ベンツを買うなら何クラス?ポイントは”予算”と”ボディサイズ”

数ある輸入車の中でも、特に高級車のイメージが強いメルセデス・ベンツ。
いまや日本では、コンパクトハッチのAクラスからショーファードリブンのマイバッハまで、じつに36種類ものラインナップを揃え、ユーザーのライフスタイルや家族構成、用途にマッチした1台が見つかります。
本記事では、そんなベンツを「手に入れたい」「乗ってみたい」と考えている方に向けて、各クラスの特徴や違い、価格帯、さらにおすすめモデルについて紹介していきます。
※車種数は2023年7月時点
- Chapter
- メルセデス・ベンツの「クラス」とは?
- 各クラスごとの特徴・価格帯を解説!
- ”GL”はクロスオーバーSUVの意味
- もっとも新しいEQはなんの意味?
- 自分にピッタリのクラスを選ぶポイントは「予算」「ボディサイズ」
- 予算次第では、中古車も視野に入れて探してみよう
メルセデス・ベンツの「クラス」とは?

メルセデス・ベンツのラインナップは、モデルの特徴や価格帯などによって「Class(クラス)」ごとに区分されています。
基本となるのは、A、B、C、E、Sの5つで、アルファベットが進むごとに車格や価格帯が上がる仕組み。これにクロカン系SUVのGクラスと、ミニバンのVクラス、スポーツモデルのSLクラスをくわえてラインナップが形成されています。
ちなみにクロスオーバー系SUVは、”GL”というネームのあとに、A、B、C、E、Sの車格を表すアルファベットの前に付いています。
「クラス名+英数字」のネーミングで、どんな車かざっくり分かる

モデルごとのネーミングは、クラス名を表すアルファベットの後に、搭載するエンジンの排気量をあらわす3桁の数字という組み合わせが基本です。
3桁の数字はかつては排気量をそのまま表すものでしたが、エンジンのダウンサイズ化が進んだことで、現在ではその排気量相当のパワーを発生していることを表しています。
そのため搭載エンジンは1,500ccでも、C180やC200といったモデル名が生まれています。
例えば「A200」であれば、先頭のアルファベットは、ラインナップ中もっともコンパクトなAクラスであることを、後ろの数字は2,000ccもしくは2,000cc相当のパワーを発生するエンジンが搭載されているというわけです。
アルファベットを3桁の数字の後に小文字のアルファベットが付くのは、ガソリンエンジン(ハイブリッド含む)以外のモデルで、ディーゼルなら”d”、プラグインハイブリッドは”e”が追加されます。
以前、ハイブリッドに”h”を付けた時代もありましたが、ハイブリッドが当たり前になった現在では廃止されています。
アルファベット | 搭載パワートレイン |
---|---|
h | ハイブリッド車 |
d | クリーンディーゼル車 |
de | クリーンディーゼルハイブリッド車 |
e | プラグインハイブリッド |
それによってC200dというバッチが付いていたら、「Cクラスで、2,000cc相当のパワーを発揮するディーゼルエンジンを搭載したモデル」と言うことが分かるというわけです。
日本車では各モデルごとに車種名が付けられていることが多いですが、メルセデス・ベンツやBMWなどは英数字で各モデルの特徴を簡単に表しているんですね。
各クラスごとの特徴・価格帯を解説!
ベンツのクラスは大きく5つに分かれていて、Aクラスからアルファベット順が進むごとに車格が大きくなっていきますが、じつはこのクラス名にもそれぞれ意味があるのをご存知ですか?
ここからは、各クラスごとの特徴や価格帯、また代表的な車種などについても紹介していきます。
エントリークラスだから"Aクラス"

