ミドルクラスの高級セダン『レクサス ES』のおすすめグレード

トヨタ ウインダムの流れを組むレクサス ESは、現行型の7代目でようやく日本導入が開始されました。
FF(フロントエンジン・フロントドライブ)を採用する高級ミドルクラスセダンで、量産車として世界初のデジタルアウターミラーなど、最新技術を投入しています。
2018年10月の発売から4年以上が経ったことで物件数が増えつつある、中古車市場での大注目モデルです。
少数派の高級FFセダンに乗ろうと思う

数少ない高級FFセダンのレクサス ESは、FFレイアウトによる広大な足元空間や、最大443Lの余裕を感じさせる荷室容量が魅力です。
ボディサイズは全長4,975mm×全幅1,865mm×全高1,455mmとかなり大きく、堂々としています。
搭載されるパワートレインは、2.5Lハイブリッドで、駆動方式はFFのみ。
技術面での最大のトピックは、量産車として世界初採用となったデジタルアウターミラーで、フロントドア外側のカメラで撮影された映像を、室内のAピラー付け根に設置された5インチの液晶ディスプレイに表示します。
デジタルアウターミラーは、天候などに左右されずに高い視認性を確保できるいっぽうで、ドライバーには慣れが必要という面もあり、中古車のほとんどはこれまで同様のサイドミラーを装備しています。

冒頭で紹介したように、ESは室内後席の足元空間の広さが美点で、大柄な人が前席に座っても後席の足元には余裕が残ります。
2.5Lハイブリッドは、新型のトランスアクスルやPCU(Power Control Unit)の搭載により上質感のある性能を実現。
出力に関しても必要十分という印象で、4人乗車時でもモアパワーを抱かせるシーンは少ないと思います。
またGA-Kプラットフォームを使った車体は、室内に伝わる振動やノイズを源流までさかのぼって低減することで、快適な乗り心地と高い静粛性を両立。
“F SPORT”と“version L”には、パフォーマンスダンパーも備わり、より上質な乗り味を享受できます。
ただし、最小回転半径は5.8m〜5.9mと大きく、狭い場所での取り回しは得意とはいえません。
グレードは、ES300hを基本に、スポーティなES300h“F SPORT”、高級感を高めたES300h“version L”を設定します。
一部改良とマイナーチェンジで着実に進化

2020年8月に一部改良を受け、駆動用バッテリーがニッケル水素からリチウムイオン電池に変わり燃費が向上したほか、デジタルミラーの改良により視認性の向上、先進安全装備の強化、スマホ連携機能などが盛り込まれました。
さらに、2021年8月にマイナーチェンジを受け、外観をブラッシュアップしたほか、リヤサスペンションメンバーブレースを1枚板による構造から2枚の板を合わせた構造に変更したことで、乗り心地や操縦安定性を向上。
そのほか、電子制御ブレーキシステムの操作性アップ、室内のマルチメディアシステムがタッチディスプレイに進化するとともに、ディスプレイをドライバー側に約100mm近づけ、角度を約5°傾けることで、操作性、視認性の向上も盛り込まれました。
また“F SPORT”には、新型のアクチュエーターを使った、最新鋭のリニアソレノイド式AVS(アダプティブバリアブルサスペンションシステム)が採用され、ハンドリングと乗り心地のさらなる向上が図られています。
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走りやスポーティな見た目を重視するなら、おすすめは“F SPORT”。中古車市場でも比較的物件数が多いのも魅力です。
同じような条件で標準車と“F SPORT”、“version L”から選べる場合、走りの質感を重視するのならパフォーマンスダンパーが装着される“F SPORT”または“version L”を推奨します。
ただし“F SPORT”は、235/40R19サイズのタイヤが標準になり、足元も引き締まっていて、乗り心地も若干ハード系。

バランスを重視するのなら18インチを履き、パノラミックビューモニター(床下透過表示機能付)、カラーヘッドアップディスプレイ、本木目+本革ステアリング、セミアニリン本革シート、運転席10ウェイ&助手席8ウェイ調整式パワーシートなどが標準となる最上級仕様の“version L”を狙いたいところです。