レクサス ISにかかる維持費はいくら?費用内訳を解説!
レクサスISは、レクサスブランドのセダンラインアップの中で、最もコンパクトなサイズのモデルです。BMW3シリーズやメルセデス・ベンツCクラスといった欧州Dセグメントと呼ばれるクラスに属していて、高い走行性能が特徴となっています。
レクサスISは、2代目の現行モデルはハイブリッド車を設定していますが、ダイナミックな走りを楽しむために大排気量のエンジンを搭載しているモデルが多く、かかる維持費は気になるところです。
今回はレクサスISにかかる維持費の内訳を紹介し、購入を考えている方におすすめのモデルの選び方などを解説していきます。
- Chapter
- レクサスISとはどんな車?
- 新車と中古車の維持費に違いはあるの?
- レクサスISにかかる維持費はこの6つ!
- レクサスISにかかる税金に軽減措置はある?
- 中古車のレクサスISを選ぶならハイブリッド車、IS300hの2WD車がおすすめ
レクサスISとはどんな車?
トヨタのプレミアムブランドであるレクサス。そのセダンラインナップの中でスポーティな走りを楽しめる初代レクサスISは2005年9月に発表されました。スポーティセダンのレクサスISは、クラウンと共通のシャシーを採用しているものの、全長とホイールベースを短くすることでボディをコンパクトにするだけでなく、機動性も向上させて切れ味鋭い走行性能が特長となっています。
デビュー当初、搭載されていたエンジンは、3.5L&2.5LV型6気筒エンジンの2種類。駆動方式はFR(後輪駆動)を中心にIS250に4WD車を用意していました。セダンは2010年にマイナーチェンジを実施し、内外装の変更を行いました。また前年に追加されたバージョンFはこの時F SPORTに変更され、専用の内外装を始め専用サスペンションなどを搭載し、走りを鍛えたグレードとして人気グレードとなりました。
初代レクサスISのセダンに加えて、ハイパフォーマンスモデルのIS F、そして4人乗りのオープンモデルもIS Cが追加されています。
IS Fは徹底的な走りの鍛え込みを行ったホームサーキットの富士スピードウェイの頭文字である“F”が由来となっています。ドライバーの意思にしっかりと応え、クルマを自在に操ることができるという、クルマの根源的な魅力である「運転する楽しさ」を極限まで追求したモデルに仕上げられています。
搭載するパワートレインは、最高出力423ps、最大トルク505Nmを発生する5L V型8気筒自然吸気エンジン+8速AT。駆動方式はFR(後輪駆動)です。IS Fは2011年の一部改良で、優れた操縦安定性・走行安定性を発揮する新ショックアブソーンバーの採用に加えて、コイルスプリングやバウンドストッパーなどサスペンションチューニングの最適化を実施。そして、2013年の一部改良でフロントのフォグランプをLEDタイプへの変更をはじめ、カーボン製リアスポイラーの採用。また、スポーツシート全席のヘッドレストに“F”ロゴを立体的に表現したエンボス加工を施しています。
2009年には4人乗りオープンカーのIS Cが登場。全長4635mm、全幅1795mmとボディサイズに変更はありませんが、オープン化に合わせてドア枚数が4枚から2枚へと変更。さらに乗車定員も4人となっています。採用しているルーフはアルミ合金製の電動開閉式メタルトップで、開閉時間は20秒と短く、3分割されコンパクトに収納されるためルーフをオープンにしたときでもラゲージスペースが確保されています。デビュー当初は2.5L車のみでしたが、2010年8月に3.5Lエンジンを追加、さらに2012年8月にレクサススポーツの称号であるFを継承したスポーティグレードのF SPORTが追加されています。
レクサスISは2013年5月に初のフルモデルチェンジを行い、2代目となる現行モデルが登場しました。外観では新世代レクサスのアイコンとなっているスピンドルグリルをフロントマスクに採用。そしてレクサスISのDNAとも言える「気持ちの良い走り」と「スポーティなデザイン」をさらに飛躍させているのが特徴です。
レクサスISのボディには、従来のスポット溶接より溶接打点間のピッチを細かくすることができる新工法「レーザースクリューウェルディング」や、ボディを面で結合し、たわみを抑える「構造用接着剤」など、新技術を積極的に投入してボディ剛性を高め、優れた操縦性・走行安定性を実現しています。
さらに新型リアサスペンションそして3.5L車には8速スポーツダイレクトシフトを採用し、意のままに操ることができる操縦性・走行安定性を実現しました。現行型ISに搭載しているパワートレインは従来の3.5L、2.5L共にV6DOHCを搭載したIS350、IS250に加えて、2.5L直4エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドモデルIS300hを追加。スタンダードモデル、ラグジュアリー仕様のバージョンL。さらにスポーティバージョンのF SPORTを各モデルに設定します。組み合わされるトランスミッションは3.5L車が8速AT、2.5L車が6速AT、ハイブリッド車がCVT。駆動方式はFRが中心でIS250に4WD車を設定しています。
