【ライター解説】日産・新型ノートの魅力を解説!他のハイブリッドにも勝るe-POWERの実力とは?【動画あり】
2005年に初代モデルがデビューし、2020年秋に3世代目となる新型が登場した日産ノート。
純粋なガソリンエンジン車を廃止してハイブリッド車に一本化したことが話題になっていますが、ボディのコンパクト化や先進的な雰囲気のインテリアなど、ほかにも多くのトピックが存在します。
「車選びドットコムYouTube」では、そんな新型ノートに迫りました。
▼新型ノートの紹介動画はこちらをチェック!
【新型 ノート/NOTE】日産 ノートを土屋圭市と相沢菜々子が徹底解説!新型ノートに搭載される、e-POWERの実力は?NISSAN NOTE X 2WD ProPILOT【車両レビュー・試乗ビュー】
ガソリン車を廃止してハイブリッドだけの展開
新型ノートの大きな特徴といえば、まずハイブリッド専用車になったことでしょう。
2005年にデビューしてからガソリンエンジン車だけの展開だったノートですが、2代目のモデルライフ途中となる2016年11月には「e-POWER(イーパワー)」と呼ぶハイブリッドを追加。それが日産の想定を超えるほどの人気を集めたことで、路線変更。新型は一般的なエンジン車を廃止し、ハイブリッドだけの展開となったのです。
ノートに搭載しているハイブリッドシステムの特徴は、エンジンは発電専用として電気をつくることだけに特化していること。駆動力はすべて、その電気を使ってモーターで生み出すのです。
このような仕掛けは一般的に「シリーズハイブリッド」と呼ばれます。
「e:HEV」と呼ぶホンダのハイブリッドシステムもこれに近いスタイルですが、そちらは高速走行の一部領域でエンジンの力を駆動力として直接タイヤに送るモード(いわゆるエンジン直結状態)が存在。しかし日産の「e-POWER」にはそういったモードがないのが、機構としての最大の違いとなっています。
エンジンが直結できるか否かで何が変わるかといえば、それは高速領域の燃費。
街中走行など車速が低い状況ではモーターで駆動力を生み出したほうが効率がよく、すなわち燃費も優れるのですが、車速が高まるとホンダ式のようにエンジンから直接パワーを伝えたほうが効率が優れる領域もあります。
しかし、ホンダのタイプはエンジン直結モードを持つことで、その分構造が複雑になるのでコストアップは避けられません。
つまり整理すると、日産のシステムは高速域の燃費では不利になることもあるがコストを抑えられる、と言っていいでしょう。
しかし、一般的なガソリン車と比べても高速燃費は極端に悪いことはなく、トータルでの燃費性能はきわめて良好。高速道路ばかりを走る人でなければ、メリットの大きなハイブリッドシステムと言えます。
力強い加速が頼もしい!
「(システムの考え方が)新しい!」
「運転していて心地いい」
「滑らかだし、トルクが太いから力強いよ」
日産のハイブリッドシステムの走りのフィーリングに関しては、レジェンドレーシングドライバーの土屋圭市さんも大満足。動画からも、楽しそうに運転していることからも伝わってきます。
ノートのモーターが発生する最大トルクは280Nm。これは排気量3Lほどの、大きな自然吸気ガソリンエンジンに相当する力強です。それがコンパクトカーに搭載されているのだから、加速の勢いがないわけがありません。
エンジン車と違ってエンジン回転が上がるのを待つことなくアクセルを踏み込んだ瞬間から最大のパワーを発生できるのがモーターの特徴だから、力強いのに加えて瞬発力が鋭いのもノートの動力性能の自慢。
さらに、アクセルを踏み込んだときの“伸び感”や“盛り上がり”といった官能性能が高いのも、他のハイブリッドに勝るe-POWERのうれしい部分です。
効率がよく、爽快感もトップクラス。それがノートのパワートレインの魅力といえます。
ところで、ノートは先代から現行モデルへの進化において、フルモデルチェンジとして珍しいことが起きました。車体サイズが小さくなったのです。
全長が55mmも短くなったのですが、これはフルモデルチェンジで車体が大きくなるのが常識といえる中で極めて異例といっていいでしょう。
そう聞けば気になるのは荷室や後席の広さといった実用性ですが、果たしてどうでしょうか。結論から言えば、大きな影響はありません。パッケージングが巧みだからです。
荷室容量はFFモデルで340Lと、これはクラストップの実力。先代に比べても10L増しています。
「車選びドットコムYouTube」でおなじみの“90Lスーツケースチャレンジ”をやってみても、ディーラーオプション品を装着しない標準状態であればしっかりと収めることができました。
いっぽう室内は、後席がわずかに狭くなっているのは否めません。
しかし、それは「先代に比べれば」という比較のもとでの評価であり、絶対的な空間で考えれば十分と言えるもの(先代が広すぎた!)。新型でも、大人がゆったりと座って快適に移動できます。
そのうえ、上級グレードにはクラス唯一の後席リクライニングが組み込まれ、オプションではセンターアームレストまで内蔵。快適性を高めるおもてなし装備はライバル以上に充実です。
タブレットのようなメーターで先進的
運転席はどうでしょうか。
まるで薄型テレビやタブレットのようなメーターパネル、そして同じ高さで並べたナビが先進的な印象です。
シフトセレクターは新しい発想の、マウスを前後に動かすような感覚で操作できる電子制御式。パーキングブレーキも電動式とするなど、新技術を積極採用していますね。
もちろん快適性の面でも、フロントシート周辺はしっかり配慮されています。
たとえばこのクラスでは異例の大きさのセンターアームレスト(センターコンソールボックスのリッド)は表面にソフト素材が張られていて、「腕を置いても痛くない」と土屋圭市さんも納得。ロングドライブでも疲れにくいように、ドライバーのケアがしっかりできていることが伝わってきますね。
レースクイーンの相沢菜々子さんも、「ドアの腕置きは、いままで乗ったクルマのなかでいちばん置きやすい形状」と高評価です。
相沢菜々子さんからは助手席周辺に関して「前が広い」という感想もでました。
かつて、日産のコンパクトカーといえば「マーチ」がメインで、後から登場したノートは「室内の広さが特徴でマーチを補完する存在」でした。
しかし、フルモデルチェンジで新型になったノートに触れてみると、日産のコンパクトカーのメインストリームがノートに移行したような気がします。