狭い場所でも乗りやすい5ナンバーサイズのおすすめミニバン8選

ここ数年、日本の自動車業界はSUVブームですが、新車販売台数では2022年のトップ10に4台、直近の2023年3-4月には5台のミニバンがランクインするなど、ミニバン人気が衰える気配はありません。
多人数乗車もできる広い室内に、視界の良い運転席、さまざまな使い方のできるシートアレンジなどがミニバンの魅力ですが、なかでも乗りやすい5ナンバーサイズのおすすめミニバンを8台紹介します。
- Chapter
- そもそもなんでミニバンって呼ばれている?
- ミニバンはクラスで分かれている
- ミニバンの魅力とは
- 5ナンバーサイズはメリットがたくさん
- デメリットは燃費の悪さ
- 5ナンバーの3列シートミニバン8選
- 運転の自身のない方にもおすすめしたい5ナンバーミニバン
そもそもなんでミニバンって呼ばれている?

ミニバンは、もともとアメリカから来たジャンルで、シェビーバンやフォード エコノラインといったフルサイズのワンボックスカーよりも小さい、シボレー アストロなどを差す言葉でした。
ですからミニバンと言っても本場アメリカでは、トヨタ アルファードや日産 エルグランドクラスが当てはまるのみで、それ以下のサイズは呼び名がありません。
いっぽう日本では独自の開発が進んだ結果、現在のような3列シート車全般がミニバンと呼ばれるようになりました。
ミニバンはクラスで分かれている
ミニバンには5つのクラスが存在します。
下から、SS/S/M/L/LLの5つで、もっとも小さいSSクラスは全長4.2m以下、もっとも大きなLLクラスは全長4.9m以上、全幅1.8m以上です。
ミニバンよりも小さいクラスという意味で、2列シートのトールワゴンはプチバンと呼ばれることがあります。
ミニバンの魅力とは

ミニバンの魅力は、なんといっても室内の広さです。
3列シートを配置できる室内長はもちろん、お子さんやお年寄りでも乗り降りが容易な低床フロアに、小さなお子さんなら立ったまま移動することができる室内高、多彩なシートアレンジなど、さまざま利点が隠されています。
またスライドドアを持つ車種では、駐車場でとなりの車との距離を気にせず止めることができるのも、子育て世代には魅力となっています。
5ナンバーサイズはメリットがたくさん

5ナンバーの条件は、ボディサイズが全長4,700mm以下、全幅1,700mm以下、全高2,000mm以下、エンジン排気量排気量2,000cc以下です。
以前の税制では、たとえ排気量が2,000cc以下であっても3ナンバーサイズのボディであれば高い自動車税を収めていましたが、1989年の改正で排気量による区分にかわり、3ナンバーサイズでもエンジン排気量が2,000cc以下であれば税額は5ナンバー車と同じなりました。
ボディサイズ(ナンバー区分)で税額が変わらないのなら、室内が広い大きなボディのほうがお得に感じますよね。
ところが日本国内に限っては、5ナンバー車を前提に設計された駐車場や、都市部の路地や田舎の狭い道なと、いちがいに大きなボディが良いかといえば、そうでもないことも多いのです。
むしろ5ナンバーサイズのほうが取り回しが良くて乗りやすく、ショッピングセンターなどの駐車場でも扱いやすいという利点からファミリー層を中心に選ばれやすくなっています。
さらにエンジン排気量もほとんどが2,000cc以下なので、自動車税を抑えることができるなどのメリットもあるのです。
デメリットは燃費の悪さ
大きな空間を持つミニバンは、どうしても車重が重くなります。さらに乗車できる人数も多いため、燃費には悪い影響しかありません。
しかし近年では、ハイブリッド車を中心に燃費を改善したミニバンが増えています。
またハイブリッド車のなかには、高い環境性能ゆえに自動車税や自動車重量税の減税対象になっているものがありますから、維持費を気にされる方はそういった車種を探すと良いかもしれません。
5ナンバーの3列シートミニバン8選
トヨタ ノア(80系)

2022年にモデルチェンジを受けて4代目に進化したトヨタ ノアは、全車3ナンバーボディになりました。
5ナンバーのノアを探すのであれば、3代目(80系)がおすすめです。2014年から2021年まで生産されたので、中古車といってもまだまだ高年式の程度の良い個体を探すことができます。
室内は、2列目にベンチシートを備えた8人乗りと、キャプテンシートの7人乗り。
パワートレーンは、2.0Lガソリンエンジンと1.8Lガソリン+電気モーターのハイブリッドが用意されていますので、維持費を気にされる方にはハイブリッドをおすすめします。
なお3代目ノアの5ナンバーサイズは、ノーマルグレードのみで、人気のW×B(ダブルバイビー)を始めとしたエアロパーツを装着したSグレードは、わずかに全幅が広がり3ナンバーサイズになっています。
トヨタ エスクァイア

トヨタの3代目(80系)ノア/ヴォクシーと共通のプラットフォームを使いながら、「上質感」と「上級感」、そして「高級感」を持たせることを目的に開発された高級ミニバンが、エスクァイアです。
大きなグリルとスモーク加飾が施されたヘッドランプ、メッキのドアハンドルやリアガーニッシュといったエクステリアと、合成皮革を多用したインテリアで、ワンランク上の質感を実現しています。
パワートレーンもノア/ヴォクシーと同じ、2.0Lガソリンエンジンと1.8Lハイブリッドの2種類。
2022年まで販売された後、新型が発売されることなく1世代で姿を消しました。
トヨタ ヴォクシー(80系)

