【プロ解説】両側スライドドアのワゴンRスマイルを中古で買うならおすすめは?
長い間、軽自動車をリードしてきたハイトワゴンのスズキ ワゴンRをベースに、両側スライドドアが与えられたモデルがワゴンRスマイルです。
軽スーパーハイトワゴンほどの広さ(室内高)はないものの、両側スライドドアを備えることで、乗降性や後席への荷物の出し入れを容易にしています。
小さなお子さんがいるファミリーユースも十分に満たす、広さと使い勝手の高さが美点です。
ダイハツ ムーヴキャンバスの後に投入されたワゴンRスマイル
初代スズキ ワゴンRは、ダイハツ ムーヴというフォロワーを生み、今日の軽ハイトワゴン市場を開拓してきました。
そんなワゴンRのラインナップに、2021年9月に加わったワゴンRスマイルは、逆にダイハツ ムーヴから派生したムーヴ キャンバスの存在がなければ誕生しなかったかもしれません。
ムーヴ キャンバスは、全高1,700mm以下の軽自動車では初めて両側スライドドアを備え、可愛らしいスタイリングと利便性の高さを両立したことで、メインターゲットに据えた女性、とくに母と娘でクルマをシェアするというライフスタイルを意識して開発されました。
初代キャンバスがスマッシュヒットを飛ばしたことで、スズキがワゴンRスマイルを送り出したと推測できます。
両側スライドドアを備えたワゴンR
ワゴンRスマイルは、両側スライドドアによる乗降性の高さはもちろんのこと、前席のシートポジションを高くすることで、視界が良く、運転しやすいことが印象的です。
ワゴンRよりも室内高が65mm高いこともあり頭上まわりにも十分な余裕があります。
後席はワンアクションで容易に格納、展開ができるワンタッチダブルフォールディング式で、後席格納時は床面が少しスロープ状になるものの、段差も小さく積載性も上々です。
搭載されるパワートレインは、最高出力36kW(49PS)、最大トルク58NmのNAエンジンのみですが、1.9kW(2.6PS)、40Nmのモーターを組み合わせるマイルドハイブリッドも設定。
モーターアシストはパワーも時間も限定的ですが、タウンスピードでの加速時はNAよりもスムーズにこなしてくれます。
マイルドハイブリッドのカタログ燃費は最高値で25.1km/L、純ガソリン車は23.9km/Lと大差ではないものの、スムーズな発進性や加速、静粛性の高さなども美点で、できればマイルドハイブリッドを指名したいところです。
グレードは、下から純ガソリン車の「G」、マイルドハイブリッド車の「HYBRID S」「HYBRID X」という構成。
マイルドハイブリッド車には、アダプティブクルーズコントロール(ACC)や標識認識機能、ヘッドアップディスプレイなどからなる「セーフティプラスパッケージ」をオプション設定しています。たまに高速道路も使って長距離移動もするのであれば、ACCの存在は重宝するはず。
また最上位グレードの「HYBRID X」には、LEDのヘッドランプやポジションランプ、フロントフォグランプなどの視界(視認性、非視認性)と、見た目を引き上げる装備が標準になるほか、360°プレミアムUV&IRカットガラス、時間調整付フロント間欠ワイパー、パーソナルテーブル、運転席シートバックアッパーポケット、フロントアームレストボックスなど利便性、収納力を高める装備も標準化されています。
賢い買い方なら、あえて「HYBRID S」を選ぶのもアリ!?
現行型が初代であるワゴンRスマイルは、中古車市場に未使用車も多く出回っていて、程度のいい個体から選べるモデルです。
装備面から見ると「HYBRID X」が文句なく買い。ただし、諸条件が絡む中古車の場合、上位グレードが割高で、下位グレードが割安とはかならずしも言い切れません。
「HYBRID S」でも衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能などの先進安全装備も当然ながら完備されています。
前述したような「HYBRID X」の装備は不要で、内外装のメッキ加飾なども要らないのであれば、車両が同程度の状態であるのを条件に、「HYBRID X」よりも価格を抑えられた「HYBRID S」を指名してもワゴンRスマイルならではの良さは享受できます。