車中泊を快適に過ごすポイントと、おすすめなクルマ10選
春や秋はアウトドアレジャーに最適な季節。今年は車中泊でアウトドアを楽しんでみたいと考えている方も多いのではないでしょうか?
そんな車中泊で注意しなければならないポイントは、”大人が横になれる室内空間の広さ””できるだけフラットに近いこと””純正、社外品とわず車中泊アイテムが入手しやすいこと”などがあげられます。
ここではそんな車中泊ユーザーにおすすめなクルマ(SUV+ミニバン)10選と、車中泊をするクルマを選ぶときの注意点を紹介します。
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- 車中泊のポイント3つ
- 車中泊におすすめ1:トヨタ ハイエース
- 車中泊におすすめ2:ホンダ N-VAN
- 車中泊におすすめ3:スズキ ジムニー
- 車中泊におすすめ4:トヨタ RAV4
- 車中泊におすすめ5:スバル フォレスター
- 車中泊におすすめ6:トヨタ ランドクルーザープラド(150)
- 車中泊におすすめ7:トヨタ ヤリスクロス
- 車中泊におすすめ8:トヨタ カローラクロス
- 車中泊におすすめ9:三菱 アウトランダー PHEV
- 車中泊におすすめ10:三菱 デリカD:5
車中泊のポイント3つ
横になれるスペースは十分にある?
まず注意するのは、横になって休むスペースの広さです。ワンボックスならリアシートを畳んだカーゴスペース、SUVならリアシートを格納したラゲッジの広さを確認します。
奥行きは大人の平均身長よりも長い175cm以上あると、クルマの進行方向に対して平行に寝ることができます。
そのときにスペースが完全にフラットになるのか、それとも段差や凸凹があるのかどうか、といった点も確かめましょう。
たとえスペースがフラットにならなくても、人気の高い車種ならアフターパーツメーカーからフラットにするためのパーツやアイテムが販売されていますので、それらを使えば横になって寝るという問題は解消されます。
また寝るだけでなく車内で食事を取ったり、飲み物を飲んだりという場合は、フロアから天井までの高さも重要です。
あまり低すぎると、背中をまるめた状態で食事を取ったり、飲み物を飲んだりしなければなりません。
とはいえ、基本的に寝るだけ、あとはアウトドアのテントやタープの下で、というのであればそれほど気になるものではありません。
このへんはアウトドアでの楽しみ方で変わってきます。
季節ごとの気温対策
季節ごとの対策も重要です。ひと晩中、エンジンを掛けてエアコンを動かしていると、燃料が消費されるばかりか、最悪の場合は一酸化炭素中毒にもなります。
夏は窓を開けて換気を行うか、モバイルバッテリーなどで駆動する扇風機やポータブルクーラーを使うと良いでしょう。
また窓を開ける場合は、虫よけのシェードなどを窓に取り付けることをおすすめします。
いっぽう冬は、車内にいる際、寒さで体を冷やさないように厚手の寝袋やカイロなどのアイテムを用意して、寒さに備えるようにしましょう。
プライバシーを確保する
もうひとつ重要なものが、プライバシーの確保です。
ひとつの場所で長時間、車内に待機する車中泊は、他者の視線を浴びやすく、どうしても車内の様子が見えてしまいます。
対策としては、汎用品のカーテンやサンシェード、車検に通る範囲でスモークフィルムをウインドウに貼付するといった方法があります。
車内での着替えや睡眠をより快適に行うため、プライバシーの確保はしっかり行いましょう。
車中泊におすすめ1:トヨタ ハイエース
仕事から趣味まで幅広く活躍するワンボックスといえば、トヨタ ハイエースです。
標準サイズのボディでも、通常時(リアシート使用)で奥行き1,855mm×荷室幅1,520mm、リアシートを折り畳めば奥行き2,470mm×荷室幅1,520mm、という余裕のスペースが確保されています。
また多少凸凹はするものの、フルリクライニングが可能な前席と、同時にリアシートをリクライニングすれば、オールフラットモードとしてシートのうえでくつろぐことも可能です。
車中泊を快適にするアイテムをはじめ、ハイエースの使い勝手を高めるアフターパーツもさまざまなメーカーから豊富に用意されています。