ライトエース ノアの後継車として2001年に登場したトヨタ ヴォクシー。タウンエース ノアの後継車として登場したノアとは、兄弟車にあたります。
コンサバなデザインのノアに対して、ヴォクシーはアグレッシブなイメージで人気です。
ノアと同様、2022年にモデルチェンジを受けて、ボディは全車3ナンバーサイズとなっていますので、5ナンバーが選べるのは3代目(80系)まで。グレードはXもしくはVのみで、エアロパーツをまとったZSは3ナンバーサイズになります。
室内の広さはグレードが変わっても同様で、7人乗りと8人乗りが用意されていました。
パワートレーンは、2.0Lガソリンエンジンと1.8Lガソリン+電気モーターによるハイブリッドの2種類から選べます。
ホンダ フリード(2代目:GB5/6/7/8)

2008年に発売され「ちょうどいいHonda」のフレーズで人気となったホンダのミニバンが、フリードです。
2016年にデビューした2代目(GB5/6/7/8)は、全長4,265mm×全幅1,695mm×全高1,710mmという乗りやすいボディサイズながら、初代フリードに対し全長を約50mm延長するとともに、室内も拡大して居住性をアップさせました。
室内は、6人乗りと7人乗りがあり、6人乗りは2列目にキャプテンシートを備えた仕様となっています。
パワートレインは、1.5Lのガソリンエンジンと1.5L+モーターのハイブリッドの2種類で、自動車税がトヨタ ノア/ヴォクシーや日産 セレナなどより1クラス下の区分になることもポイントです。
ホンダ フリード(3代目:GT系)

2024年に3代目(GT系)へと進化したホンダ フリードは、タイプごとにシート配列と乗車定員が変わります。
基本は、2列目にキャプテンシートを備えた6人乗りで、上位機種となるAIR EXのFF車にのみ2列目をベンチシートとした7人乗りを用意。
いっぽうクロスオーバー風の装備を施したことで3ナンバー登録になったCROSSTAR(クロスター)は、2列シートの5人乗りだけの設定です。
パワートレインは、1.5Lガソリンエンジンと2つのモーターを1.5Lエンジンを合わせたハイブリッド(e:HEV)の2つ。ガソリン、e:HEVともに4WD車も選べます。
トヨタ シエンタ(10系)

2022年のモデルチェンジによって3代目(10系)に進化したトヨタ シエンタ。1.5Lクラスの乗りやすいミニバンとしてホンダ フリードとしのぎを削るライバルです。
トレッキングシューズをイメージしたという2代目とは打って変わって、3代目では小型犬のような親しみやすさを全面に出したエクステリアデザインを採用しました。
室内は従来型比+80mmの最大1,000mmのカップルディスタンスとして、2列目の居住性を向上するとともに、天井サーキュレーターを設定して快適性もアップしています。
1.5Lガソリンエンジンと1.5Lハイブリッドのパワートレーンのラインナップは先代と同様ですが、いずれも内容が刷新され、燃費性能もアップしています。
ホンダ ステップワゴン(5代目)

ホンダのミドルクラスミニバン、ステップワゴン(RP1/2/3/4/5型)は、2022年まで販売された先代の5代目が全幅1,700mm以下に収まっています。
特徴は、リアゲートに横開き式のドアを組み合わせた「わくわくゲート」と、サードシートに採用された左右分割して床下に収納できる「マジックシート」。
これにより、狭いスペースでもラゲッジの荷物を出し入れできるほか、わくわくゲートからサードシートへの乗車も可能としています。
2017年にフェイスリフトを行い、それ以前と以降では見た目の印象が大きく異なることは、中古車選びの際のポインになります。
安全運転支援システムのHonda SENSING(ホンダセンシング)は、2016年以降スパーダとG系グレードに標準装備しました。
6代目のRP6型は2022年のデビューで、モデルチェンジにともない全幅は1,700mmオーバーの3ナンバー登録となりました。
日産 セレナ(C28型)

日産 セレナは、ライバルのトヨタ ノア/ヴォクシーと同じ2022年に新型(C28型)を発表しました。
ノア/ヴォクシーが、5ナンバーにこだわることなくボディサイズを拡大したのに対し、セレナは5ナンバーサイズを堅持していることがポイント。
それでいながら存在感のある近未来的なフロントデザインは、新型セレナのセルースポイントのひとつとなっています。
パワートレインは、2.0Lガソリンエンジンと1.4Lエンジンを採用して第2世代へと進化したe-POWERの2種類で、先代にあったS-ハイブリッドは廃止されました。
運転の自身のない方にもおすすめしたい5ナンバーミニバン

使い勝手のいいミニバンのなかでも、5ナンバーサイズであれば、運転に不安を覚える女性でも比較的ランクに運転できること請け合い。
狭い場所でも取り回しやすく、さらにシートアレンジによってさまざまな使い方ができる5ナンバーサイズのミニバンは、子育て世代にベストな選択となること間違いなし。おすすめです。