スズキ・スペーシアにかかる維持費はいくら?費用内訳を解説!
スズキ・スペーシアは、現在軽自動車の新車販売台数ランキングで上位を占めているスーパーハイトワゴン系モデルです。車高を高くして、広い室内空間を確保。リアには両側スライドドアを採用し、誰でも乗り降りしやすく工夫されているのが特徴です。
スペーシアはパレットの後継車として2013年に初代モデルが登場しました。モデル体系は標準車のスペーシアと押し出し感を強めたカスタム。そして大きなフロントグリルで圧倒的な存在感を演出したカスタムZの3タイプを用意。
そして2018年にフルモデルチェンジを行い、2代目となる現行型スペーシアが登場します。モデル体系は標準車とカスタムの2種類。2018年にはSUVテイストを加えたギアを追加。さらに2022年スペーシアをベースに車中泊ブームに対応させ、広い室内空間が特徴の商用モデルスペーシアベースを追加しました。ファーストカーでも通用する実力を備えているスペーシアですが、セカンドカーとして購入する方も多いので、維持費は気になるところです。
今回はスペーシアにかかる維持費の内訳を紹介し、購入を考えている方におすすめのモデルの選び方などを解説していきます。
- Chapter
- スズキ・スペーシアとはどんな車?
- 中古車の維持費はどれくらい?
- スペーシアにかかる維持費はこの6つ!
- スペーシアにかかる税金に軽減措置はある?
- 中古車のスペーシアを選ぶならカスタム2WDがおすすめ
スズキ・スペーシアとはどんな車?
初代スペーシアはパレットの後継車として、2013年3月に登場しました。コンパクトカー以上ミニバン以下という広い室内空間と、扱いやすいボディサイズで子育てママ層を中心に人気の高い軽スーパーハイトワゴンです。
高張力鋼板を多用したロングホイールベースの新プラットフォームを採用し、クラストップ室内長を実現するとともにパレットに比べて車両重量で90kgのダイエットに成功しています。
搭載しているエンジンは、直3DOHCと直3DOHCターボの2種類で、駆動方式を問わずCVTが組み合わされます。エネチャージをはじめ、新アイドリングストップシステムなど「スズキグリーンテクノロジー」を採用したことで全グレードがエコカー減税免税車となっています。一部グレードには、当時軽自動車初となる指先ひとつで開けられる「ワンアクションパワースライドドア」を標準装備しています。
2代目となる現行型スペーシアは、2017年12月より販売開始されました。これまで、スペーシアをはじめとした軽スーパーハイトワゴンは、子育て世代をメインターゲットとしていました。しかし、2代目スペーシアはよりターゲット層を拡大し、家族だけでなく仲間とアクティブに使えるモデルへと進化させたのが特徴です。
デビュー当初は、標準モデルのスペーシアと大きなフロントグリルを採用し、押し出し感を強めたスペーシアカスタムの2タイプを設定。さらに、2018年にはSUVテイストを加えたギアを追加。そして2022年には秘密基地を目指して開発された商用車のベースを追加しています。
搭載するエンジンは最高出力52ps&最大トルク60Nmを発生する直列3気筒自然吸気と64ps&98Nmを発生する直列3気筒ターボの2種類。両エンジンにISGと呼ばれるモーター機能付発電機と大容量化したリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッド機構を搭載し、トランスミッションは全車CVTが組み合わされ駆動方式は全グレードでFFと4WDを設定しています。
安全装備は単眼カメラと赤外線レーザーレーダーを組み合わせた衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート」を搭載。さらにリアバンパーに内蔵した4つセンサーによって車両後方の障害物を検知し、自動でブレーキを掛ける「後退時ブレーキサポート」を搭載するなど高い安全性を誇っています。
軽自動車の主力モデルなので、現行型、旧型ともにスペーシアの中古車は大量に市場に流通しています。
中古車の維持費はどれくらい?
