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【プロ解説】上位グレードと同じ充実装備で314万円!お買い得なCX-5の試乗レポート

マツダ CX-5 20S Black Selection

欧州で、歴代3代目となる新型が発表されたマツダ CX-5ですが、日本国内では現行型の2代目CX-5の販売がまだしばらく続きます。

2017年から国内販売が開始され、いまや熟成の域に達している2代目CX-5。

その進化を振り返りながら、2024年末に追加された新グレード「20S Black Selection(ブラックセレクション)」を徹底解説します。

Chapter
発売から8年、いまや熟成の域に達した2代目CX-5
2021年のマイナーチェンジで各部をブラッシュアップ
20S Black Selectionは314万500円という価格ながら充実の装備
コスパ最強のミドルクラスSUV

発売から8年、いまや熟成の域に達した2代目CX-5

マツダ CX-5 20S Black Selection

現行型の2代目マツダ CX-5(KF系)は、2016年11月に発表。翌2017年2月に発売されました。

デビュー直後のラインナップは、2.0L直列4気筒ガソリンエンジン(SKYACTIV-G 2.0)の「20S」、2.5L直列4気筒ガソリンエンジン(SKYACTIV-G 2.5)の「25S」、2.2L直列4気筒ディーゼルターボ(SKYACTIV-D 2.2)の「XD」という構成。

エンジンは、いずれも先代からのキャリーオーバーですが、2代目の進化に合わせてさまざまな改良が加えられています。

また車体には、新世代車両運動制御技術「スカイアクティブビークルダイナミクス」のひとつであるGベクタリングコントロール(GVC)を装備して、走行性能はもちろん運転の楽しさや安心感を向上させました。

マツダ CX-5

翌年の2018年2月の改良では、2.0Lと2.5Lのガソリンエンジンが、低抵抗ピストンや排気ポートの形状見直し、冷却水の流量制御、インジェクターの改良などにより、燃費やトルク、環境性能、静粛性などを改善。2.5Lエンジンには、気筒休止システムも採用されました。

いっぽう2.2Lディーゼルターボエンジンは、急速多段燃焼技術や可変ジオメトリーターボチャージャーなどの採用によって、最高出力、最大トルクを向上しています。

その他、車体関係では自車位置演算ユニット搭載によるマツダコネクトの機能進化、車速感応式オートドアロック、360°ビューモニター(セットオプション)などが盛り込まれました。

同じ年の11月には、2.5L直噴ガソリンターボ(SKYACTIV-G 2.5T)の「25T」を追加するとともに、2.2Lディーゼルターボに6速MT車を設定。

G-ベクタリング コントロールは、ブレーキによる車両姿勢安定化制御(直接ヨーモーメント制御)を追加した「G-ベクタリング コントロール プラス(GVC プラス)」に進化。「XD」と「25T」に、特別仕様車「Exclusive Mode(エクスクルーシブモード)」が追加されました。

2019年12月は、AWD車にAWDとトラクションコントロール(TCS)の協調制御によって、さまざまな路面環境において高い走行性能を実現する「オフロード・トラクション・アシスト」を採用

2020年12月の改良では、2.2Lディーゼルターボエンジンの出力をアップするとともに、アクセルペダルの操作力を最適化することで、加減速のコントロール性が向上。また6速AT(SKYACTIV-G 2.5Tを除く)は制御技術をアップデートすることで、アクセル操作に対する応答性が向上しています。

室内は、センターディスプレイを10.25インチサイズに拡大(25S/XDは8.8インチ)。車載通信機を標準設定し、コネクティッドサービスとスマートフォンアプリ「MyMazda(マイマツダ)」との連携により利便性を向上しました。

2021年のマイナーチェンジで各部をブラッシュアップ

マツダ CX-50

2021年11月にはマイナーチェンジが行われ、CX-5は大幅に進化しました。

エクステリアはフロントまわりを中心にブラッシュアップされ、SUVらしい力強さと都会的でエレガントな美しさを融合したスタイリングへと進化。

先進安全・運転支援システムのi-ACTIVSENSE (アイ・アクティブセンス)に、クルージング&トラフィックサポート[VTS](一部グレード)を追加。ハンズフリー機能付きパワーリフトゲートも新設定されました。

