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V12フェラーリが1000万円以下!? 絶滅寸前の大排気量12気筒エンジンを安く手に入れる裏ワザ

フェラーリ 612 スカリエッティ

いまやその希少性からときには新車価格の数倍というプレミア価格で取り引きされているフェラーリ。
とくにフェラーリのアイデンティティともいえる12気筒エンジン搭載車は、生産年にかかわらず中古であっても新車価格と同等もしくはそれ以上の高値で販売されています。

そんな夢とロマンの詰まった12気筒エンジンフェラーリのなかで、大穴的存在となっている4シーターモデル、456と612スカリエッティについて解説します。

Chapter
12気筒エンジン抜きには語れないフェラーリヒストリー
ピニンファリーナデザインの4座フェラーリはMTがおすすめ
456よりもタマ数は増えるも612スカリエッティも希少な存在に
流麗という表現がピッタリの2台の4座フェラーリを手に入れる!?

12気筒エンジン抜きには語れないフェラーリヒストリー

フェラーリ 125S/LaFerrari

“御大”と表現されることも多いフェラーリの創業者、エンツォ・フェラーリは、レース資金を稼ぐためにロードカー(市販車)を売ってきました。

そのエンツォが送り出してきたロードカーは12気筒エンジンを搭載し「12気筒でなければフェラーリではない」と放った逸話も残っているなど、最初の125Sから現在まで連綿と受け継がれてきた12気筒エンジンは、フェラーリのアイデンティティなのです。

しかしEVを中心とした電動化が進むなか、フェラーリといえども流れに抗うことはできず、いまやV6エンジンにF1譲りのハイブリッドシステムを搭載したモデルをラインナップに加えています。

そのいっぽうで最後のV型12気筒エンジン搭載モデルといわれる「12チリンドリ・ベルリネッタ」を発表。

ベルリネッタが5674万円〜、スパイダーは6241万円〜と最高峰モデルにふさわしい価格設定は、電動化の流れのなかにあっても、フェラーリにとって12気筒モデルが特別な存在である証といえるでしょう。

エンツォ フェラーリ

12気筒エンジン搭載のフェラーリに憧れる大半の人にとってより現実的なのは、過去のモデルを中古で手に入れるこですが、市場に出回る12気筒フェラーリは、軒並み数千万円のプライスタグが付いています。

そんななか、お手ごろ(?)な価格の12気筒フェラーリがあることをご存知でしょうか?

以下では、狙い目の4シーターフェラーリ456GT」と「612スカリエッティ」を解説します。

ピニンファリーナデザインの4座フェラーリはMTがおすすめ

フェラーリ 456

フェラーリ 456GTには、6MTのGT、4ATのGTAがあり、1992年にデビューを飾りました。

カロッツェリア・ピニンファリーナによる4座とは思えない流麗なフォルム、リトラクタブルヘッドライトやロングノーズが目を惹きます。

パワートレインは、最高出力325kW(442PS)の5,474cc V型12気筒エンジンをフロントミッドに搭載し、ギヤボックスとディファレンシャルをリアに配置したトランスアクスル方式。

2+2の室内は、伝統のコノリーレザーで設えた豪華なもので、スケドーニ製のラゲッジが標準装備されていました。

購入後まともに走らせるには、それなりの出費が必要で、中古車が400万円台で流通していたこともありました。

なかでも1996年に加わったトルコン式ATは、発売時にトラブルを抱えており、456全体のイメージダウンにつながってしまいます。

1998年にマイナーチェンジを受け、車名が456Mに変更。以降、ATのトラブルはかなり払拭されました。

なお、エンジン自体やMTは比較的信頼性が高いものの、この世代ですのでタイミングベルトなど状態の見極めはかなり重要になります。

456よりもタマ数は増えるも612スカリエッティも希少な存在に

456Mからバトンを受け継いだ4座の12気筒フェラーリが、612スカリエッティです。2004年にデビューしました。

5,748ccのV型12気筒エンジンをフロントミッドに搭載。最高出力は397kW(540PS)で、こちらもトランスアクスル方式を採用しています。

456の車名は総排気量を気筒数で割った数字でしたが、612スカリエッティは排気量(6.0L)+気筒数(12気筒)と、フェラーリの名車を多く手掛けてきたカロッツェリアの創業者セルジオ・スカリエッティの名前に由来します。

スチール製パイプフレームだった456に対し、612はオールアルミ製スペースフレームになり、剛性向上や軽量化を盛り込んで大きく進化しています。

トランスミッションは、6MTとセミAT「F1マチック」を用意。ただし、F1マチックもトラブルとは無縁ではありませんでした。

シャーシは、電子制御式アクティブダンパー付ダブルウィッシュボーン式サスペンションが採用され、456からの乗り心地の改善も盛り込まれています。

エクステリアデザインは、ピニンファリーナのチーフデザイナーだったフランク・ステファンソンがまとめています。

後席は、456GTよりも広くなり、イザという時の4人での乗車もより現実的になっています。

流麗という表現がピッタリの2台の4座フェラーリを手に入れる!?

フェラーリ 612 スカリエッティ

主流のベルリネッタとは異なり、流麗なデザインをまとった4座の12気筒フェラーリ。

456GTも612スカリエッティも、中古車市場では12気筒フェラーリとしては破格の1000万円前後という値付けになっています。

ただし、いずれも中古車の物件数は当然ながら減少していて、探すのにそれなりの根気と、購入後のメンテナンス費用が必要になりそうです。

塚田 勝弘|つかだ かつひろ

自動車雑誌、モノ系雑誌の新車担当編集者を約10年務めた後に独立し、フリーランスライターとしても10年が経過。
自動車雑誌、ライフスタイル雑誌、Web媒体などで新車試乗記事やカーナビ、カーエレクトロニクスなどの展開している。

塚田 勝弘|つかだ かつひろ

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