンタには可愛らしい雰囲気が漂います。
いっぽう2代目フリードは、ホンダらしい質実剛健でシャープな雰囲気。車高をちょっとだけアップしたCROSSTAR(クロスター)や、スポーティなイメージのModulo(モデューロ)もラインアップされています。
新車価格帯はシエンタが195万円〜310万8000円、対するフリードは現在モノグレード展開になっており233万900円〜287万5400円。
フリードのクロスターとモデューロ Xは、262万7900円〜333万3000円です。
3代目シエンタはようやく供給が安定したところで、早く手元にほしいという方以外には、あまりおすすめできません。
中古車で狙うなら間違いなくフリードのほうが安価で狙い目。
価格を基準に比較するなら、シエンタは2代目になると思います。新型がほしいけれど価格的にちょっと…という方は、2代目シエンタに目を向けてみるのもアリかもしれません。
いずれも年間販売台数でつねに上位に入っているモデルなので、中古車のタマ数は豊富。じっくり考えてご家庭にベストマッチな1台を見つけましょう。