ハイブリッドSUVのおすすめ10選|メリットとデメリット、ボディサイズを紹介
世界的な環境問題にくわえて、ここのところのガソリン代の高騰の影響もあって、愛車を燃費の良いハイブリッド車にしたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
レジャーにアウトドアスポーツにと車を頻繁に利用するほど、その思いは強くなりますよね。
この記事では、各メーカーから販売されているハイブリッドSUVについて、メリットとデメリットを解説。編集部おすすめの10台を紹介します。
- Chapter
- ハイブリッドSUVってなに?
- 従来のSUVにはない、ハイブリッドSUVのメリット4点
- 3:ガソリンがあればどこまでも走って行ける
- メリットがあればデメリットもある
- ハイブリッドSUVのサイズの違い
- ハイブリッドSUVのおすすめ10選
- レクサス NX
- 三菱 アウトランダー PHEV
- おすすめを参考に自分好みのハイブリッドSUVを見つけよう
ハイブリッドSUVってなに?
SUVとは「Sport Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)」の略で、日本語に訳すると”スポーツ用多目的車”になります。
ここでいうSport(スポーツ)は、競技ではなく娯楽や遊びといった意味に近いかもしれません。
とはいえ明確な基準が設けられているわけではなく、誤解を恐れずにいってしまえば”遊びに使える車高の高い車”ということになります。
SUV車のボディ形状は、"車高が高いこと""荷室(ラゲッジスペース)が乗員スペースと一体化していること"が挙げられます。
このような形状をしているSUVですから、街中の移動手段として使用するだけでなく、多くの荷物を必要とするアウトドアなどのレジャーにも適しているといえるでしょう。
くわえて多くのSUVは”堅牢で大きなボディ”、さらに”4WDの駆動方式”を使うことなどから、燃費性能はあまり褒められたものではありませんでした。
そんなSUVにハイブリッドモデルを用意するメーカーが増えています。
従来のSUVにはない、ハイブリッドSUVのメリット4点
SUVは車高が高くスタイリッシュなことから、近年世界的に人気の高いカテゴリーですが、そのスタイルとパッケージのため燃費はあまり良いとは言えず、購入をためらっている方も少なくありませんでした。
しかしハイブリッド化することで、従来のSUVにはなかったメリットがうまれました。
そのひとつが「燃費が良くなっている」こと。さらに「CO2の排出量が少なく」、各メーカーが独自の4WDシステムで「走行性能と燃費を両立している」ことなどがあります。
1:燃費性能が良くなっている
もともとSUVは、その性格上、燃費性能が優れているとは言い難いカテゴリーです。
それにガソリンと電気モーターを併用できるハイブリッドシステムを搭載して、燃費性能を改善したのがハイブリッドSUVです。
燃費が悪くてもSUVが好きで乗っていた方にとっては、燃費の良いハイブリッドモデルの登場は、まさに「渡りに船」といったところではないでしょうか。
結果、頻繁に車を使用する方であれば、燃料代を節約できるのはもちろん、年間の維持費もぐっと抑えることができます。
2:優れた環境性能
ガソリンを使って走る時に出る排出ガスには、温暖化を加速させてしまうCO2が含まれています。CO2の削減が、世界的規模で進められているのはご存知の通りです。
ハイブリッド搭載のSUVであれば、CO2の排出量を減らすことができるので、地球に優しい車と言えるでしょう。
3:ガソリンがあればどこまでも走って行ける
環境性能という観点でみれば、BEV(バッテリーEV)のほうが優れることは異論のないことですが、SUVは道なき道を進んでいったり、山奥の林道に分け入ったりという使い方をされることがあります。
EVはそんな場所でBEVが電欠になったら、立ち往生するしかないでしょうし、最悪の場合、生きて帰ってくるのもやっと、なんてことになるかもしれません。
その点、ハイブリッド車は、燃料を別に確保しておけば、人里離れた場所でガス欠になっても運んできた燃料で脱出することができます。
そういった意味でハイブリッドSUVは、燃費と信頼性を両立したモデルともいえるのです。
4:独自の4WDシステムで走行性能と燃費を両立
ハイブリッドSUVの4WDシステムは、メーカーによってアプローチが異なります。
トヨタはリアに小型のモーターを配置したE-Four、日産の新型エクストレイルは最高出力100kWのモーターとリチウムイオンバッテリーを搭載したe-4ORCE、三菱はリアに高出力モーターを配置して、そこに独自の制御を組み合わせたS-AWCを採用。
