ミニバンとSUV。ファミリーカーに欲しいのは、三菱 デリカD:5?それともマツダ CX-80?
子供が立って移動できる広い室内空間や多彩なシートアレンジに、本格的なオフロード性能をあわせ持つ三菱 デリカD:5。
世界を見渡しても稀有なモデルのライバルとしてピックアップしたのは、ミニバンに変わるファミリーカーとして注目を集めている3列シートのクロスオーバーSUV、マツダ CX-80です。
ボディスタイルは異なるものの、共通点も多い2台を比較してみました。
- Chapter
- SUVはミニバンの上位互換になれるのか?
- デリカD:5のロングセールスは信頼と人気の証
- CX-80は、多人数乗車のできるクロスオーバーSUV
- スペック比較ではミニバンが有利
- ・デリカD:5とライバルを比較してお題の車が良い点は?
- デリカD:5とライバルを比較してライバルが良い点は?
SUVはミニバンの上位互換になれるのか?
現在、世界的なトレンドは、背の高いSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)です。ボディサイズこそ異なりますが、北米でも欧州でも新車販売の6割前後をSUVが占めています。
とくに北米では、3列シートのラージサイズSUVがミニバンのシェアを奪い、ファミリーカーの主役になっているほど。日本でも没個性のミニバンに飽きたユーザーが、3列シートを備えたSUVへシフトしています。
そんな3列シートSUVのなかから、2024年に登場したマツダのフラッグシップモデル「CX-80」をピックアップして、三菱 デリカD:5と比較します。
デリカD:5のロングセールスは信頼と人気の証
三菱 デリカD:5は、2007年1月にデビューしました。
環状骨格構造の「リブボーンフレーム」によって、オフロード性能を高めたスクエアなボディを大径タイヤで支えるデリカD:5は、210mm(前期型)という最低地上高に、アプローチアングル24°、ランプブレークオーバーアングル18°、デパーチャーアングル21.5°を確保するなど、クロカン系SUVに匹敵する十分なスペックで優れた悪路走破性能を実現しています。
2019年2月にビッグマイナーチェンジを敢行し、ダイナミックシールドに縦型のマルチヘッドライトを組み合わせ、ひと目でデリカD:5とわかる個性的なデザインへと進化しました。
同時にエンジンは大幅改良を受けた2.2L直4ディーゼルターボのみとなり、駆動にはAYC(アクティブヨーコントロール)を装備する電子制御4WDが採用されました。
そんなデリカD:5が、2026年1月に大幅改良をうけました。
ビッグマイナーチェンジ時に大幅改良を受けた2.2L直4ディーゼルターボと8速ATの組み合わせのパワートレインはそのままに、駆動系の制御をAYC(アクティブヨーコントロール)のみから、AYC、ASC(アクティブスタビリティコントロール)、ABSを統合制御する「S-AWC」へとアップデート。
同時に、さまざまな運転スタイルや走行シーンに最適化したドライブモード(ECO/NORMAL/GRAVEL/SNOW)も用意し、あらゆる路面における走破性・操縦性を向上しました。
また運転支援機能では、「衝突被害軽減ブレーキシステム」に、従来の車両と人物に、自転車の検知を可能としたほか、「誤発進抑制機能」に後退時の踏み間違も対応するなど安全性能も進化しています。
外観は、フロントグリル、フロントおよびリアバンパーのデザインを変更するとともに、ホイールアーチモールの追加によって力強さを表現。
インテリアは、8インチカラー液晶メーターの採用やインストルメントパネルやシート生地の変更などのより、先進性に加えてギア感とプレミアム感を高め、車両本体価格は451万円~494万4500円に設定されました。
CX-80は、多人数乗車のできるクロスオーバーSUV
ライバル車としてピックアップしたマツダ CX-80は、2024年10月10日に販売を開始したフラッグシップSUVです。
縦置きパワートレインに対応したプラットフォーム「SKYACTIV マルチソリューションスケラーブルアーキテクチャー」に搭載されるのは、最高出力170kW(231ps)/最大トルク500Nmを発生する3.3L直列6気筒ディーゼルターボをはじめ、最高出力187kW(254ps)/最大トルク550Nmの3.3L直列6気筒ディーゼルターボにモーターを組み合わせるマイルドハイブリッド、最高出力138kW(188ps)/最大トルク250Nmを発生する2.5L直列4気筒ガソリンエンジンと最高出力129kW(175ps)/最大トルク270Nmを発生するモーターを組み合わせたPHEVの3種類。
駆動方式はフルタイム4WDをメインに、3.3LディーゼルターボのXDにのみ2WD(FR)が用意されます。
安全装備は、に対向車衝突被害軽減機能を追加した衝突被害軽減ブレーキのスマート・ブレーキ・サポート(SBS)をはじめ、ドライバー異常時対応システム(DEA)、クルージング&トラフィックサポート(CTS)緊急停止支援制御付(ドライバー・モニタリング連動)などが進化した「i-ACTIVSENSE」を搭載。
