【2023年版】燃費のいい国産SUV車おすすめ13選|JC08モードとWLTCモードの違い知ってますか?

世界的にみればかなり落ち着いた原油価格ですが、日本では円安の影響でガソリンの販売価格は上がりっぱなし。
2023年9月13日に資源エネルギー庁が発表した資料によれば、レギュラーガソリンの全国平均価格は184.8円/Lでした。
ここまでガソリン価格の高騰が長引くと、気になるのは愛車の燃費ですよね。ここでは、燃費性能に優れるSUVをランキング形式で紹介します。
- Chapter
- SUVとはどんな車?
- 燃費測定方法はいくつある?
- 燃費を優先するならFF車を選ぼう
- 燃費のいい国産SUV車おすすめ8選【WLTCモード】
- 【JC08モード】燃費のいい国産SUV車おすすめ
- 燃費のいいSUV車のおすすめを参考にしよう
SUVとはどんな車?

SUVとは、Sport utility vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の略で、日本語では”スポーツ用多目的車”と訳されるクルマのカテゴリーのです。
一般的には、最低地上高が高くて悪路走破性に優れ、荷物がたくさん積めるクルマを指します。
アメリカで、ピックアップトラックの荷台部分にFRP製のシェルを載せてワゴンスタイルにしたクルマを「SUV」と呼ぶようになったのが始まりであると言われています。
車体が大きくて頑丈、車重もそれなりで燃費は悪いというのが、SUVというクルマのイメージですが、最近ではアーバン系のモデルが人気になっていることもあって、各メーカーもFFの駆動方式で燃費の良いモデルを増やしています。
燃費測定方法はいくつある?

燃費を評価する基準には、10・15モード、JC08モード、WLTCモードの3つが存在します。
もっとも古い10・15モードは1991年に定められた測定方法で、2010年代まで使用されていしたが、実際の燃費との乖離が大きすぎるということで、2011年以降の新型車は新しいJC08モードで測定することになりました。
しかしそのJC08モードでも実燃費との差があり、2017年夏以降の新型車には国際的な試験法にならったWLTCモードへ移行。現在は、WLTCモードで統一されています。
そのうち中古車購入でひっかかるであろう、JC08モードとWLTCモードを解説します。
2017年までに生産された車両はJC08モードが基本
JC08モードとは、「省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)」に基づいた日本の燃費測定方法です。
JC08モードでは、実際のクルマの使用状況に近づけた条件下で測定された燃費が表示され、かつて日本で使われていた燃費測定方法(10・15モード)よりも数値が低くなります。
出典:エネルギーの使用の合理化等に関する法律(昭和五十四年法律第四十九号)|e-GOV 法令検索
2017年夏以降、新車デビューした車両はWLTCモード
WLTCモードとは「自動車基準調和世界フォーラム」によって国際的に統一された燃費測定方法です。
”市街地””郊外””高速道路”の3つの走行条件で測定した燃費を、平均的な使用時間で配分して算出した燃費がWLTCモード(総合)燃費です。
カタログにはWLTCモードのほか、市街地モード/郊外モード/高速道路モードの、計4つの数値が記載されます。
ちなみにWLTCモードで導き出される燃費は、JC08モードの約8割と言われています。
出典:世界統一排出ガス・燃費試験規則(WLTP)概要|マークラインズ株式会社
燃費を優先するならFF車を選ぼう

燃費の良さを優先して車選びをするなら、駆動方式はFFがベストです。
悪路に強い4WD車はFF車にくらべて部品点数が多く、車両重量の増加とメカニカルロスによって燃費が悪化します。
誤解を恐れずに言ってしまえば、燃費は悪路走破性能とトレードオフの関係にあり、もしアナタがSUVの購入を考えているのであれば、車を使うシュチエーションを考慮したうえで駆動方式を選ぶ必要があります。
とはいえ環境問題に対する意識が高いヨーロッパのシトロエンやルノーなどは、SUVであっても4WDの設定のない車種がふえています。
これは現代のSUVユーザーが本格的な悪路を走ることはなく、シティーユースがメインとなっていることを考慮した結果で、年に数回あるかないかの雪道や砂地の走破性は、タイヤと車両に搭載された電子制御技術で乗り切れると判断しているからと言われています。
いっぽうトヨタのE-Fourや日産のe-4ORCEなど、FFのハイブリッドシステムにリアモーターを追加することで4WDとした車種は、センターにプロペラシャフトを持たず、重量増やメカニカルロスが少なく、FFと4WDで燃費の差が少なくなっています。
燃費のいい国産SUV車おすすめ8選【WLTCモード】
2017年夏以降に発売された新型車から導入が始まったWLTCモードで、燃費の良い国産SUVでおすすめの8車種を紹介します。
最近は、乗用車をベースにしたクロスオーバーSUVが各メーカーから発売されています。
とくにトヨタは、自慢のハイブリッドシステムであるTHSⅡを搭載したモデルを多くリリースしており、上位の多くがトヨタで占められています。
そのほかのおすすめ車種と合わせて紹介していきます。
トヨタ ヤリスクロス(30.8km/L)

