人気のヤリスクロスと価格の安い初代ヴェゼル。買って損しないのはどちら?

新車、中古車に限らず、コンパクトSUVの人気車種といえば、トヨタ ヤリスクロスとホンダ ヴェゼルです。
ヤリスクロスは2020年のデビューで、ヴェゼルは初代が2013年、現行型は2021年に登場しました。
都会的デザインに、普段乗りにも適したサイズ、ハイブリッドをメインに据えたパワートレインなど、よく似た2台のコンパクトSUVを徹底比較します。
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- 中古で狙うならヤリスクロスか初代ヴェゼルがおすすめ
- 税金関連は同じ。燃費で差がつく2台
- 年間の維持費はほぼ同じ
- 室内はセンタータンクレイアウトのヴェゼルに軍配
- コスパで選ぶなら初代ヴェゼルがおすすめ
中古で狙うならヤリスクロスか初代ヴェゼルがおすすめ

2013年にデビューしたホンダ ヴェゼルは、扱いやすいボディサイズに、燃費の良いエンジン、大人4人が乗れる室内などで、コンパクトSUV市場を開拓しました。
いっぽうトヨタは、クーペシルエットを基本とした都会的デザインをまとったCH-Rを2016年に発表するものの、パッケージに勝るヴェゼルの後塵を拝することが多く、2020年に新たにヤリスクロスを投入しました。
現在(2025年5月時点)の新車価格は、ヤリスクロスが204.6万円~323.4万円、ヴェゼルは264.88万円〜377.6万円で、ハイブリッド車だけに絞ってもヤリスクロスが243.32万円~323.4万円、ヴェゼルは288.86万円〜377.6万円と、ヴェゼルがひとクラス上の設定。中古車でも、2代目ヴェゼルはまだまだ高値のイメージです。
ただし、そのいっぽうで初代ヴェゼルの中古価格がこなれてきている状況で、同じ中古車ということであれば新しいヤリスクロスと迷う人も多くいます。
そこで以下では、ヤリスクロスと初代ヴェゼルをメインに比較して行きます。
税金関連は同じ。燃費で差がつく2台

ボディサイズは、ヤリスクロスが全長4,180mm〜4,200mm×全幅1,765mm×全高1,590mm。
エクステリアは、精悍な印象のフロントに張り出したフェンダーアーチによって、都会的で洗練されたなかにSUVらしい力強さが込められています。
いっぽうヴェゼルは、初代が全長4,330mm〜4,340mm×全幅1,790mm×全高1,605mm、2代目は全長4,330mm×全幅1,790mm×全高1,580mmとほぼ同じサイズで発売されました。
初代ヴェゼルのデザインは、コンサバなスタイルにクーペシルエットを融合したもので、躍動感と上質感をあわせ持った乗用車ライクな雰囲気に仕上がっています。
いずれも見た目はコンパクトSUVらしく、取り回しも良さそうな印象です。
年間の維持費はほぼ同じ

燃費は、ヤリスクロスのガソリン車が17.1〜19.8km/L、ハイブリッド車は26.0〜30.8km/L(WLTCモード)。
ヴェゼルは初代のガソリン車19.0〜20.8km/L、ハイブリッド車は21.6〜26.0km/L(JC08モード)。2代目は、ガソリン車が15.6〜17.0km/L、ハイブリッド車は22.0〜25.0km/L(WLTCモード)です。
初代ヴェゼルの燃費がJC08モードで計測されていることを考慮しても、ガソリン代はヤリスクロスのほうが安くなります。
車両重量は、ヤリスクロスが1,110kg〜1,270kg、初代ヴェゼルは1,180kg〜1,390kg(2代目は1,250kg〜1,450kg)となっており、重量税はどちらも年間1万2300円。
自動車税は、ヤリスクロスがガソリンエンジン、ハイブリッドとも1,490cc、ヴェゼルは初代、2代目ともに1,496ccで、こちらも同じ排気量区分(1,000cc超〜1,500cc以下)で年額3万500円です。
ただし、新車登録から13年が経過すると重量税、自動車税ともに税額が上がりますから、初代ヴェゼルを検討している方は登録年式に注意しましょう。
室内はセンタータンクレイアウトのヴェゼルに軍配

室内寸法は、ヤリスクロスが室内長1,845mm×室内幅1,430mm×室内高1,205mmで、ラゲッジ容量は390L。
ヤリスクロスのインテリアデザインは、アウトドアや普段使いに必要なものが整然と使いやすく装備されいるのが特徴。
ブラック基調で、Zグレードにカーキ×ブラックを用意するほか、Z Adventureは専用のブラウン×ブラック(2024年の改良後はサドルタン)になります。
シートヒーターとステアリングヒーターは、Z以上のグレードに標準装備。寒冷地やウインタースポーツなどに使用する機会が多いオーナーにおすすめです。

いっぽう初代ヴェゼルは、室内長1,930mm×室内幅1,485mm×室内高1,265mmで、ラゲッジ容量は393L(11Lのラゲッジルームアンダーボックスを含まず)。
インテリアは、運転席と助手席を仕切るセンターコンソールと運転席側に傾いたセンターパネルによってパーソナル感を演出しています。
ヤリスクロスに比べて85mmも長く、60mmも高い室内寸法は、ホンダ独自のセンタータンクレイアウトの恩恵。
リアシートは上級セダンを同等の座面長を確保したうえで、ミニバン並のひざまわり空間を実現するなど、サイズ感をうわ回る高い居住性を実現しています。
また細かいところでは、インストルメントパネルをはじめ、コンソール側面、アームレストなどにステッチライン入りのソフトパッドを採用したり、ドア上部にクッション層入り表皮をしつらえるなど、上質で快適な空間となっていることもポイントです。
コスパで選ぶなら初代ヴェゼルがおすすめ

燃費性能に優れるヤリスクロスは、ちょっとだけ全長が短いことも手伝って、買い物やお子さんの送り迎えなどでも重宝しそうです。
いっぽう燃費で劣るヴェゼルですが、室内の広さや初代のこなれた価格は魅力的です。
デザイン的には、アクティブにアウトドアを楽しみながら実用性も考えるならヤリスクロス。街なかでちょっとおしゃれに乗りたいという方にはヴェゼルがおすすめというところです。
いずれにしても甲乙つけ難い2台なので、最終的には各部の質感やデザインなど好みで左右されると思います。ぜひとも販売店で確認してみてください。