車体は、車両構造技術スカイアクティブ・ビークル・アーキテクチャの考え方を取り入れ、フレームに減衰構造を採用、車体とシートフレームの取り付け剛性を向上、スプリング・ダンパー特性の見直し、着座時の骨盤角度を最適化したシートなどにより、”より自然な感覚で運転”ができるようになりました。

くわえて、走行モードを選べる「マツダ・インテリジェント・ドライブ・セレクト(Mi-DRIVE)」を採用して、あらゆるシーンで人馬一体感を高めました。

ラインナップには、都会的な「Sports Appearance(スポーツアピアランス)」と、アウトドアライフでの活躍を念頭に置いた「Field Journey(フィールドジャーニー)」が新設定されました。

その後も、2022年10月の改良で、Apple CarPlayワイヤレス接続機能とUSBタイプC端子を追加して利便性を向上。

モデル末期となっても、2023年9月に特別仕様車「Retro Sports Edition(レトロスポーツエディション)」、2024年11月には「Black Selection(ブラックセレクション)」と「i Selection ( iセレクション)」をそれぞれ追加。

エントリーグレードとなる「i Selection」は、ハンズブリー機能付きパワーリフトゲートなどを標準装備。「Black Selection」は、外観では黒色のドアミラーカバーとアルミホイール。インテリアでは赤色のステッチを施したパーツを採用しスポーティな世界観を表現しています。

車両本体価格はiセレクションは281万500円~336万500円。ブラックセレクションは314万500円~369万500円と、魅力的な価格設定となっています。

20S Black Selectionは314万500円という価格ながら充実の装備

今回の試乗車は、2024年に追加設定された「20S Black Selection(2WD)」です。

車両本体価格314万500円に、オプションとしてソウルレッドクリスタルメタリック(7万7000円)、BOSEサウンドシステム(8万2500円)、ナビゲーション用SDカード アドバンス2(5万5920円)が追加されています。

20S Black Selectionのエクステリアは、ドアミラーとフロントグリル、シグネチャーウイング、さらに19インチホイールをブラックで統一。

インテリアは、上位グレードと同じハニカムブラックとサテンクロームメッキのパネルに、合成皮革とグラリュクスによる専用のコンビシートには赤ステッチを施してスポーティさを演出しています。

運転席の10wayパワーシート、運転席と助手席のシートヒーター、ステアリングヒーターは標準装備。運転支援には、追従走行機能とステアリングアシスト機能を合わせたクルージング&トラフィックサポート(CTS)が用意され、ロングドライブにおけるドライバーの疲労を軽減します。

またワイヤレス充電やApple CarPlayワイヤレス接続機能、USB端子タイプCをフロントに、タイプAをリアに、それぞれ2個設置しています。

マツダ CX-5 20S Black Selection

久しぶりにステアリングを握った2.0Lガソリンエンジンの20S Black Selectionは、ディーゼルエンジンのXDにくらべて約100kg軽い車体に、GVCプラスの採用をはじめ数々の改良が施されたことで非常に軽快な印象です。

エンジン本体の軽さもあって、ステアリングを切った際のフロントの入りが良く、人馬一体感を味わえるモデルとなっています。

最高出力115kW(156PS)/6,000rpm、最大トルク199Nm/4,000rpmという2.0L直4ガソリンエンジンは、勾配のきつい上り坂や高速道路の合流などでは非力さを感じるシーンもありますが、これは同じCX-5のディーゼル車に比べたときに感じるポイントで、20Sだけに乗っている限りは、街乗りから高速道路まで過不足なく仕事をしてくれるはずでストレスはありません。

むしろ、充実した装備に300万円+十数万円の新車価格を考えれば、積極的に選ぶ理由は十分と感じました。

コスパ最強のミドルクラスSUV

マツダ CX-5 20S Black Selection

新車発売以降も、毎年のように改良を行い、年を経るほど熟成が進む欧州車は、しばしば最終モデルが狙い目といわれます。

マツダというメーカーも同様で、そのなかでも2024年に登場したCX-5 20S Black Selectionは、装備の充実度や廉価な価格設定もさることながら、その完成度の高さも魅力

3代目が発表された現在、あえて2代目の最終モデルを選ぶのもアリだと思います。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として本格的に参画し、2006年に独立。現在は、日本でもっとも多くの広報車両を借り出して取材を行うフリーランスの編集者として活動中。中古車の流通、販売店に精通した「中古車相場師」と呼ばれるいっぽうで、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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