前後の駆動輪を別々に制御することが可能なので、雪道や滑りやすい路面、高速道路など、あらゆる状況で安定した走りを実現しています。
またリアをモーターで駆動するハイブリッドSUVの4WDは、フロントの動力をプロペラシャフトを使ってリアに伝達する必要がないので、室内はFF車と同じ広さにすることができますし、フロントで発生した動力がリアに奪われることもないので、4WD化による燃費の悪化を最小限に抑えることができます。
メリットがあればデメリットもある
ハイブリッドSUVのデメリットは、搭載されているバッテリーに寿命があること。車両本体価格がガソリン車にくらべて高額になっていること。
ハイブリッドシステムの搭載で、車両重量が重くなること。バッテリーの搭載位置によっては、室内のスペースが圧迫されることなどがあります。
まずバッテリーの寿命ですが、通常のバッテリーと同様、ハイブリッド用バッテリーにも寿命があります。トヨタ プリウスの場合、目安は10年以上、走行距離15万km。交換費用は10万〜20万円と言われます。
新車の車両価格は、ハイブリッドシステムを搭載する関係で、どうしてもガソリン車よりも高くなります。その関係は中古車になっても変わりません。ただしハイブリッド車の値落ちが大きい車種では、その差は縮まります。
車両重量の重さはボディブローのように効いて、ブレーキやタイヤの消耗を早めます。ガソリン車に比べて交換サイクルが短いのもハイブリッド車の特徴です。
ハイブリッド車には駆動用バッテリーの搭載が必須です。ハイブリッド車の多くは、バッテリーを搭載するため室内やトランクスペースが犠牲になっています。
ただしSUVでは、そのボディスタイルゆえにバッテリーを床下に収めやすく、室内スペースの犠牲は最小限に止められています。
ハイブリッドSUVのサイズの違い
ひと口にハイブリッドSUVと言っても、大きく分けると軽SUV、ミドルサイズSUV、コンパクトサイズSUVの3つにわけることができます。
ここからは、それぞれのサイズのSUVの特徴についてご紹介します。
1:軽SUVについて
軽SUVは軽自動車規格(全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0mm以下)のSUVのことで、小回りが利くので街乗りしやすく、また維持費を抑えられるというメリットがあります。
軽SUVに用意されるハイブリッドモデルは、エンジンの動力をモーターがアシストするマイルドハイブリッドで、発進時や加速時にバッテリーに備えた電力を使用することで、燃料消費を抑えます。
2:ミドルサイズSUVについて
ミドルサイズSUVは、トヨタ ハリアーやRAV4、ホンダ CR-V、マツダ CX-5、スバル フォレスターといった全長4.5m〜5mのモデルが該当します。
欧州ではDセグメントに分類され、ボルボ CX60やBMW X3などがライバルです。
ミドルサイズであれば、室内空間も充分ですし、長距離運転をしても疲れにくい性能を実現しています。
3:コンパクトSUVについて
コンパクトSUVとは、その名の通りコンパクトカーにあたるサイズのSUVです。トヨタ C-HRやヤリスクロス、ホンダ ヴェゼル、レクサス UXがこのタイプにあたります。
欧州では、Bセグメントに属しており、プジョー 2008やルノー キャプチャーがライバルになります。
日本の狭い道路でも小回りが利くこのタイプは、街中でも遠出でも使い勝手が良いので、人気のあるサイズです。
ハイブリッドSUVのおすすめ10選
ハイブリッドSUVの3つのサイズの違いについておわかりいただけたところで、ここからはおすすめのハイブリッドSUVを7車種紹介します。
「4WDタイプ」「高燃費タイプ」「高級車タイプ」に分けて解説しますので、自分の好みを確認してみてください。
”4WD”でおすすめのハイブリッドSUV5選
4WDタイプでおすすめのハイブリッドSUVは、ミドルサイズの日産 エクストレイルとトヨタ RAV4、三菱 アウトランダーPHEVです。
SUVらしい見た目としっかりとしたサイズ感で、荷物も多く積み込めます。
また路面状況が悪化しても、4WDの高い走行性能があれば、安心してドライブができますので、天候をさほど気にすることがありません。
日産 エクストレイル(T32型)
日産 エクストレイル(T32型)のハイブリッドモデルは2015年に登場しました。
ラゲッジスペース床下にバッテリーを配置して、ラゲッジスペースの広さをほとんど損なわずハイブリッド化している点が注目ポイントです。
20Xi(2列シートタイプ)グレードのハイブリッドとガソリンの燃費を比較してみると、WLTCモードでの燃費は以下の通り。