車中泊におすすめ2:ホンダ N-VAN
ホンダ N-BOXのプラットフォームを使って2018年に誕生した軽バンがN-VANです。
センタータンクレイアウトによる低床化と、リアシートと助手席にダイブダウン機構を採用することで、軽自動車ながら大人の男性が横になっても余裕の2,635mmという奥行きのフラットな空間を持っています。
エンジンは、660ccの自然吸気とターボの2種類で、WLTCモード燃費は自然吸気が19.2km/L(CVT)、ターボでも18.8km/Lという低燃費。4WDモデルも用意され、頼もしい旅の相棒になってくれます。
さらにホンダの安全運転支援システムの「Honda SENSING」を標準装備するなど、安全性能もぬかりありません。
車中泊におすすめ3:スズキ ジムニー
2018年のデビュー以来、大人気の本格軽クロカンといえばスズキ ジムニーです。
ラダーブレームにリジッドアクスルの足まわり、見切りの良いスクエアデザインのボディなど、クロカン性能にこだわったジムニーは、おせじにも室内が広いとは言えません。
とはいえ、前席をリクライニングすることで、大人でもくつろげる空間が現れます。またシートの凸凹もありフルフラットにはならないものの、アフターパーツが豊富にあるので気になる方は、探してみると良いでしょう。
車中泊におすすめ4:トヨタ RAV4
2018年12月に販売が開始された5代目トヨタ RAV4は、現行ハリアーと同じGA-Kプラットフォームを基本骨格とするミドルサイズのクロスオーバーSUVです。
流麗で都会的なハリアーに対し、RAV4はエッジの効いた力強いエクステリアが特長で、室内空間もハリアーより広く、リアシートの背もたれを倒した場合、荷室の奥行きは1,880mmとなり余裕で車中泊が可能です。
ただし若干の傾斜があるので、アフターパーツなどを使った対策が必要かもしれません。
パワートレーンは、2.0Lガソリンエンジンに2.5L ハイブリッド、2020年に追加されたPHV(プラグインハイブリッド)の3つで、そのうちハイブリッドとPHVはラゲッジルームにAC100V-1500Wのアクセサリーコンセントを用意(PHVは標準装備)。
災害時にも使えるアクセサリーコンセントは、アウトドアシーンでも重宝します。
車中泊におすすめ5:スバル フォレスター
スバル フォレスターは1997年に登場したミドルクラスSUVで、現行モデルは5代目にあたります。
水平対向エンジンとフルタイム4WDよるシンメトリカルAWDは、4輪にバランスよく荷重がかかることから、雪道や泥道といった悪路からウェット路面、高速道路まで、あらゆるシーンで優れた安定性を発揮します。
くわえて5代目に搭載される「X-MODE」は、エンジン/モーター・トランスミッション・AWD・VDCを統合制御して、深い雪道やダート路面からの脱出を容易にするなど、冒険の相棒としても優れた性能を持っています。
気になる車中泊スペースは、後部座席を倒した状態で荷室長1,585mmとなっていますが、これはリアゲートから倒されたリアシートの背もたれ先端までの長さ。
フロントシートバックまではまだ20-30cmのすき間がありますから、このすき間をカラーボックスや荷物で埋めることで1,800mm前後の奥行きになります。
またラゲッジスペースには荷物の固定に必要なカーゴフックやウェアをかけておくのに便利なリヤゲートフックなど、アウトドアを快適にするための装備も充実しています。
車中泊におすすめ6:トヨタ ランドクルーザープラド(150)
トヨタ ランドクルーザープラド(150)は、ランドクルーザー譲りの本格的クロカン性能と、都会の道路事情でも使いやすいボディサイズで、さまざまなユーザーから支持されている人気のSUVです。
同じボディに5人乗りと7人乗り仕様があり、セカンドシートの形状や格納方法がことなります。そのうちの7人乗り仕様は、サードシートを床下へ、セカンドシートはシートバックを前倒しする格納方法で、セカンドシートまで格納したときの荷室寸法は、奥行き1,830mm〜2,070mm、荷室幅1,095mm〜1,395mm、荷室高750mm〜860mmというおおきな空間が表れます。