Aクラスは、ベンツラインナップの中でもっとも小さいモデルとなります。また価格帯もリーズナブルであることから、若者層にも人気が高いのがこのクラスです。
クラスを表す”A”は、アルファベット順で一番最初の文字であることから「エントリークラス」という意味を含んで付けられています。
元々はハッチバックモデルのみを用意していましたが、2019年からはセダンも登場し、ラインナップが充実しました。
現在のラインナップは、ハッチバックモデル、セダンともに、A180、A200dの2車種で、新車価格はハッチバックが498万円〜558万円、セダンは505万円〜570万円となっています。
また派生車種として、ハイパフォーマンスモデルのAMGシリーズも用意。こちらはハッチバックが754万円〜922万円、セダンは761万円です。
ボディタイプ | モデル名 | 新車価格(税込) |
---|---|---|
ハッチバック | A180 | ¥4,980,000〜 |
A200d | ¥5,580,000〜 | |
Mercedes-AMG A35 4MATIC | ¥7,540,000〜 | |
Mercedes-AMG A45 S 4MATIC+ | ¥9,220,000〜 | |
セダン | A180 Sedan | ¥5,050,000〜 |
A200d Sedan | ¥5,700,000〜 | |
Mercedes-AMG A35 4MATIC Sedan | ¥7,610,000〜 |
AとCの中間にあたる"Bクラス"

Bクラスは2006年に生まれたコンパクトクラスで、プラットフォームはAクラスと共通ながら、全高がやや高められているのが特徴です。
コンパクトミニバン的な作りのBクラスは、ゆとりある室内空間やラゲッジルームを備えているほか、乗降のしやすさもポイントです。
2019年に登場した3代目モデルからは、インフォテインメントシステム「MBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザー・エクスペリエンス)」も搭載するなど、先進機能も充実。日常使いからお出かけまで使える一台です。
現在のラインアップは、B180とB200dの2車種で、新車価格は537万円〜573万円となっています。
ボディタイプ | モデル名 | 新車価格(税込) |
---|---|---|
ハッチバック | B180 | ¥5,370,000 |
B200d | ¥5,730,000 |
セダンの代名詞"Cクラス"

Cクラスは、日本における新車登録台数ラインキングの常連という売れ筋のひとつで、ベンツの中核を担うモデルです。
一般的に高級車として知られるのはこのCクラスからとされ、デザインはもちろん、走りや乗り心地も上質なことが特徴。
2022年度は前年に5代目がデビューしたこともあって、輸入車の販売台数ランキングで2位を獲得しました。
Cクラスのボディは元々セダンのみでしたが、後にステーションワゴン、クーペ、カブリオレもなど、バリエーションを拡大しました。
現在、日本で新車販売されるのは、セダン、ステーションワゴンのみ。それぞれにハイパフォーマンスモデルのAMGシリーズが用意されます。
価格は、セダンが596万円〜、ステーションワゴンが622万〜となっています。
ボディタイプ | モデル名 | 新車価格(税込) |
---|---|---|
セダン | C180 AVANTGARDE(ISG搭載モデル) | ¥5,960,000〜¥5,990,000 |
C200 AVANTGARDE(ISG搭載モデル) | ¥6,670,000〜¥6,950,000 | |
C200 4MATIC AVANTGARDE(ISG搭載モデル) | ¥6,980,000〜¥7,270,000 | |
C220d AVANTGARDE(ISG搭載モデル) | ¥6,960,000〜¥7,090,000 | |
Mercedes-AMG C 43 4MATIC(BSG搭載モデル) | ¥11,160,000〜¥11,710,000 | |
ステーションワゴン | C180 Stationwagon AVANTGARDE(ISG搭載モデル) | ¥6,220,000〜¥6,250,000 |
C200 Stationwagon AVANTGARDE(ISG搭載モデル) | ¥6,940,000〜¥7,230,000 | |
C220d Stationwagon AVANTGARDE(ISG搭載モデル) | ¥7,230,000〜¥7,360,000 | |
C220d 4MATIC All-Terrain(ISG搭載モデル) | ¥7,930,000〜¥8,250,000 | |
Mercedes-AMG C 43 4MATIC Stationwagon(BSG搭載モデル) | ¥11,460,000〜12,020,000 |
ベンツの中では中間の立ち位置・Eクラス

