e-POWER専用コンパクトカー「日産 ノート」のおすすめグレードを解説
日産のコンパクトハッチバック「ノート」は、現行型で3代目(E13)を数えます。
2020年11月にデビューした3代目は、100%電動駆動でシリーズハイブリッドの1種である「e-POWER」専用モデルになりました。
2024年末に初登場から4年が経ち、中古車市場での物件数も増えている3代目ノートのおすすめを解説します。
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- 先代よりもコンパクトになった3代目
- e-POWERがもたらすスムーズな走りは体感する価値あり
- 加飾や専用装備が備わる「X 90周年記念車」「AUTECH CROSSOVER」も出回りつつある
- 装備で選ぶなら「X」、価格を優先するなら「S」グレードがおすすめ
先代よりもコンパクトになった3代目
日産 ノートは先代の2代目まで、同じBセグメントのライバルよりも少し長いボディが特徴でした。
そのサイズは、全長4,100mm×全幅1,695mm×全高1,525mmというもので、当時のライバルと比べても、40〜155mm長く、その長さを活かした後席の広さが美点でした。
全長 | 全幅 | 全高 | |
日産 ノート(2代目) | 4,100mm | 1,695mm | 15,25mm |
トヨタ ヴィッツ(3代目) | 3,945mm | 1,695mm | 1,500mm |
ホンダ フィット(3代目) | 3,990mm | 1,695mm | 1,525mm |
マツダ デミオ(4代目) | 4,060mm | 1,695mm | 1,525mm |
それに対し3代目の現行型(E31)は、全長4,045mm×全幅1,695mm×全高1,520mmにホイールベース2,580mmというサイズ。
全長で55mm、ホイールベースも20mm短くなっていますが、後席の足元空間がとくに狭くなったようには感じられません。
e-POWERがもたらすスムーズな走りは体感する価値あり
3代目最大の美点は、100%電動駆動のe-POWERがもたらすスムーズな走りです。
発進直後からトルクが立ち上がり、高速道路への合流などでもストレスなく加速を引き出せます。街中で走らせるぶんには、静粛性も十分に確保されています。
いっぽうで、高速道路などで速度域が高まると、エンジンの音や振動、風切り音やロードノイズが大きめに伝わってきます。こうした速度域では、国産ハッチバックのなかで特別静かという印象はありません。
電動駆動ならではの減速(回生ブレーキ)のフィーリングは、純ガソリン車からの乗り替えだと慣れが必要な反面、走行モードを選べる「e-Pedal Step」を駆使することで、好みや状況に応じた走りを引き出せます。
選べるドライブモードは3つで、「スポーツ」と「エコ」であればアクセルペダル操作のみで加減速がコントロールしやすく、「ノーマル」は純ガソリン車のような減速フィールが得られます。
ただし、アクセルペダルOFF時の回生ブレーキを強めて、急減速、急加速で走り続けると、乗員の酔いを誘うこともあるかもしれません。
また、モーター駆動らしくFF(2WD)でも雪上走行が安定しているという利点もあります。
緻密な制御により滑りやすい路面でも発進しやすく、さらにリアに最高出力50kWのモーターを追加した4WDでは、発進時だけでなくコーナリング時の安定性、制動性能なども2WDを上回ります。雪国の方は4WDを選べば不安なく走破できるはずです。
加飾や専用装備が備わる「X 90周年記念車」「AUTECH CROSSOVER」も出回りつつある
2024年11月時点のグレードは、「X」「X 90周年記念車」「AUTECH CROSSOVER(オーテック・クロスオーバー)」というラインナップです。
「X」は本革巻ステアリングや前席シートヒーターがオプション。オートエアコン、衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱防止支援システムなどは標準で「プロパイロット」は4WDの「X FOUR」も含めてオプションです。
「X 90周年記念車」は、90th Anniversary専用シート、サイドターンランプ付電動格納式リモコンブラックドアミラー、専用16インチブラックアルミホイールのほかは、加飾が中心で、快適装備や安全装備は「X」とほぼ同等です。
最低地上高を25mm高めた「AUTECH CROSSOVER」は、クロスオーバー風味の専用内外装を備えています。
専用ブラック本革巻ステアリング、専用チューニング車速感応式電動パワーステアリングなどが備わる一方で、前席シートヒーターや「プロパイロット」などはオプションになっています。
最廉価グレードの「S」と中間グレードの「F」は、2022年に販売を終了しています。
装備で選ぶなら「X」、価格を優先するなら「S」グレードがおすすめ
装備内容を考えると「X」を選ぶのが妥当でしょう。降雪地域であれば4WDの「X FOUR」がオススメ。
中古車市場には、最廉価の「S」も出回っていて、「X」の16インチに対して15インチタイヤを履くなど、装備のグレードダウンや未設定化もありますが、オートエアコンは標準装備。価格を最優先するのなら「S」もありです。