トレーラーヒッチビュー(360°ビューモニター)、リアシートアラートなども搭載されています。
2026年3月の改良では、フロントドアガラスの遮音ガラス化、シフトパネル/コンソールとドアトリムの加飾変更(一部グレード)、マツダコネクトの操作性改善、Apple CarPlay/Android Autoのタッチパネル操作スイッチ追加などとともに、シートバリエーションの見直し(プレミアムスポーツ、プレミアムモダン以外のグレードに、7人乗りのベンチシート仕様または6人乗りのセンターウォークスルー仕様を設定)が行われました。
CX-80の車両本体価格は、478万1700円~714万4500円と幅広くなっています。
スペック比較ではミニバンが有利
それでは、デリカD:5とCX-80を比較してみましょう。
ミニバンのデリカD:5のボディサイズは、全長4,800mm×全幅1,815mm×全高1,875mmに、ホイールベース2,850mm。室内は、室内長2,980mm×室内幅1,505mm×室内高1,310mm。
対してCX-80は、全長4,990mm×全幅1,890mm×全高1,710mmに、ホイールベース3,120mmというボディサイズに、室内長2,650mm×室内幅1,550mm×室内高1,233mmとなっていて、ボディスタイルの違いがそのまま室内長と室内高に表れています。
搭載しているパワートレインは、デリカD:が2.2L直4ディーゼルターボエンジンのみなのに対して、CX-80は3.3Lディーゼルターボ、3.3Lマイルドハイブリッド、PHEVの3種類。さらに駆動方式も、デリカD:5が4WDのみ、CX-80はXD系に2WD(FR)を用意するなど、幅広いニーズに応えています。
燃費(WLTCモード)は、デリカD:5が12.9km/L、CX-80はXDが16.7~18.3km/L、XD-HIBRIDは19.0~19.2km/L、PHEVは12.9km/LですがEVのみで67kmの走行が可能です。
運転支援機能は、デリカD:5は先日の商品改良でアップデートしたものの、デビュー年次の新しいCX-80に比べると若干見劣りします。
・デリカD:5とライバルを比較してお題の車が良い点は?
デリカD:5の良い点は、まず広い室内空間とスライドドア、「S-AWC」と排気量2.2Lのディーゼルエンジン、そして上位グレードでも500万円を切る新車価格です。
小さなお子さんなら立って移動できる室内は、背の高いミニバンならではの美点。3列目も余裕がありますし、上位グレードでは両側電動スライドドアに加えて、電動サイドステップが標準装備となり、お子さんからお年寄りまで乗り降りしやすくなっています。
また185mmの最低地上高は、CX-80(170mm)よりも高く、S-AWCとドライブモードを駆使すれば、ちょっとしたオフロードも苦にしない悪路走破性を備えています。
車両本体価格の安さにくわえて、毎年の自動車税は2.0L超〜2.5L以下で4万3500円、重量税は1.5t超〜2.0tクラスで2年分で3万2800円(1年あたり1万6400円)と維持費が安いことも魅力でしょう。
デリカD:5とライバルを比較してライバルが良い点は?
CX-80の良い点は、オンロードでの快適な乗り心地と優れたハンドリング性能、各部の質感の高さや最新の安全運転機能、さらに燃費の良さがあげられます。
全長5m、全幅1.89mもあるラージサイズSUVでありながら、ワインディングや高速道路では、マツダの掲げる操る楽しさである“人馬一体”を味わえます。
室内の静粛性、質感の高さもCX-80の魅力。上位グレードでは、シート表皮などに高級なナッパレザーを使用するとともに、抜群の座り心地を実現したセカンドシートはショーファードリブンとしても通用するパッケージです。
運転支援機能には、ドライバー異常時対応システムやドライバーモニタリングシステムも搭載するなど、安全性でも一歩先を行っています。
燃費(WLTCモード)は、スタンダードなXDの4WD車で16.8km/L、2WD車でも18.3km/Lというコンパクトカー並みの数値を叩き出していますし、PHEVは12.9km/Lという並みの数値ですが、バッテリーのみで最大67kmの走行を可能としていますから、日常使いではガソリンを使わない(燃費ゼロ)というケースも少なくありません。
アウトドアレジャーにも使える多人数乗車モデルの三菱 デリカD:5とマツダ CX-80。CX-80がオンロード重視なのに対して、デリカD:5はオフロードの走破性にもこだわった設計がポイント。
季節問わず、週末は家族でアウトドアレジャーを楽しむというファミリー層や、3列目の使用頻度の高いユーザーにおすすめなのがデリカD:5。
CX-80は、高級セダンの代わりといえる豪華さと質感の高い走りが特徴で、燃費性能も含めてロングドライブが得意です。
同じ3列シートモデルでありながら個性はかなり異なりますので,ご自身の使い方にマッチするモデルを選んでもらいたいと思います。



