現行型レクサスISは、2015年7月に一部改良を実施し、FR車としてレクサス初のターボエンジン搭載モデルIS200tそして、積雪寒冷地域の需要に応え手配ブリッド社のIS300hにAWD仕様を追加設定しました。IS200tは、2L直列4気筒直噴ターボエンジンを搭載し、組み合わされるトランスミッションには8-Speed SPDSを採用しています。
2016年10月にレクサスISはマイナーチェンジを実施。内外装の変更に加えてサスペンションのチューニングやCUSTOMIZE モード搭載のドライブモードセレクトを設定。CUSTOMIZE モード選択時には、パワートレーン、シャシー、空調の各制御の組み合わせを自由に選択することで、よりドライバーの嗜好に応じた走行モードを実現するなど「運転の愉しさ」の熟成を進めています。
また、低速域から高速域まで衝突回避または被害軽減を支援する予防安全パッケージ「Lexus Safety System +」を標準設定し安全性を向上させています。このタイミングでIS250は廃止されました。そして2017年10月には2Lターボエンジンを搭載しているIS200tの名称がIS300へと変更されています。
2020年11月にレクサスISは2度目のマイナーチェンジを行います。ワイド&ロー化されたボディは全長と全幅が+30mm、全高は+5mm従来モデルより拡大されています。ボディの骨格では、サイドラジエーターサポートの補強、フロントサイドメンバーのスポット打点追加、C ピラーからルーフサイドにかけての構造最適化などによりボディ剛性を高めることで、ハンドル操作に対するレスポンスなど運動性能も高めるとともに、ノイズや振動を徹底的に排除し乗り心地を向上させています。
そして、Toyota Technical Center Shimoyama をはじめとする世界各地で走り込み、走りの性能を鍛え上げました。減速、操舵、加速がシームレスに繋がる気持ち良さなど、ドライバーの意図に忠実でリニアな応答を追求し、日常の走行シーンにおいても気持ちの良い走り実現しています。
同時に進化したLexus Safety System +などを装備し、クルマを熟成させています。搭載されているパワートレインも、それぞれチューニングを施しました。さらに、ショックアブソーバーのオイル流路に非着座式のバルブを設け、微小な動きに対しても流路抵抗による減衰力を発生させる「スウィングバルブショックアブソーバー」を採用。アブソーバーのストローク速度が極めて低い場合でも減衰力を発揮することで、応答性が良く上質な乗り心地を実現しています。
2022年8月に最高出力481ps、最大トルク535Nmを発生する5L V型8気筒エンジンを搭載したIS500“F SPORT Performance”を導入。IS350F SPORT をベースに AVSやEPSにチューニングを施し、フロントに加えリアにも「パフォーマンスダンパー」を追加することで、さまざまなドライビングシーンに応じた優れた乗り心地と操縦安定性を実現したハイパフォーマンスモデルです。
現在、新車で販売されているグレードは、IS300、ID300h、IS350、IS500の4モデルで、IS300hには4WD車を用意。また、IS300とIS300hにはスタンダード、Fスポーツ、バージョンLという装備が異なる3つの仕様を設定しています。
新車と中古車の維持費に違いはあるの?
レクサスISを購入する際、初期費用をできるだけ抑えたいという場合は、新車ではなく中古車の購入を検討することもあるでしょう。ただ、購入後にかかる維持費にも新車・中古車で差があるのか?と気になる方は多いのではないでしょうか。
基本的には、購入するのが新車でも中古車でも必要となる維持費は変わりません。影響があると言えるのは選ぶグレードごとの燃費性能や、必要に応じて加入する自動車保険料、駐車場代などが主で、車によってではなく人によってかかる維持費が変わると言えます。
ただし、年式の進んだ中古車を選ぶ場合には自動車税(種別割)とメンテナンス代に影響があるかもしれません。
新車登録から13年以上が経過した車に対しては、自動車税(種別割)が約15%増税となります。また、車両の重さと登録からの経過年数で税額が決まる自動車重量税も、登録から13年経過後に税率が約40%増税となります。18年経過後はさらに約10%の増税となりますので、かなりの税負担を感じると思います。
レクサスISの場合、初代モデルの中古車を購入すると、自動車税や自動車重量税の増税の対象となる場合もあります。
また、中古車は年式や走行距離に応じて劣化が進んでいる場合があり、その修理代やメンテナンス費用が余分にかかる可能性があります。
レクサスISにかかる維持費はこの6つ!