ルーツは、ダイムラー・ベンツ時代の1936年に登場したW136とも言われるEクラス。
ベンツの中核をになう高級セダンのEクラスは、上質感、快適性・機能性を追求した装備の数々で、最上級のSクラスに迫る質感を持った人気モデル。
2017年・2018年度にはベンツにおいてCクラスに次ぐ販売台数を記録しました。
ボディタイプは、セダン、ステーションワゴン、クーペ、カブリオレの4種類。価格はもっとも廉価のE200 Sportsでも873万円〜、Cクラスと比べるとグンと跳ね上がる印象です。
ボディタイプ | モデル名 | 新車価格(税込) |
---|---|---|
セダン | E200 Sports(BSG搭載モデル) | ¥8,730,000〜¥8,890,000 |
E220d Sports(ISG搭載モデル) | ¥9,030,000〜¥9,200,000 | |
E300 Sports | ¥10,290,000 | |
E350e Sports | ¥10,410,000 | |
Mercedes-AMG E 53 4MATIC+(ISG搭載モデル) | ¥14,050,000〜 | |
ステーションワゴン | E200 Stationwagon Sports(BSG搭載モデル) | ¥9,020,000〜¥9,370,000 |
E 220d Stationwagon Sports(ISG搭載モデル) | ¥9,460,000〜¥9,630,000 | |
E 220d 4MATIC All-Terrain(ISG搭載モデル) | ¥10,650,000〜¥10,840,000 | |
E300 Stationwagon Sports | ¥10,790,000〜¥10,980,000 | |
AMG E53 4MATIC+ Stationwagon(ISG搭載モデル) | ¥14,390,000〜¥14,640,000 | |
クーペ | E 200 Coupé Sports(BSG搭載モデル) | ¥9,350,000〜¥9,520,000 |
Mercedes-AMG E 53 4MATIC+ Coupé(ISG搭載モデル) | ¥14,680,000〜¥14,930,000 | |
カブリオレ | E 200 Cabriolet Sports (BSG搭載モデル) | ¥9,970,000 |
まさしく最上級。SpecialなSクラス

Sクラスはメルセデス・ベンツのフラグシップモデルであり、世界中のメーカーが新車の動向を注目するマイルストーン的な存在です。
堂々たる車格はもちろんのこと、上質なエクステリアとインテリア、パワフルかつ滑らかな走りを見せるエンジン、快適な乗り心地など「クルマの理想の集大成」と評価される最上位モデルです。
おもなラインアップはセダンのみですが、標準ボディのほかにホイールベースを延長したlongもラインナップされています。車両価格は1415万円〜。
メルセデス-マイバッハは、さらに追い求めた特別なモデルです。
ボディタイプ | モデル名 | 新車価格(税込) |
---|---|---|
セダン | S400d 4MATIC | ¥14,150,000〜¥14,690,000 |
S500 4MATIC(ISG搭載モデル) | ¥15,050,000〜¥15,620,000 | |
S580 4MATIC(ISG搭載モデル) | ¥17,050,000〜¥17,840,000 | |
S400d 4MATIC long | ¥18,050,000〜 ¥18,830,000 | |
S500 4MATIC long(ISG搭載モデル) | ¥18,550,000〜¥19,340,000 | |
S580 4MATIC long(ISG搭載モデル) | ¥20,800,000〜¥21,740,000 | |
S580e 4MATIC long | ¥20,500,000〜¥21,360,000 |
セダン (メルセデス-マイバッハ) | Mercedes-Maybach S 580 4MATIC(ISG搭載モデル) | ¥30,600,000 |
Mercedes-Maybach S 680 4MATIC | ¥35,700,000 |
SUVタイプのGクラス