スペーシアは2017年に登場した現行モデルは新車を手に入れることができますが、2013年〜2017年まで販売された初代モデルは中古車でしか手に入れることはできません。基本的には、購入するのが新車でも中古車でも必要となる維持費は変わりません。影響があると言えるのは選ぶグレードごとの燃費性能や、必要に応じて加入する自動車保険料、駐車場代などが主で、車によってではなく人によってかかる維持費が変わると言えます。
ただし、年式の進んだ中古車を選ぶ場合には軽自動車税(種別割)とメンテナンス代に影響があるかもしれません。
新車登録から13年以上が経過した車に対しては、軽自動車税(種別割)が約20%増税となります。
スペーシアの場合、初代モデルが登場したのが2013年。したがって軽自動車税が増税となることはありません。
また、中古車は年式や走行距離に応じて劣化が進んでいる場合があり、その修理代やメンテナンス費用が余分にかかる可能性があります。
スペーシアにかかる維持費はこの6つ!
ここからはスペーシアにかかる維持費について、その内訳とそれぞれにかかる具体的な費用を紹介していきます。
スペーシアの中古車を購入検討している方は、今後どのくらいの維持費がかかるのかの参考にご覧ください。
1:税金
2022年12月現在、スペーシアにかかる税金は軽自動車税(種別割)と自動車重量税です。これらの税金には、車の性能に応じて軽減措置が用意されているものもあります(具体的な内容については後ほど紹介します)。
■軽自動車税(種別割)
軽自動車税(種別割)は車の排気量に応じてかけられる税金です。スペーシアのような軽自動車は規格が660cc以下となっているため、かかる税金も一律で年に1万800円がかかります。
ちなみに、この税金は4月1日時点の軽自動車の所有者に支払いが義務づけられており、各市町村から毎年納税通知書が届きます。 納付期限は5月末日。公共料金と同じように、銀行や郵便局などの金融機関、コンビニなどで支払うことができるので、忘れずに納付しましょう。
また先述したとおり、新車登録から13年以上が経った車両は軽自動車税(種別割)が増加します。税額は15%増額となるので、1万2900円となります。
■自動車重量税
自動車重量税は、その名の通り車の重量に応じて課税される税金です。新車登録時に3年分の税金をまとめて支払うほか、2年ごとの車検時(新車登録後初めての車検時は3年後)にも2年分をまとめて払います。
スペーシアを新車で購入する場合は、搭載するエンジンによって異なり、3,700円〜9,900円となります。また、中古車でスペーシアを購入した場合、車検時には毎回5,000円がかかります。
2:車検代
車検は、新車登録から3年後、それ以降は2年に1度受ける義務がある定期点検です。これを受けないと公道を走ることはできず、また法律で厳しく罰せられます。
車検を受ける際は、主に法定費用と車検基本料が車検代として必要となります。
■法定費用
法定費用は、先述した自動車重量税に加えて自賠責保険料、印紙代(検査手数料)を合わせた費用です。これらは国や自治体に納めるもので、どの業者で車検を受けても同じ費用がかかります。
自賠責保険は、車を所有し運転する全ての人に加入が義務付けられている保険で、かかる費用はどの保険会社で契約しても同じです。
印紙代は基本的に1,100円が必要となります。ただし、認定工場で車検を受けた場合は証紙代も必要となるため、その分100〜700円が上乗せとなる場合があります。
■車検基本料
車検基本料は、点検費用、整備費用、代行手数料など合わせた費用です。これは車検業者に対して支払うもので、業者ごとに価格設定が異なるため、維持費を安く抑えたいなら見積もりをとって比較した上で業者を選ぶのがおすすめです。
傾向としてはディーラーはやや高めで、ガソリンスタンドや車検専門店、カー用品店などであれば比較的安く車検を受けられる場合が多いようです。
3:ガソリン代
最近はガソリン価格がかなり高騰しているので、ガソリン代はできるだけ安く抑えたい維持費の一つです。
そこで注目したいのは燃費性能です。現行型のスペーシアはグレード間での燃費性能には差がなく、エンジンが過給器付きか否か。そして駆動方式が2WDか4WDかによって性能が変わってきます。
最新のWLTCモード燃費を見てみると、2WDモデルは19.8〜22.2km/L、4WDモデルは19.2〜20.2km/Lと、どちらもかなり低燃費。主なユーザー層を考えると、使用用途は日常の送り迎えや買い物などの街乗りがメインとなるため降雪地域でなければ、より燃費の良い2WDモデルを選んだほうが良いでしょう。
