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【プロ解説】手ごろな価格が魅力のミドルクラスSUV。CX-5とRAV4を徹底比較

トヨタ RAV4 アドベンチャー HV

日本市場だけでなく、メーカーの主力モデルとして海外でも人気のミドルクラスSUV

大人4人が乗っても余裕のある室内や広い荷室、さらに優れた悪路走破性など、レジャーの足はもちろん、ファミリーカーとして購入する人も多く存在します。

そんなミドルクラスSUVのなかから、現在、300万円台の予算で新車が購入できるマツダ CX-5トヨタ RAV4について全方位で比較します。

Chapter
モデル末期。熟成の進んだ2代目CX-5と5代目RAV4
ボディサイズはほぼ同じ。基本スタイリングの違いがサイズを違ってみせる
それぞれの個性が現れるパワートレインラインナップ
360°ビューモニターを標準装備するCX-5
コストパフォーマンスの高さではCX-5がおすすめ

モデル末期。熟成の進んだ2代目CX-5と5代目RAV4

マツダ CX-5 20S Black Selection

クロスオーバーSUVのマツダ CX-5とトヨタ RAV4は、300万円台という手ごろなエントリー価格に、5名乗車でも窮屈にならない居住性、日本国内でも扱いやすいちょうどいいサイズ感、普段の街乗りからアウトドアレジャーの相棒まで活躍できる走行性能など、バランスの良さで人気です。

中古車も多く、またCX-5、RAV4ともに次期モデルが発表されたこともあって、いま狙い目となっています。

現行型の2代目マツダ CX-5(KF系)は、2017年2月に販売を開始しました。

2018年2月のエンジン改良をはじめ、同年11月の25T追加とG-ベクタリングコントロールの進化。2020年にはXDの出力向上とATの制御見直し。

2021年にマイナーチェンジが行われ、ボディのフェイスリフトにくわえて先進安全運転支援システムの進化と、車体構造の見直し。2022年には室内の利便性向上など、毎年のように商品改良を行ってきました。

*画像はRAV4 アドベンチャー ハイブリッド E-Fourです。

トヨタ RAV4は2019年に初登場。先日、6代目となる新型RAV4が発表されましたが、現在販売されているのは5代目RAV4(50系)です。

デビュー翌年の2020年にPHVモデルの追加と、ディスプレイオーディオやインテリジェントクリアランスソナー(ICS)の標準化を敢行。

2021年には一部改良と同時に、アドベンチャーグレードにハイブリッド車を設定しました。

2022年の改良では、トヨタセーフティセンスの機能を拡大と、コネクティッドナビ対応ディスプレイオーディオ搭載。10.5インチの大画面ディスプレイを設定したほか、クルマがWi-Fiスポットになる「車内Wi-Fi」を採用しています。

2024年の改良では、全グレードの4WD化や各グレードで人気装備の標準化。ハイブリッド車は、メーカーオプションのアクセサリーコンセント(AC100V・1500W/非常時給電システム付)を選択した際、外部給電アタッチメントを標準化するなど、改良ごとに装備を充実させています。

ボディサイズはほぼ同じ。基本スタイリングの違いがサイズを違ってみせる

ボディサイズは、マツダ CX-5が全長4,575mm×全幅1,845mm×全高1,690mmに、ホイールベース2,700mm

トヨタ RAV4は全長4,600mm×全幅1,855mm×全高1,685mmに、ホイールベースは2,690mmと、ほぼ同じです。

最低地上高は、CX-5が210mm、RAV4はガソリン車が195mm、アドベンチャーグレードとPHVは200mmですが、こちらも誤差の範囲といって差し支えないでしょう。

室内は、CX-5が室内長1,890mm×室内幅1,540mm×室内高1,265mmで、RAV4は室内長1,890mm×室内幅1,515mm×室内高1,230mmで、室内幅、室内高はCX-5が広くなっています

反対に荷室容量は、CX-5 の505Lに対しRAV4は580L(デッキボード下段時)と、ボックス型のスタリングが活かされています。

それぞれの個性が現れるパワートレインラインナップ

マツダ CX-5 20S Black Selection

用意されるパワートレイン(2025年8月現在)は、CX-5が最高出力115kW(156PS)/最大トルク199Nmを発生する2.0L直4ガソリン、最高出力140kW(190PS)/最大トルク252Nmを発生する2.5L直4ガソリン、そして最高出力147kW(200PS)/最大トルク450Nmを発生する2.2L直4ディーゼルターボの3種類。

トランスミッションはすべて6速ATで、駆動方式は2WDと4WDを選ぶことができます。(フィールドジャーニーは4WDのみ)