WLTCモードでの燃費のいい国産SUVでおすすめの1台目は、「トヨタ ヤリスクロス」です。
コンパクトカー「ヤリス」から派生したコンパクトSUVになります。ガソリン車とハイブリッド車があり、それぞれFFと4WDが選べます。
ハイブリッド車のなかでもっとも燃費がいいのは、車重が軽く、タイヤ幅も狭い(205/65R16)XグレードのFF車が30.8km/Lで、4WD車でも28.7km/Lという脅威の数値。
上級グレードのZでも、FFが27.8km/L、4WDが26.0km/Lと、SUVナンバーワンの燃費性能を誇ります。
ちなみにガソリン車は、FFが18.8〜20.2km/L、4WDは17.4〜18.5km/Lとなっています。
出典:トヨタ ヤリス クロス|トヨタ自動車株式会社
トヨタ ライズ(28.0km/L)

運転しやすいコンパクトサイズのSUVとして、2019年に発売されたトヨタ ライズは、ダイハツ ロッキーの
OEMです。
トヨタで販売するにあたり、フロントマスクを中心にエクステリアに手が入れられました。
パワートレーンは当初、1.0Lターボのガソリンエンジンのみでしたが、2021年からダイハツの開発したハイブリッドシステム「e-SMART」が追加設定されています。
ハイブリッドはFFのみで、燃費は28.0km/Lとヤリスクロスに次ぐ低燃費となっています。
ちなみにガソリン車はFFが20.7km/L、4WDは17.4km/Lです。
ダイハツ ロッキー(28.0km/L)

ダイハツの新世代のクルマづくり『DNGA』の第2弾商品として、2019年にリリースされたコンパクトSUVがロッキーです。
取り回しの良い5ナンバーサイズながら、広い室内と大容量(369L)のラゲッジを実現しています。
また予防安全にはダイハツの「スマートアシスト」を標準装備するなど、幅広い年齢層から人気となっています。
燃費は、前述のトヨタライズ同様。ハイブリッド(FF)は28.0km。ガソリン車はFFが20.7km/L、4WDは17.4km/Lとなっています。
トヨタ カローラクロス(26.2km/L)

トヨタのコンパクトSUVであるC-HRと、ミドルクラスSUVのRAV4のあいだを埋めるサイズで設計されたカローラクロス。
都会的なエクステリアに、カジュアルで上質な印象のインテリアを組み合わせ、コンパクトクラスではちょっと小さいけど、ミドルクラスほどのサイズは必要ないというユーザーに支持されています。
パワートレーンは、ガソリンとハイブリッドの2本立て。駆動方式は、ハイブリッドに2WD(FF)と4WD、ガソリンはFFみのというラインナップです。
燃費は、ハイブリッドのFFが26.2km/L、4WDが24.2km/L。ガソリンのFFは14.4km/Lとなっています。
トヨタ C-HR(25.8km/L)

トヨタ C-HRは、2016年に販売が開始されたコンパクトSUVです。
SUVでは異例のスポーツイメージを全面に押し出し、新しいユーザー獲得に成功しました。
4代目プリウスと共通のプラットフォームを持ち、ハイブリッドシステムもプリウスと同じ1.8LエンジンをベースにしたTHSⅡが採用されました。
駆動方式は、ガソリン車はFFと4WDが選べますが、ハイブリッド車はFFのみです。
燃費は、ハイブリッド車が25.0~25.8km/L。ガソリン車はFFが14.9~15.4km/Lで4WDが14.3km/Lです。
出典:トヨタ C-HR | 特長|トヨタ自動車株式会社
ホンダ ヴェゼル(25.0km/L)

ホンダ ヴェゼルは、フィットから派生したコンパクトSUVです。
現行モデルは歴代2代目にあたり、ハイブリッドはe:HEVと呼ばれるシステムに進化しています。
ホンダ独自のセンタータンクレイアウトを採用した室内は、前席はもちろん後席にもミニバン並みのゆとりあるひざまわり空間を確保するなど、コンパクトクラスのなかでも居住性に優れる広さもポイントです。
駆動方式はFFと4WD。燃費は、ハイブリッド車のFFが24.8~25.0km/L、4WDが22.0km/L。ガソリン車は、FFが17.0km/L、4WDが15.6km/Lとなっています。
出典:タイプ一覧|タイプ・価格・装備|ヴェゼル|Honda公式サイト|本田技研工業株式会社
マツダ CX-3(23.2km/L)

ハイブリッドモデルが優勢ななかにあって、マツダ CX-3は希少な存在です。
コンパクトカーのMAZDA2(当時はデミオ)から派生したコンパクトSUVで、パワートレーンは、ガソリンエンジンとクリーンディーゼルに、駆動方式はFFと4WDが選べます。
燃費は、クリーンディーゼルエンジン車のFFが20.0~23.2km/L、4WDが19.0~21.2km/L。ガソリン車はFFが16.0~17.0km/Lで4WDが15.2~15.7km/Lとなっています。
出典:MAZDA CX-3 燃費性能|マツダ株式会社
日産 キックス(23.0km/L)

