【プロ解説】想像以上だった中国生産になったホンダ オデッセイ(RC5型)の進化っぷり

オデッセイは、ホンダのフラッグシップミニバンです。
2022年9月に惜しまれつつ販売が終了しましたが、2023年12月から中国工場で生産される進化型が導入されています。
この復活にあたりオデッセイはいくつかの改良を受けています。ここではその改良ポイントを中心に現行型(RC5型)オデッセイを解説します。
リアスライドドアを採用して背も高くなった5代目

2013年にデビューした5代目オデッセイ(RC4型)は、エリシオンとのモデル統合によって、先代(4代目)までの立体駐車場に対応したローフォルムを止め、シリーズ初のリアスライドドアを採用したことがトピックでした。
またホンダ独自のパッケージング技術をさらに進化させた超低床プラットフォームによって、4代目をはるかに凌ぐ広く快適な室内空間を確保しながら、サスペンション構造を見直すことにより、安定したハンドリングやしなやかな乗り心地を実現しています。
ボディタイプは、標準モデルとエアロパーツを装着したアブソルートの2種類。室内は、7人乗と8人乗りを用意して幅広いユーザーニーズに応えていました。

パワートレインは、標準モデルが2.4L直列4気筒DOHC i-VTECエンジンと新開発CVT、アブソルートは2.4L直噴のハイパワーエンジンにパドルシフトを装備したCVT(7スピードモード付き)という組み合わせ。
2.0Lガソリンエンジンと走行用と発電用の2つのモーターを組み合わせた「スポーツハイブリッド i-MMD(現e:HEV)」が搭載されたオデッセイ ハイブリッドが追加されたのは、一部改良が行われた2016年2月からです。
「スポーツハイブリッドi-MMD」は、EV/ハイブリッド/エンジンという3つのドライブモードから状況にあったモードを車が判断して自動で切り替え、燃費と走りをサポートします。
2017年11月には最初のマイナーチェンジが敢行され、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」が全グレードに標準装備されたほか、エクステリアデザインの変更と快適装備の充実が図られました。
次に大きく進化したのは2020年11月のマイナーチェンジで、このときはグリルを大型化するとともに薄型ヘッドライトなどエクステリアを刷新。
インテリアは質感向上と、メーターパネル内のフルカラー液晶パネルを大型化などで商品力を高めました。
型式がRC4からRC5型に変わり各機能もアップデートされた現行型
2023年12月から再販されている現行型(RC5型)オデッセイのエクステリアは、基本的に2020年のマイナーチェンジ後と同じです。
パワートレインはe:HEVのみとなり、ガソリンエンジン車はありません。
室内はキャプテンシートを備えた7人乗りで、オットマンとリクライニング操作が電動化されたシートには、ヒーター機能や折りたたみ式のセンターテーブル、ミニテーブル付きのアームレスト、USBチャージャー(タイプC)など、快適装備が充実しています。
くわえてe:HEV アブソルート・EX系には、本革シートやワイヤレス充電器、ハンズフリーアクセスパワーテールゲートなどが標準装備となります。
Honda SENSINGを中心に安全性能も大幅に向上
安全運転支援システムのHonda SENSINGには、近距離衝突軽減ブレーキ、オートハイビーム、急アクセル抑制機能が追加されました。
またフロントカメラの広角化により、衝突軽減ブレーキの検知対象を拡大。交差車両、右折時の対向車、横断自転車、二輪車、夜間の歩行者が検知可能となっています。
さらにオデッセイとして初採用の車載通信モジュール「Honda CONNECT(ホンダコネクト)」も搭載され、より安心・快適なカーライフを楽しめる「ホンダトータルケアプレミアム」サービスの利用も可能にしています。

超低床プラットフォームによるセダンライクな安定感のある走りと、ミニバンを感じさせないスタイリングが魅力のオデッセイですが、今回の改良で全体の質感をアップして、魅力に磨きをかけました。