車両保険の免責金額(自己負担額)とは?

自動車保険の車両保険でよくみかける免責金額とは何の金額なのでしょうか?
免責金額は、実は保険金の支払い金額にも影響を与える重要な情報です。免責金額の解説と上手な決め方の一例をご紹介します。
- Chapter
- 免責金額(自己負担額)とは?
- 車両保険の免責金額は何のためにあるの?
- 免責金額の決め方
- まとめ
免責金額(自己負担額)とは?

自動車保険の車両保険の欄でよく見かける免責金額という言葉について、ここでは事例を交えて解説します。
車両保険の免責金額「0万-10万」と記載されているケース
自動車事故に遭い、車の修理代が負担なので車両保険を使ったとします。
修理代で50万円かかり、車両保険を使う場合、保険期間中で1度目は自己負担は「0円」、2回目以降は「10万円」の自己負担がかかることを表しています。
この場合なら、1度目は車両保険から50万が給付されます。しかし2回目同様の事故が起こった場合は、10万円は免責(自己負担)となり、40万円しか支払われません。
なおこの免責金額は保険期間ごとにリセットされます。
保険始期、令和2年7月15日~保険終期、令和3年7月15日の自動車保険があり、車両保険の免責0万-10万としている場合、この期間中の1回目は自己負担は0円。2回目以降は10万円ということになります。
令和3年7月15日を経過し、新たに自動車保険を更改した場合は再度、車両保険の免責金額「0万円-10万円」が復活します。
車両保険の免責金額は何のためにあるの?

車両保険の免責にはいろいろなパターンがあります。
最もポピュラーなのは「0万円-10万円」。その他、「0万円-0万円」、「5万ー10万円」、「5万(車対車免ゼロ※)ー10万円」、「10万ー10万円」というパターンがあります。
※車対車免ゼロ特約とは?
保険期間中1回目の車両事故が他の車との衝突・接触事故であり、相手方の車の登録番号等や所有者が確認できる場合に限り、免責5万円は「差し引かない」特約です。
ただし、自損事故(単独事故)や当て逃げは自己負担は発生します。
なぜ、このような車両保険の免責金額は用意されているのでしょうか?
車両保険の免責金額が大きいということは、万が一のことがあった時の車両保険金額が手薄になるということ。同じ内容であれば、免責金額が大きいほど自動車保険料は安くなっていきます。
保険料を少しでも安くしたいという時は、免責金額を増やすことも1つの方法です。
免責金額の決め方

免責金額を決める前に、自動車保険の基本的な知識として知っておきたいのは、自動車保険を使うと、翌年の更改時に等級が下がり、自動車保険料が上昇するということです。またそれだけではありません。
仮に自動車保険13等級の人が事故を起こした場合、翌年の更新で10等級「事故あり係数3年」というペナルティのような割増が付きます。事故を起こすと翌年の更改から3年間は「通常の事故なしの10等級」よりも割高な保険料率が適用されてしまうのです。
料率が割高になると自動車保険料は上昇する傾向があります。
また13等級で事故を起こしたとしても、損害額がさほど大きくなかったので、自動車保険を使わず自腹で修理代や相手の賠償金を負担すれば、自動車保険を使っていないことになるので、翌年の更新では10等級事故あり係数3年にはなりません。
14等級でさらに割引率の大きい料率が適用されます。
自動車保険は、原則として使わなければ毎年自動車保険料は安くなっていく仕組みを取っています。
ただしその他の要件で、事故を起こしていないのに自動車保険料が上がるケースはゼロではありません。
些細な金額なら、自分で負担をしてまかないきれない損害の時だけ自動車保険のお世話になろう。こう考えている人は、あえて免責金額10万円-10万円とし、10万円位の車の負担なら自己負担で問題ないと考えるわけです。
免責金額を大きくすれば、毎月の保険料も下がります。
このように免責金額と等級の関係を上手につかって、保険料をおさえる方法も知っておくとよいでしょう。
まとめ
- 免責金額は車両保険の自己負担額を表す時に使われます。
- 免責には「0万-10万」、「5万-10万」などのパターンがあります。
- 免責額を増やすと保険料は安くなる傾向があります。