いっぽうRAV4は、最高出力126kW(171PS)/最大トルク207Nmを発生する2.0L直4ガソリンと、システム出力163kW(222PS)の2.5Lハイブリッド、システム出力225kW(306PS)の2.5Lプラグインハイブリッドの3種類。

トランスミッションは、ガソリン車がCVT、ハイブリッドとPHVは電気式無断変速機。駆動方式は、全車4WDです。

トヨタ RAV4 アドベンチャー HV

2台の4WDシステムは、マツダ CX-5が i-ACTIV AWDを採用。

i-ACTIV AWDは、ドライバーのステアリング操作に応じて後輪トルクをリニアに増加させることで、コーナー進入時のスムースさを実現。これまでのAWDと違う曲がりやすさと、AWDならではの旋回安定性を両立しているのが特長です。

さらにオフロード・トラクション・アシストを搭載し、AWDとトラクションコントロールシステム(TCS)が協調してタイヤの空転を抑制。路面に接地しているタイヤへ適切に駆動力を分配し、トラクション性能を最大限に引き出します。

対して、トヨタ RAV4はガソリン車にダイナミックコントロール4WDとダイナミックトルクベクタリングAWD、ハイブリッド車には電気式4WDのE-Fourと、3つの異なる4WDシステムを用意しています。

なかでも注目は、ガソリン車のアドベンチャーとG“Zパッケージ”に標準装備されるダイナミックトルクベクタリングAWDで、前後トルク配分に加えて後輪トルクを左右独立で制御し、旋回時の車両安定性を高める「トルクベクタリング機構」、四輪駆動が不要な時には前後の動力伝達を切断して燃費性能向上を図る「ディスコネクト機構」を採用して、悪路走破性を高めています。

燃費性能は、CX-5の2.0Lガソリンが14.0〜14.6km/L、2.5Lガソリンが13.0~13.8km/L、2.2Lディーゼルは16.6〜17.4km/L

対してRAV4は、2.0Lガソリンが15.2km/L、2.5Lハイブリッドが20.3~20.6km/L、PHVは22.2km/Lです。

同じ2.0Lガソリン車(4WD)で比較すると、CX-5は14.0km/L、RAV4は15.2km/L。全体を比較してもハイブリッド車のあるRAV4が優れています。*燃費はWLTCモード

360°ビューモニターを標準装備するCX-5

CX-5の安全技術には、運転支援のレーン・キープ・アシスト・システム[LAS]、マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール[MRCC]、衝突被害軽減ブレーキのアドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(夜間歩行者検知機能付)[SCBS]、AT誤発進抑制制御(前進/後退時)、スマート・ブレーキ・サポート(後退時左右接近物)[SBS-RC]にくわえ、リア・クロス・トラフィック・アラート[RCTA]や交通標識認識システム[TSR]などで構成される「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」を採用。

RAV4は、プリクラッシュセーフティ、レーントレーシングアシスト、レーダークルーズコントロール、オートマチックハイビーム、ロードサインアシストで構成される予防安全パッケージの「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」と、先行車発進告知機能、パーキングサポートブレーキ(前後方静止物)、パーキングブレーキサポート(後方接近車両)+ブラインドスポットモニターなどで構成されます。

機能的には変わりがないものの、CX-5には車両の周囲を見渡せる360°ビューモニターが全グレード標準装備となっています。

RAV4では、同様の機能がオプション(未設定グレードもあり)設定なので、安全性という点ではCX-5のほうが有利といえます。

コストパフォーマンスの高さではCX-5がおすすめ

トヨタ RAV4 アドベンチャー HV

それぞれの車両本体価格(2025年8月現在)は、CX-5が281万500円〜422万5100円。RAV4は、327万7300円〜566万1700円(PHV)。

2.0Lエンジン(4WD)車の売れ筋クレードで比較すると、CX-5 20S ブラックセレクションが314万500円、RAV4はダイナミックトルクベクタリングAWD を装備するアドベンチャーが371万3600円、トルクコントロールAWDのGが369万4900円と、CX-5のほうが割安となっています。

数年後のリセールバリューを考えると迷うところですが、コストパフォーマンスの高さではCX-5がおすすめと言えます。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

1970年生まれ。10代後半で走り屋デビューし、大学在学中に中古車情報誌の編集部にアルバイトとして加入。1995年より編集部員として本格的に参画し、2006年に独立。現在は、日本でもっとも多くの広報車両を借り出して取材を行うフリーランスの編集者として活動中。中古車の流通、販売店に精通した「中古車相場師」と呼ばれるいっぽうで、新車でもユーザー視点のバイヤーズガイドを中心に、人気車種の動向や流行りの装備の価値評価などを加味した買いのクルマ・グレードの紹介をモットーとしている。

萩原 文博|はぎはら ふみひろ

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