コンパクトなトールワゴン、ルーミーとソリオはどっちがお得?

トヨタ ルーミーとスズキ ソリオは、ともに扱いやすい5ナンバーサイズのトールワゴンです。
ミニバンよりも小さいことからプチバンにカテゴライズされることもある2車種は、軽自動車のような気軽さと広々とした室内などで、子育てファミリーを中心に人気です。
そんなルーミーとソリオを比較して、それぞれの魅力を探ってみましょう。
- Chapter
- ダイハツのOEMで生まれたトヨタ ルーミー
- 歴史の長いスズキ ソリオ
- ソリオはボディが大きなぶん小回りが苦手?
- 自動車税に影響するエンジン排気量
- 室内長はソリオ、室内幅はルーミー
- 室内の使い勝手もソリオに軍配
- 安全装備は互角
ダイハツのOEMで生まれたトヨタ ルーミー

トヨタ ルーミーは、ダイハツ トールのOEMモデルで、スバルでもジャスティ名で販売されています。
発売は2016年11月で、ダイハツでは軽自動車の取り回しやすさと広い室内空間を目指して開発されました。
基本はダイハツのトールなので、デザインをはじめ、エンジン、衝突回避システムなどはダイハツ製。インテリアの基本デザインも共通です。
もともとトヨタではチャンネルによってルーミーのほかにタンクも販売していましたが、2020年のマイナーチェンジにあわせルーミーに統一されています。
歴史の長いスズキ ソリオ

現行型のスズキ ソリオのルーツは1997年にデビューしたワゴンRワイドといわれています。
その後、2代目ワゴンRワイドのモデルライフ途中の2005年に車名をソリオに変更し、現在は2020年にデビューした4代目が販売されています。
初代ソリオから数えても20年近くの歴史があるソリオは、ライバルよりも広い室内とパワーに余裕のあるエンジンが魅力です。
こちらは三菱に供給され、デリカD:2として販売されています。
ソリオはボディが大きなぶん小回りが苦手?

2020年のマイナーチェンジでフロントデザインを刷新したルーミーは、ヘッドランプとグリルのルーバーを一体化させたデザインに、大開口アンダーグリルを組み合わせて、品の良さと躍動感を感じさせるルーミーと、ルーバー形状のメッキグリルがトヨタの上位ミニバンを彷彿とさせるルーミー カスタムにわかれています。
ボディサイズは全長3,700mm(カスタムは3,705mm)×全幅1,670mm×全高1,735mmで、ホイールベースは2,490mm。最小回転半径は4.6mとなっています。

対するソリオは、フード先端を持ち上げて厚みをましたフロントにメッキパーツを効果的に使った高級感のあるデザインが特徴です。カスタム系のソリオバンディッドは、シャープなデザインの2段構えのヘッドランプを中心にスポーティさを強調しています。
ボディサイズは、全長3,790mm×全幅1,645mm×全高1,745mmで、ホイールベースは2,480mm、最小回転半径は4.8mです。
この手のミニバンには必須ともいえるパワースライドドアは、助手席側をすべて標準装備としたルーミーに対して、ソリオは廉価版グレードの”G”のみオプション設定。
運転席側はいずれもグレードにより標準装備となるので、両側パワースライドを求めている方は購入前に装備内容を確認しましょう。
自動車税に影響するエンジン排気量
ルーミーのパワートレーンは、996cc直列3気筒ガソリンエンジンの自然吸気とターボの2種類。
ソリオは、1,242cc直列4気筒ガソリンエンジンの自然吸気とマイルドハイブリッド、2022年に追加されたハイブリッドの3種類。いずれも2WDと4WDが用意されます。
気になる燃費は、ルーミーのNAが18.4km/L、ターボが16.8km/L、ソリオはガソリンが19.0km/L、マイルドハイブリッドが19.6km/L、ハイブリッドが22.3km/L
毎年納める自動車税種別割は、1.0L以下のルーミーが2万5000円、1.0L超〜1.5L以下のソリオは3万500円と4500円の差があります。
※令和元年10月1日以後初回新規登録の場合
車検時に納める重量税は、ルーミーが1年あたり7500円、ソリオはハイブリッドが5000円、それ以外は8200円になります。
室内長はソリオ、室内幅はルーミー


ルーミーは、水平基調のダッシュボードと4.2インチのマルチインフォーメションディスプレイを配置したセンタークラスターという左右対象のデザインに、運転席側にメーターパネル、助手席側には大型のオープントレイを配置。
ソリオは水平基調のダッシュボード上部に4.2インチカラー液晶のマルチインフォメーションディスプレイを配置するというスッキリとしたデザインで、上級グレードにはドライバーの前にヘッドアップディスプレイが装備されます。
どちらも運転席シートリフターとチルトステアリングが装備され、ドライバーの体格や好みに合わせてドライビングポジションを調節することが可能です。
オートエアコンは、ルーミーがXグレード以外、ソリオは全車標準装備。運転席・助手席シートヒーターは、ルーミーのパッケージオプションに対して、ソリオはハイブリッドの全モデルに標準装備となっています。


室内寸法は、ルーミーの室内長2,180mm×室内幅1,480mm×室内高1,355mmに対し、ソリオは室内長2,500mm×室内幅1,420mm×室内高1,365mm。
ソリオの室内長はルーミーにくらべて300mm以上も長いので、居住性では圧倒的にうわ回っています。
ただし幅が60mm狭く、さらにリアシートの分割はソリオが5:5、ルーミーは6:4といったことからも分かるように、カタログ上は5名乗車のソリオですが4名乗車が快適に移動できる上限でしょう。
室内の使い勝手もソリオに軍配

ルーミー、ソリオともに多彩なシートアレンジが可能です。
ソリオは助手席シートの座面を跳ね上げ、シートバックを前方に倒してフロントからリアまでフラットな空間を作れるのに対し、ルーミーは座面の跳ね上げができず、長尺物を積載するときにはシートの表側を使うことになります。
対するルーミーは、荷室に荷物の高さや状態に合わせてアレンジできる多機能デッキボード(防汚シート付)があることと、荷室フロアから地上までの高さが527mmと低く設定されているので、重い荷物や高さのある荷物を積載するのに有利です。
ソリオは荷室の下にサブトランク(4WDはアンダーボックス)を用意するなど、メーカーは自社の特色を出すためにいろいろな便利装備を用意しています。
安全装備は互角
ルーミーは、ダイハツのスマートアシストを搭載しています。グレードによる違いは、アダプティブドライビングビームとサイドビューランプの有無程度です。
対するソリオは、スズキのSafety Supportが搭載されます。こちらはエンジン車専用グレードの”G”のみ、車線逸脱抑制機能とアダプティブクルーズコントロール(ACC)が含まれていません

販売台数、中古車の物件数でソリオをうわ回るトヨタ ルーミー(タンク)は、スタイリッシュなデザインと小回り効くボディ、必要にして十分なエンジンなど、全体にバランスのとれたパッケージが魅力。
愛するソリオですが、広くて使い勝手のいい室内や高級感のあるエクステリア、力強いエンジンなどが魅力など、いずれも甲乙つけがたい2台ですが、予算がゆるせばソリオを選びたいところです。