ちなみに5人乗り仕様のセカンドシートはダブルフォールディング方式で、そのときの荷室の宏さは奥行き1,680mm、荷室幅1,095mm〜1,450mm、荷室高395mm〜1,040mmと、奥行きで7人乗り仕様に劣りますが、高さは5人乗りが上。
車内で寝るだけか、ちょっとしたことをしたいかで、このあたりは影響しそう。また荷室は若干の段差があるので、それを埋める対策が必要です。
車中泊におすすめ7:トヨタ ヤリスクロス
2020年に登場したトヨタ ヤリスクロスは、広い室内とシンプルで使いやすいインテリア、経済的なエンジンなど好調な販売を続けている人気SUVです。
全長4,180mm×全幅1,765mm×全高1,590mmというコンパクトSUVに属するボディサイズながら、セカンドシートを格納した際のスペースは奥行き最大1,740mm、荷室幅最大1,400mm、高さはアジャスタブルデッキボードを上段にセットした状態で732mmと、車中泊にも十分な広さを備えています。
ただし最大の奥行きを取るためには、フロントシートを前方に目一杯スライドさせなければならず、セカンドシートとフロントシートバックのあいだに隙間が生まれます。車中泊などでは隙間をスツールやクッションなどで埋める必要があります。
車中泊におすすめ8:トヨタ カローラクロス
2021年9月の発売以降、人気となっているトヨタ カローラクロス。
全長4,490mm×全幅1,825mm×全高1,620mmというボディサイズで、ライズやヤリスクロスでは小さいけれど、RAV4やハリアーといったミドルクラスではちょっと大きすぎるというユーザーを中心に支持されています。
いわばRAV4とC-HRのあいだを埋めるちょうどいいサイズで、荷室容量は5名乗車時で487L、2名乗車時で991Lを確保。
気になる荷室は、奥行き(最大)1,885mm、荷室幅947〜1,369mm、荷室高907〜957mm(※ガソリン2WD車)となっています。
セカンドシートと荷室との床面に生まれる約10センチの段差を埋めてフラットにするには、オプションのラゲージアクティブボックスの購入が必須です。
車中泊におすすめ9:三菱 アウトランダー PHEV
三菱を代表するミドルクラスSUVが、アウトランダーです。新世代のフロントデザインコンセプト“DINAMIC SHILED”を採用し、ボディも若干大きくなった3代目は2021年に12月にPHEVモデルとして発売されました。
全長4,710mm×全幅1,860mm×全高1,740-1,745mmというボディに、PHEVユニットを搭載。バッテリーやモーター出力の向上とバッテリー容量の拡大によって、航続距離や燃費性能が改善されました。
荷室サイズも3代目で大きくなっており、奥行き(最大)2,040mm、荷室幅1,070〜1,300mmという大人の男性でも十分な広さとなりました。
また荷室には、バッテリー電力が取り出せる最大出力1500Wの100V AC電源が装備されているので、車中泊以外のアウトドアレジャー、災害時ににも活躍が期待できます。
車中泊におすすめ10:三菱 デリカD:5
本格的な悪路走破性をあわせ持つ唯一無二のミニバンが、三菱 デリカD:5です。
2007年のデビュー以来、改良を重ねながら進化してきたデリカD:5は、2021年にビックマイナーチェンジを敢行し、後期型がデビューしました。
後期型デリカD:5は、エンジンをクリーンディーゼルのみとしたほか、エクステリアデザインを中心に大幅に進化しています。
室内は、2列めにキャプテンシートを備えた7人乗りと、ベンチシートの8人乗りがありますが、車中泊をするならベンチシートの8人乗りがおすすめです。
セカンドシートとサードシートを倒したフラットモードでは、前後の長さが約2,000mmとなり大人2人が余裕で車中泊を楽しめます。
車中泊のカギは、いかに快適に過ごせるか。外部からの視線や光を遮るシェードやカーテンは必須。
就寝スペースを快適にするマットやクッションは、パーツメーカーやアウトドア用品店などにありますので、ご自身に合うものを探してみましょう。