コンパクトSUVの日産 キックスは、e-POWER専用車種として2020年に国内販売が開始されました。
コンパクトSUVのジュークの後継車種として投入されたキックスですが、実際のボディサイズは、ジュークよりもひと回り大きく、コンパクトとミドルサイズの中間のサイズです。
e-POWERはエンジンと電気モーターをもつシリーズハイブリッドで、エンジンは発電だけを行い、モーターで駆動します。
当初パワートレーンはFFのみでしたが、2022年の改良で4WDモデルを追加。e-POWERも第2世代へと進化しました。
燃費は、2022年改良後のFFが23.0km/L、4WDが19.2km/L、と2020年〜2022年までのモデルは21.6km/Lでした。
出典:日産:キックス [ KICKS ] 電気自動車 (e-POWER) | 価格・グレード
【JC08モード】燃費のいい国産SUV車おすすめ
中古車市場には、燃費基準がJC08モードからWLTCモードへ変わった2017年以前も車両も多くならんでいます。
そのなかから比較的高年式の車両をピックアップしてお届けします。
日産 エクストレイル(3代目/T32)

JC08モードでの燃費のいい国産SUVでおすすめの1台目は、「日産・エクストレイル」です。
日産のミドルサイズSUVです。ガソリン車とハイブリッド車があり、駆動方式はFFと4WDが選べます。登場当初はタフなクロカンSUVイメージでしたが、現行車はシティユースSUVとなっています。
燃費(JC08モード)は、ガソリン車のFFが16.0~16.4km/Lで4WDが15.6~16.0km/L、ハイブリッド車ではFFが18.2km/Lで4WDが17.0km/Lとなっています。
三菱 アウトランダー(2代目)

JC08モードでの燃費のいい国産SUVでおすすめの2台目は、三菱アウトランダー(2代目)です。
三菱のミドルサイズSUVで、2012年から2021年まで販売されました。
パワートレーンは、ガソリン車がFFと4WD、プラグインハイブリッド(PHEV)車は4WDのみ。
PHEVは、モーターのみで走る「EVモード」、エンジンで発電しながらモーターで走る「シリーズモード」、モーターとエンジンの両方の力で走る「パラレルモード」と3つの走行モードを使い分けて走ることができます。
燃費(JC08モード)は、ガソリン車のFFが16.0km/L、4WDが14.6km/L、PHEVは18.6km/Lとなっています。
ホンダ ヴェゼル(初代/RU系)

2013年12月に発売されたホンダ ヴェゼル(初代/RU系)は、現代のコンパクトSUVのさきがけとして、SUVの新車販売台数で上位を走り続けてきたベストセラーです。
人気の秘密は、クーペシルエットの美しいボディラインと取り回しやすいボディサイズ。センタータンクレイアウトによる居住性の高さはリアシートに顕著で、コンパクトクラスでありながら十分な広さが確保されています。
パワートレーンは、1.5Lガソリンエンジンと1.5Lエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド(SPORT HYBRID i-DCD)の2つ。駆動方式は、いずれもFFと4WDが用意されました。
燃費(JC08モード)は、ガソリンのFFが19.2〜20.6km/L(2018年MC以降は21.2km/L) 、4WDが19.0km/L 。ハイブリッドは、FFが24.2〜27.0km/L 、4WDが21.6〜23.2km/L というもので、この低燃費も人気を後押ししました。
スズキ SX4 S-CROSS

スズキ SX4 S-CROSSは、SX4の2代目として2013年にデビューした世界戦略車です。
インドのマジャールスズキで生産される輸入車です。パワートレーンは、ガソリンのみで駆動方式はFFと4WDが用意されました。
燃費(JC08モード)は、FFで16.2km/L、4WDで15.2km/Lです。
SX4 S-CROSSは現在3代目が販売されていますが、日本国内発売はなし。2021年で販売が終了しています。
スズキ エスクード

スズキ エスクードは前述のSX-4 S-CROSSと同様の世界戦略車です。
現行モデルは2015年にデビューで、基本骨格がそれまでのラダーフレームからモノコック構造へと変わったことで大幅な軽量化を実現。搭載エンジンも見直し、燃費性能も飛躍的に向上しました。
当初はガソリンエンジンのみで、FFが18.2km/L、4WDは17.4km/Lの燃費(JC08モード)を達成してました。
2022年に大幅なマイナーチェンジを受け、現在はハイブリッドエンジンに4WDのみの設定。WLTC燃費は19.6km/Lをマークします。
燃費のいいSUV車のおすすめを参考にしよう

今回は燃費の良い国産SUV車を紹介しました。
世界基準の燃費測定方法となるWLTCモードによって、輸入SUV車との比較もできるようになったため、今回紹介したおすすめSUVを比較してお好みのSUVを探してみましょう。