ドイツ語でオフローダーを意味する「ゲレンデヴァーゲン/Geländewagen」の頭文字からその名がついたGクラス。
もともとは軍用車両として開発されたモデルで、1979年に一般用にアレンジされて販売されました。
約4半世紀にわたって生産されており、初代から変わらぬスクエアなデザインや基本部分などが特徴です。
とはいえ、最新モデルでは各部のアップデートが行われ、安全運転システムやLEDヘッドランプ、他の原稿モデルに通じるインテリアの使用など、本格的な悪路走破性は備えつつも、ベンツらしいラグジュアリーで快適な乗り心地も両立するなどさすがは高級SUVといった趣です。
新車価格は1289万円円。ただし新車は在庫僅少となっており、購入の際は中古車も選択肢に入れておくのが無難です。
ボディタイプ | モデル名 | 新車価格(税込) |
---|---|---|
SUV | G400d | ¥12,890,000〜 |
AMG G63 | - |
”GL”はクロスオーバーSUVの意味

BMWのX5よりも早い1997年に、クロスオーバーSUVモデルのMクラスが登場。2006年には、Mクラスよりも大型の7人乗りSUVのGLクラスがデビューしました。
その後しばらくは、ミドルクラスのSUVがMクラス、フルサイズの7人乗りSUVがGLクラスとして販売されていましたが、2015年にMクラスがGLEと車名変更を受けた後は、”GL”がSUVの意味となり、それに車格を表すアルファベット付けて車名としました。
つまり、GLAがもっとも小さく、GLSがもっとも大きいモデルという意味です。また一部モデルにはSUVクーペタイプも用意されるなど、SUVの拡充が進んでいます。
それぞれの販売価格帯は以下のとおりです。
クラス名 | 新車価格帯 |
---|---|
GLA | 537万円〜 |
GLB | 611万円〜 |
GLC | 820万円〜 |
GLE | 1120万円〜 |
GLS | 1420万円 |
Mercedes-Maybach GLS | 2915万円〜 |
もっとも新しいEQはなんの意味?

EQシリーズは、バッテリー式EVモデルを表すモデル名で、SUVのSLと同様、EQ+クラスを表すアルファベットが車名。
エンジンを持たないため、車名のあとに3桁の数字が付かないことが特徴です。
自分にピッタリのクラスを選ぶポイントは「予算」「ボディサイズ」

メルセデス・ベンツ各クラスの特徴や価格帯、代表的なモデルなどを紹介してきました。
ベンツの車選びにおいて自身にぴったりのクラスを探す際は、まず「予算」と各クラスの価格帯を見比べてみましょう。
「高級車」のイメージが強いベンツですが、AクラスやBクラスのように新車でも購入しやすいエントリーモデルも存在します。
また予算だけではなく、ボディタイプやサイズ感も車選びにおいては重要なポイント。
ベンツは各クラスごとに用意しているボディタイプのラインアップが異なるほか、クラスのアルファベット順が進むほど車格も大きくなるため、自分の住む地域の環境に適したサイズのモデルを選ぶ必要があります。
特に都市部などでは、高さ制限のある立体駐車場や狭い道路なども多いため、車格が大きいモデルは運転しにくい可能性も。
好みのボディタイプから選ぶのはもちろんですが、普段運転している場所での使い勝手も考慮して車選びをしてみましょう。
予算次第では、中古車も視野に入れて探してみよう

エントリーモデルは比較的購入しやすい価格帯とはいえ、ベンツの中間〜上級のモデルとなるとやはりなかなか手が出しづらい方も多いでしょう。
限られた予算の中で気になる一台を見つけたい場合は、中古車もおすすめの選択肢です。
中古車であれば新車よりもお得に購入できる車両が多く、納車も早いのですぐに乗り始めることができます。
特に最近は、世界的な半導体供給不足によりどのメーカーでも新車の納車時期が大幅に遅れているという状況。納車まで何ヶ月も待てないという方にもおすすめです。
車種が豊富なメルセデス・ベンツのモデルの中から、ぜひぴったりの一台を見つけて購入を検討してみてください。