高速道路同一車線自動運転技術の「プロパイロット」が搭載されるのは2017年以降です。
20Xi ガソリン車(2WD:2列シート) | 20Xi HYBRID(2WD) | |
---|---|---|
WLTCモード(総合) | 13.2 km/L | 15.0 km/L |
(市街地モード) | 10.0 km/L | 12.5 km/L |
(郊外モード) | 13.8 km/L | 15.2 km/L |
(高速道路モード) | 14.8 km/L | 16.3 km/L |
日産 エクストレイル(T33型)
2022年にモデルチェンジを行ったエクストレイル(T33型)は、ガソリンモデルを廃止してe-POWER専用車となりました。
日産のe-POWERは、いわゆるシリーズハイブリッドというもので、エンジンを発電のみに使い、駆動をモーターで行います。
くわえてエクストレイルでは、エンジンに可変圧縮比を持つ1.5L直列3気筒のVCターボを搭載して燃費向上にひと役買っています。
また4WDはリアをモーターで駆動するe-4ORCEを採用。プロペラシャフトを持たない4WDシステムは、室内を圧迫することもありません。
S(2WD) | S(4WD) | |
WLTCモード(総合) | 19.7km/L | 18.4km/L |
(市街地モード) | 17.3km/L | 16.1km/lL |
(郊外モード) | 21. 7km/L | 20.5km/L |
(高速道路モード) | 19.7km/L | 18.3km/L |
トヨタ RAV4
トヨタ RAV4は、キーンルックを採用した大胆で洗練されたフロントグリルが特徴的なミドルクラスSUVです。
歴代5代目にあたる現行型のRAV4は、2018年末の発売。4WDモデルをメインに据えたラインナップで、2WDモデルは廉価版のXグレードにのみ用意されています。
そのなかのハイブリッド車4WDモデルには、リアにモーターを追加したE-Fourを採用。悪路はもちろんすべりやすい路面やコーナリング中など、さまざまなシュチエーションでリアモーターが作動して、優れた走りと低燃費を両立しています。
2020年には、プラグインハイブリッドのRAV4 PHVを追加。基本はハイブリッド車と同じシステムですが、フロントモーターを高出力化してよりパワフルになっています。
充電は200Vに加えて、一般家庭で使われる100Vにも対応。AC100V・1500Wの外部給電機能も標準装備されており、アウトドアや災害時に給電用コンセントとして使用可能です
Gグレードのハイブリッドとガソリンの燃費を比較してみると、WLTCモードでの燃費は以下の通りとなります。
G(4WD) | HYBRID G(E-Four) | |
---|---|---|
WLTCモード(総合) | 15.2km/L | 20.6km/L |
(市街地モード) | 11.5km/L | 18.1km/L |
(郊外モード) | 15.5km/L | 22.4km/L |
(高速道路モード) | 17.4km/L | 20.7km/L |
レクサス NX
2014年にレクサスのコンパクトクロスオーバーSUVとしてデビューした初代NX。
世界的にみればコンパクトですが、当時のハリアーと共通のプラットフォームを使ったボディサイズは、全長4,630mm×全幅1,845mm×全高1,645mmというもの。日本国内では、十分にミドルサイズでした。
ハイブリッドモデルのNX300hのパワートレインは、2.5Lの直列4気筒エンジンにハイブリッドシステムを組み合わせたリダクション機構付きTHSⅡ。
駆動方式は、通常のFFと、リアにモーターを追加したE-Fourが用意されていました。
2021年には2代目に進化。ハイブリッドモデルは、大容量バッテリーと専用の制御ロジックにより、優れた加速性能と燃費を高次元で両立させています。
NX300(2WD) | NX300h(2WD) | |
WLTCモード(総合) | 12.6km/L | 17.4km/L |
(市街地モード) | 9.3km/L | 14.2km/L |
(郊外モード) | 13.0km/L | 19.3km/L |
(高速道路モード) | 14.5km/L | 18.2km/L |
三菱 アウトランダー PHEV
三菱自動車のフラッグシップSUVのアウトランダーは、2代目アウトランダーがデビューした翌2013年からPHEVをラインナップしています。
2021年に、3代目へと進化したアウトランダーはガソリン車の販売を中止し、PHEVのみのラインナップとなっています。