ここからはレクサスISにかかる維持費について、その内訳とそれぞれにかかる具体的な費用を紹介していきます。
新車・中古車に関わらず、レクサスISの購入を検討している方は、今後どのくらいの維持費がかかるのかの参考にご覧ください。
1:税金
2023年2月現在、レクサスISにかかる税金は自動車税(種別割)、環境性能割、自動車重量税そして消費税です。これらの税金には、車の性能に応じて軽減措置が用意されているものもあります(具体的な内容については後ほど紹介します)。
■自動車税(種別割)
自動車税(種別割)は車の排気量に応じてかけられる税金です。レクサスISの現行型は2L~5Lまでありますので、3万5000円~8万7000円となっています。排気量が大きくなると税金もかなり高額になります。初代モデルは2.5Lと3.5Lなので、5万1000円~5万8000円となります。
また新車登録から13年以上が経過した車に対しては、自動車税(種別割)が約15%増税となります。
ちなみに、この税金は4月1日時点の軽自動車の所有者に支払いが義務づけられており、各市町村から毎年納税通知書が届きます。 納付期限は5月末日。公共料金と同じように、銀行や郵便局などの金融機関、コンビニなどで支払うことができるので、忘れずに納付しましょう。
■自動車重量税
自動車重量税は、その名の通り車の重量に応じて課税される税金です。新車登録時に3年分の税金をまとめて支払うほか、2年ごとの車検時(新車登録後初めての車検時は3年後)にも2年分をまとめて払います。
現行型レクサスISの場合、車両重量は1.5t~2tクラスなので、新車登録時に4万9200円を、その後の車検時には毎回3万2800円がかかります。しかし、モデルによってはエコカー減税が適用され免税となるモデルもあります。
また先述したとおり、新車登録から13年、18年以上が経った車両は自動車重量税が増加します。
■環境性能割
廃止された自動車取得税に代わり、2019年10月1日より、「環境性能割」という新たな税金が課されるようになりました。 環境性能割は、車の燃費性能等に応じて、取得したときに課税される税金です。電気自動車や燃料電池車、プラグインハイブリッド車は非課税となります。また、中古車などで取得価格が50万円以下の場合は課税されません。
現行型レクサスIS300h Fスポーツ2WD車を購入する場合の環境性能割は、14万2500円となります。また、5L V8エンジンを搭載したIS500の場合は、20万8600円となっています。
■消費税
日本国内で車だけでなく、モノやサービスを購入すると課税されるのが消費税です。2023年2月現在の税率は10%で、車の場合車両本体価格に消費税が含まれて提示されています。また、車の購入にあたって福祉車両はオプションや付属品の一部を除き非課税の対象となります。
2:車検代
車検は、新車登録から3年後、それ以降は2年に1度受ける義務がある定期点検です。これを受けないと公道を走ることはできず、また法律で厳しく罰せられます。
車検を受ける際は、主に法定費用と車検基本料が車検代として必要となります。
■法定費用
法定費用は、先述した自動車重量税に加えて自賠責保険料、印紙代(検査手数料)を合わせた費用です。これらは国や自治体に納めるもので、どの業者で車検を受けても同じ費用がかかります。
自賠責保険は、車を所有し運転する全ての人に加入が義務付けられている保険で、かかる費用はどの保険会社で契約しても同じです。
印紙代は基本的に1,100円が必要となります。ただし、認定工場で車検を受けた場合は証紙代も必要となるため、その分100~700円が上乗せとなる場合があります。
■車検基本料
車検基本料は、点検費用、整備費用、代行手数料など合わせた費用です。これは車検業者に対して支払うもので、業者ごとに価格設定が異なるため、維持費を安く抑えたいなら見積もりをとって比較した上で業者を選ぶのがおすすめです。
傾向としてディーラーはやや高めで、ガソリンスタンドや車検専門店、カー用品店などであれば比較的安く車検を受けられる場合が多いようです。
3:ガソリン代
最近はガソリン価格がかなり高騰しているので、ガソリン代はできるだけ安く抑えたい維持費の一つです。そこで注目したいのは燃費性能。現行型レクサスISは搭載しているエンジンによって燃費性能が大きく変わっています。
最新のWLTCモード燃費を見てみると、IS300は12.2km/L、ハイブリッド車のIS300hは16.2~18.0km/L。IS350は10.7km/L、IS500は9.0km/Lとハイブリッド車を除くと、かなり厳しい数値となっています。
