エネルギッシュだけど軽やかに使える!? 日常の相棒に最適な新型「スイフト」解説
169の世界と地域で販売されているスズキのコンパクトカー『スイフト』が、2023年末にフルモデルチェンジ。まずCVTが登場し、2024年1月にはMTモデルも追加されました。
累計900万台以上を販売しているスズキの世界戦略車でもあるスイフトが、今回のフルモデルチェンジでどれだけ魅力を増してきたのかチェックします。
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- リッター20kmを超える燃費でエコカー減税も受けられる
- 日本の道路事情に合わせ全幅が20mm狭くなった
- 電動パーキングブレーキ装備で機能が高まった「HYBRID MZ」
- 万人におすすめできる優れたトータル性能
リッター20kmを超える燃費でエコカー減税も受けられる
歴代では5代目にあたる新型スイフト。グレード構成は、マイルドハイブリッド搭載の「HYBRID MZ」と「HYBRID MX」、ガソリンエンジンの「XG」という3つを用意。
駆動方式はそれぞれFFと4WDを選ぶことが可能。トランスミッションは、CVTを基本に「HYBRID MX」のみFFの5速MTが設定されています。
新開発のZ12E型1.2L 直列3気筒12バルブエンジンは、吸気VVTや電動ウォーターポンプ、補機ベルトの張力を低減させる振り子式テンショナーなどの採用により、従来型よりも燃費を改善しつつ、最高出力60kW(82ps)/5,700rpm、最大トルク108Nm/4,500rpmを発生します。
マイルドハイブリッドは、先代スイフトと同じくモーター機能付きのリチウムイオンバッテリーを組み合わせたタイプですが、減速時のバッテリーへの蓄電率が先代よりも向上。
燃費は、ハイブリッドのCVTが24.5km/L(FF)と22.7km/L(4WD)、MT車が25.4km/L。ガソリン車は、23.4km/L(FF)と22.0km/L(4WD)と、大幅に改善されました。
それによりエコカー減税は、もっとも燃費の良いハイブリッドのMT車が自動車重量税100%減税、それ以外はガソリン車の4WDモデルを除き50%減税になっているので、購入時に頭に入れておくと支払う金額の違いが見えてきます。
日本の道路事情に合わせ全幅が20mm狭くなった
フローティングルーフが特徴的なエクステリアは、ボディ全体のラウンドした動きを表現したスタイリングと、外側へ張り出したフェンダーの組み合わせにより、走りを想起させます。
また一見するとワイドで重心の低いデザインによって大きく見えますが、実際のボディサイズは日本の5ナンバー枠に収まる全長3,860mm×全幅1,695mm(輸出仕様は1,715mm)×全高1,500mmで、ちょっと古い商業施設の駐車場や細い道などでも取り回しがいい大きさになっています。
ピアノブラック調のフロントグリルは、ハイブリッド車のみメッキ加飾パーツが追加されるほか、ホイールはハイブリッドが16インチアルミ、ガソリン車はフルホイールキャップ付き15インチスチールとなります。
ハイブリッドのアルミホイールは、グレードにより「HYBRID MZ」が切削加工のポリッシュアルミとブラック塗装の組み合わせ、「HYBRID MX」がシルバー塗装という違いがあります。
ボディカラーは、新色の「クールイエローメタリック」と、3層コートの塗装構成により艶がより深くなった「フロンティアブルーパールメタリック」を含むモノトーン9色に、ツートンカラーの4色をくわえた合計13色から選べます。
電動パーキングブレーキ装備で機能が高まった「HYBRID MZ」
インテリアは、インパネとドアトリムを繋げたデザインで、ドライバーとクルマの一体感を表現。
フロントドアトリムクロスやインパネの一部には角度や光の加減により立体感が変化する3Dテクスチャーを採用し、質感を引き上げています。
フロントシートはサイドサポートを見直すことでホールド性が高まっていると同時に、ヘッドレストも少し大きくなり疲れにくくなっています。フロントのシートヒーターは全車標準装備です。
さらに最上位グレードの「HIBRID MZ」には、スマートフォンとの連携をはじめ、車両情報やスズキコネクトにも対応する9インチディスプレイオーディオ(XGはオプション、HYBRID MXはオーディオレス)と、電動パーキングブレーキ(EPB)を標準装備。
パーキングブレーキのかけ忘れ防止や渋滞時や信号停止時のブレーキホールドなどが使える電動パーキングブレーキは、非常に便利な機能であり今後は全グレードに装着してほしい装備のひとつです。
6:4分割のリアシートは4名乗車で長尺物の積載も可能。トランクは265L(5名乗車時)で、コンパクトモデルとして充分な容量です。
予防安全技術の「スズキセーフティサポート」は、全車に標準装備。核となる衝突回避支援ブレーキの「デュアルセンサーブレーキ」は、画角・検知エリアを拡大するとともに、検知対象に自転車や自動二輪車を追加、交差点での検知にも対応した「デュアルセンサーブレーキⅡ」にアップデートされました。
あわせて低速時ブレーキサポート(前進・後退)、車両前方の状況を認識し、ハイビームの照射範囲を制御するアダプティブハイビームシステムを採用しています。
自動的に加減速停止までサポートするACC(アダプティブクルーズコントロール)は、MT車以外に全車速追従機能を装備。停止保持機能は、電動パーキングブレーキの「HYBRID MZ」に装備されます。
万人におすすめできる優れたトータル性能
世界戦略車としてさまざまな先進機能搭載とともに、ドライバビリティの向上が図られた新型スイフト。
日常はもちろん休日のドライブにも使える高い快適性と、マイルドハイブリッドのCVTで192万2800円という魅力的な価格設定は、車を趣味とは思っていない人たちにこそ魅力を知ってほしい優れたコンパクトカーなのです。