パワートレーンは、ベースのエンジンこそ先代からのキャリーオーバーですが、モーターや駆動用バッテリーが強化されたことで、EVで走行できる距離が85kmに伸びたほか、EV走行時にエンジンが始動する頻度を減らしました。
4WDモデルには、リアにもモーターを配置したS-AWC(Super All Wheel Control)を採用。
三菱独自のAYCに、4WD、ASC、ABSを組み合わせることで、4輪の駆動力と制動力をつねに最適に制御して、優れた操縦性と高い走行安定性を実現しています。
X | |
WLTCモード(総合) | 16.2km/L |
(市街地モード) | 17.3km/L |
(郊外モード) | 15.4km/L |
(高速道路モード) | 16.4km/L |
”高燃費”がおすすめのハイブリッドSUV3選
なんと言っても燃費の良さで選びたいという方におすすめのハイブリッドSUVは、トヨタ ヤリスクロスとハリアー、スズキのクロスビーの3車種です。
SUVでネックとなる燃費を大幅に改善させた3台と言えるでしょう。おすすめのポイントをそれぞれ詳しく紹介します。
トヨタ ヤリスクロス
トヨタ ヤリスクロスは、コンパクトカーのヤリスをベースにしたクロスオーバーSUVです。
見た目は小柄でコンパクトなボディですが、大人4人なら余裕の室内を実現。さらにSUVならではのライフスタイルをサポートするクラストップレベルの390Lのラゲッジスペースが魅力です。
視界が高いので街中でも運転しやすいことに加え、最新の予防安全パッケージであるToyota Safety Senseを標準装備。
ハイブリッドの2WDモデルのWLTCモード燃費は、リッターあたり30kmを超える30.8km/L、4WD(E-Four)は28.7km/Lという数値です。
トヨタ ハリアー
2020年にフルモデルチェンジしたトヨタ ハリアーは、クーペのようなスタイリッシュなボディで、ハイブリッドタイプは2WDと4WDがあります。
ラグジュアリーな内装と高級セダンと肩を並べるほどの乗り心地は、特筆すべき点です。
ハイブリッドシステムは排気量2.5Lのエンジンと電気モーターの組み合わせで、燃費(WLTCモード)は4WDで21.6km/L、2WDは22.3km/Lを実現しています。
出典:トヨタ ハリアー|トヨタ自動車株式会社
スズキ クロスビー
コンパクトSUVのスズキ クロスビーは、ISG(モーター機能付き発電機)を搭載したマイルドハイブリッドです。
発進時や加速時にバッテリーに蓄えた電力でモーターをアシストするほか、減速時など速度が約9km/h以下になるとアイドリングストップによってエンジンを停止させて燃費を向上させています。
トールワゴンをベースにしたクロスビーは、5ナンバーサイズでありながら居住性が高く荷物も多く積めるので、日常のアシから休日のドライブまで活躍してくれます。
一般的にハイブリッドモデルはガソリンモデルにくらべて高額になる傾向にありますが、クロスビーはISGという機能によって、200万円を切る新車価格と18.2km/L(WLTCモード)という燃費の良さを両立させました。
出典:クロスビー 価格・グレード|スズキ
"高級車"でおすすめのハイブリッドSUV
高級車でおすすめのハイブリッドSUVは、ポルシェのカイエン S Eとレクサス RXです。
値段もさることながら、ブランド力とデザイン性の高さは群を抜いていると言っても良いでしょう。他の人と差をつけたい方にはおすすめです。
ポルシェ カイエン S E
車に詳しくない方でも知っているポルシェですが、SUVとして登場したのがカイエンです。
2010年以降にハイブリッドモデルも仲間入りし、中でもカイエン S E-ハイブリッドはプラグインハイブリッドモデルです。
ミドルサイズSUVで、スポーツカーの持つ走行性能はそのままに環境に優しい車となっています。
レクサス RX
2022年に新型がデビューしたレクサスの大人気SUV、RXは、高級セダンの乗り心地と、クロスオーバーSUVの走行性能をあわせ持つミドルサイズSUVです。
新車価格はかるく500万円オーバー、さらに全幅は1.9mに限りなく近い1,895mmというサイズながら、かなりの人気で中古車でも高値安定傾向にある1台です。
ハイブリッドのRX450hには、3列シート7人乗りのRX450hLもラインナップされていました。
おすすめを参考に自分好みのハイブリッドSUVを見つけよう
「SUVの形は好きだけど、燃費が悪いから」と敬遠していた方も、ハイブリッドシステムを備えたSUVがあることを知り、興味を持てたのではないでしょうか。
この記事で紹介したおすすめのハイブリッドSUVの情報を参考にして、お気に入りの1台を見つけてみてください。