操る楽しさを味わえるレクサスISですが、ダイナミックな走りを味わえる大排気量エンジンを撰ぶと燃料代の出費も大きくなります。その一方で2.5Lのハイブリッドシステムを搭載したIS300hは優れた燃費性能となっています。
4:自動車保険料
自動車保険には、全運転者に加入が義務づけられている「自賠責保険」と、任意で好みの補償を選び加入する「任意保険」の2種類があります。
■自賠責保険
車検の項目でも先述した通り、自賠責保険は車を運転する全ての人に加入が義務付けられている保険です。1か月単位で契約期間を選ぶことができ、かかる保険料もそれに伴って変わりますが、車検時に更新手続きを行うため新車購入時には37か月契約を選択する方がほとんどです。
軽自動車にかかる自賠責保険料は、37か月契約の場合2万7770円となります。
■任意保険
自賠責保険で補償されるのは対人補償のみで、相手や自分の車、建物などに対しては保険金が1円も支払われません。また、補償される金額も最高で4,000万円までで、事故の内容によっては賠償金額がそれ以上かかる場合もあり、自賠責保険だけでは十分な補償とは決して言えません。
そこで、各保険会社が任意で加入できる様々な保険(任意保険)を用意しています。
任意保険にかかる費用は、補償内容や運転者の条件・年齢・人数、車種などによって変動します。そのため、同じ保険であっても運転する人や家族構成によって保険料は大きく異なる場合があります。
できるだけかかる費用を抑えたいなら、各保険商品の内容や保険料を比較した上で気に入ったものを選ぶようにしましょう。
5:メンテナンス代
車に長く乗るためには、定期的なメンテナンスが必要です。車が好きな方であれば自分でできるメンテナンスもありますが、女性の場合はなかなか自分で行うのは難しい…という場合が多いでしょう。そのため、基本的には専門店に頼むのが安心ですしおすすめです。
定期的に行う必要があるのは、エンジンオイル交換、タイヤ交換、バッテリー交換など。身近なところではガソリンスタンドでも頼むことができますが、店ごとに価格設定は大きく異なるため、必ず複数のお店を比較して検討しましょう。
もちろん、自分で部品を調達して交換すればより安くすませることができます。車の取扱説明書に手順が記されていますので、家族と一緒にチャレンジしてみるのも良いですね。自身の知識や力量に応じて、お店とセルフメンテナンスを使い分けてみてください。
また、車検の際にも合わせて不具合のある箇所を点検してもらえるので、合わせて修理を依頼することも可能です。
6:駐車場代
持ち家の場合はあまり必要ありませんが、賃貸物件に住んでいる方や駐車場がない都市部などでは、駐車場代もかかってきます。
価格設定はお住まいの地域ごとに大きく異なるため、周辺の駐車場の料金を確認した上で維持費の計算をしてみましょう。
レクサスISにかかる税金に軽減措置はある?
2023年2月現在、車に関する税金に対してはいくつかの軽減措置が用意されています。
ここからは、レクサスISで適用されている減税措置の対象となるグレードはどれかを詳しく紹介していきます。
■グリーン化特例について
グリーン化特例とは、環境負荷の少ない自動車の開発や普及を進めるために、燃費性能および排出ガス量が優良な自動車に対して自動車税(種別割)・軽自動車税(種別割)の税率を軽減する仕組みです。
■環境性能割について
環境性能割は、新車・中古車に関係なく車を購入した際にかかり、車の燃費性能に応じた税率が課せられる税金です。かつての自動車取得税に代わって新たに導入されました。
令和元年10月1日~令和3年12月31日までの間に取得した自家用乗用車については、自動車税環境性能割の税率をそれぞれ1%軽減する措置が取られています。
■エコカー減税について
エコカー減税は、排出ガス性能や燃費性能に優れた自動車に対して、それらの性能に応じて自動車重量税を免税・軽減する仕組みです。
現行型レクサスISのハイブリッド車は軽減措置に対応していて、自動車税(種別割)が軽減されます。
中古車のレクサスISを選ぶならハイブリッド車、IS300hの2WD車がおすすめ
ここまでレクサスISにかかる維持費について、項目ごとに紹介してきました。
税金やほとんどの項目でかかる金額は、新車・中古車どちらを購入しても、またどのグレードを選んでもほぼ同じとなっています。
できるだけ日々かかる費用を抑えたいのであれば、やはり一番注目すべきなのは燃費でしょう。ガソリン価格が高騰している今、できるだけ燃料にかかる費用を抑えるなら、燃費性能がより良いハイブリッド車のレクサスIS300hの2WDモデルを選択するのがおすすめです。
現行型でも登場から約10年が経過していて、さらに年式の進んだ初代レクサスISの中古車は車両本体価格が安くなっている一方で、税金などは増額となるため、あまりオススメできません。