4:自動車保険料
自動車保険には、全運転者に加入が義務づけられている「自賠責保険」と、任意で好みの補償を選び加入する「任意保険」の2種類があります。
■自賠責保険
車検の項目でも先述した通り、自賠責保険は車を運転する全ての人に加入が義務付けられている保険です。1か月単位で契約期間を選ぶことができ、かかる保険料もそれに伴って変わりますが、車検時に更新手続きを行うため新車購入時には37か月契約を選択する方がほとんどです。
軽自動車にかかる自賠責保険料は、37か月契約の場合2万7,330円となります。
■任意保険
自賠責保険で補償されるのは対人補償のみで、相手や自分の車、建物などに対しては保険金が1円も支払われません。また、補償される金額も最高で4,000万円までで、事故の内容によっては賠償金額がそれ以上かかる場合もあり、自賠責保険だけでは十分な補償とは決して言えません。
そこで、各保険会社が任意で加入できる様々な保険(任意保険)を用意しています。
任意保険にかかる費用は、補償内容や運転者の条件・年齢・人数、車種などによって変動します。そのため、同じ保険であっても運転する人や家族構成によって保険料は大きく異なる場合があります。
できるだけかかる費用を抑えたいなら、各保険商品の内容や保険料を比較した上で気に入ったものを選ぶようにしましょう。
5:メンテナンス代
車に長く乗るためには、定期的なメンテナンスが必要です。車が好きな方であれば自分でできるメンテナンスもありますが、女性の場合はなかなか自分で行うのは難しい…という場合が多いでしょう。そのため、基本的には専門店に頼むのが安心ですしおすすめです。
定期的に行う必要があるのは、エンジンオイル交換、タイヤ交換、バッテリー交換など。身近なところではガソリンスタンドでも頼むことができますが、店ごとに価格設定は大きく異なるため、必ず複数のお店を比較して検討しましょう。
もちろん、自分で部品を調達して交換すればより安くすませることができます。車の取扱説明書に手順が記されていますので、家族と一緒にチャレンジしてみるのも良いですね。自身の知識や力量に応じて、お店とセルフメンテナンスを使い分けてみてください。
また、車検の際にも合わせて不具合のある箇所を点検してもらえるので、合わせて修理を依頼することも可能です。
6:駐車場代
持ち家の場合はあまり必要ありませんが、賃貸物件に住んでいる方や駐車場がない都市部などでは、駐車場代もかかってきます。
価格設定はお住まいの地域ごとに大きく異なるため、周辺の駐車場の料金を確認した上で維持費の計算をしてみましょう。
スペーシアにかかる税金に軽減措置はある?
2022年12月現在、車に関する税金に対してはいくつかの軽減措置が用意されています。
ここからは、スペーシアで適用されている減税措置の対象となるグレードはどれかを詳しく紹介していきます。
グリーン化特例について
グリーン化特例とは、環境負荷の少ない自動車の開発や普及を進めるために、燃費性能および排出ガス量が優良な自動車に対して自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)の税率を軽減する仕組みです。
環境性能割について
環境性能割は、新車・中古車に関係なく車を購入した際にかかり、車の燃費性能に応じた税率が課せられる税金です。かつての自動車取得税に代わって新たに導入されました。
令和元年10月1日〜令和3年12月31日までの間に取得した自家用乗用車については、自動車税環境性能割の税率をそれぞれ1%軽減する措置が取られています。
エコカー減税について
エコカー減税は、排出ガス性能や燃費性能に優れた自動車に対して、それらの性能に応じて自動車重量税を免税・軽減する仕組みです。
現行型のスペーシアは環境性能割やエコカー減税の対象となっています。
中古車のスペーシアを選ぶならカスタム2WDがおすすめ
ここまでスペーシアにかかる維持費について、各項目ごとに紹介してきました。
税金やほとんどの項目でかかる金額は、新車・中古車どちらを購入しても、またどのグレードを選んでもほぼ同じとなっています。
できるだけ日々かかる費用を抑えたいのであれば、やはり一番注目すべきなのは燃費でしょう。ガソリン価格が高騰している今、できるだけ燃料にかかる費用を抑えるなら、燃費性能がより良い2WDモデルを選択するのがおすすめです。