SUVは燃費が悪いなんて過去の話。燃費が良いSUV5選

SUV=燃費が悪いと思っているユーザーは少なくありません。
実際にひと世代前のSUVは、大きく重いボディがデフォルトで、燃費も良いものではありませんでした。
ところが都会派のSUVが人気になり、駆動方式もFFが主流になると燃費も改善され、リッターあたり20kmという低燃費のSUVが増えてきました。
そんななかから編集部おすすめの5台を紹介しましょう。
- Chapter
- SUV=燃費が悪いはひと昔前のハナシ
- 兄弟の多いコンパクトSUV。トヨタ ライズ
- 注目はクラス唯一のE-Fourモデル。トヨタ ヤリスクロス
- EV的な走行感覚。日産 キックス
- クーペフォルムながら広い室内がポイント。ホンダ ヴェセル
- F1技術をフィードバック。ルノー キャプチャー
SUV=燃費が悪いはひと昔前のハナシ
広い荷室や高い乗車位置、4.5m前後の全長など、日々の買い物から旅行にキャンプ、はたまた仕事のパートナーとしても使い勝手の良いSUVは、年々人気が高まっています。
しかし、大きく見えるボディやかつてのクロカン系4WD車のイメージもあって、SUV=燃費が悪いと想像して購入に二の足を踏んでいる方は少なくありません。
そこでここでは、リッターあたりの航続距離が20kmを超える低燃費SUVをピックアップしてみました。
兄弟の多いコンパクトSUV。トヨタ ライズ

トヨタ ライズは、ダイハツが開発したコンパクトSUV、ロッキーの兄弟車です。現在はスバルにも供給され、レックス名で販売されています。
そのなかのライズとロッキーは、それぞれフロントマスクのデザインが異なっているほか、ボディカラーもライズには「ターコイズブルーマイカメタリック」、ロッキーには「コパーノレッド」という専用色が用意されるなど、兄弟車ながらもメーカー独自の路線で完成されています。
パワートレーンは、ガソリンエンジンとハイブリッドの2本立てですが、スバル レックスにハイブリッドの用意はありません。
気になる燃費(WTLCモード)は、FFの1.2Lガソリンが20.7km/L、ハイブリッドは28.0km/L、4WDの1.0Lターボは17.4km/Lです。
オプションのスマートパノラマパーキングアシストは、ステアリングのスイッチを押してナビ画面を見ながら、ステアリングが自動で操作される機構で、アクセルとブレーキの操作だけで簡単に駐車することができます。
注目はクラス唯一のE-Fourモデル。トヨタ ヤリスクロス

トヨタ ヤリスクロスは、コンパクトクラスのSUVでは珍しく、ガソリンエンジンとハイブリッドともに2WDと4WDが用意されています。
排気量はいずれも1.5Lですが、特にモーターアシストのあるハイブリッドでは、数百ccのアドバンテージを感じることが可能です。
そのなかでも注目は、リアに電気モーターを積むE-Fourを採用するハイブリッドの4WDモデルで、WLTCモード燃費は26.0〜28.1km/Lと、前出のライズ/ロッキー(FF)よりも低燃費を達成しています。
また4WDモデルは、ガソリン車にマルチテレインセレクトと“SNOW”モード、ハイブリッド車に“TRAIL”&“SNOW”モードを用意して、4WDの性能を最大限に引き出します。
リアシートが、Bセグメントクラスでは珍しい4:2:4の分割可倒式としていることもポイント。4人乗車でも長尺物を積載できます。
さらにリアシートを完全に倒せば、1,102Lのフラットなラゲッジスペースが現れ、車中泊などでも活躍します。
その他の燃費は、FFのガソリン車が17.6〜20.2km/L、ハイブリッド車は25.0〜30.8km/L、4WDのガソリン車は17.4〜18.5km/Lとなっています。
EV的な走行感覚。日産 キックス

エンジンを発電のみに使い、電気モーターで駆動を行う「e-POWER」専用車の日産 キックス。
モーターでクルマを走らせるe-POWERは、EV的な走りを味わうことができます。
デビュー直後はFF車のみのラインナップでしたが、2022年からリアにも電気モーターを搭載した4WD車を追加。
トルク配分を細かく制御できるメリットを活かして、低ミュー路(滑りやすい道路)はもちろん、発進や追い越し、コーナリングなどで優れた走行安定性を発揮します。
室内はリアシートも広めで、トランクスペースも420Lと十分な広さを確保しています。
発電に使われるエンジンは1.2L。燃費はWTLCモードで、FFが23.0km/L、4WDは19.2km/Lとなっています。
クーペフォルムながら広い室内がポイント。ホンダ ヴェセル

ホンダ ヴェゼルは、スポーティかつ都市向けな外観のコンパクトSUVとして2013年にデビューしました。
一時は後発のトヨタ C-HRに抜かれたものの、洗練されたスタイリングと高い居住性でコンパクトSUV市場を牽引してきました。
そんなヴェゼルは2021年に2代目へと進化。ガソリンエンジンモデルもラインナップしますが、ハイブリッドの「e:HEV」車がメイン。エンジン排気量はいずれも1.5Lです。
e:HEVは2モーターのハイブリッドシステムで、EV/ハイブリッド/エンジンという3つの走行モードを自動で切り替えることで、FFで24.8〜25.0km/L、フルタイム4WDでも22km/Lの低燃費を実現しています。
おすすめグレードは、個性的な内装の「PLaY」。プライムスムース素材とダークグレイの素材を使ったコンビシート、メッキ加飾が追加されたダッシュボードなど、ワンランク上の雰囲気に仕上がっています。
F1技術をフィードバック。ルノー キャプチャー

ルノー キャプチャーは、ホンダ ヴェゼルよりも若干小さいコンパクトSUVです。
日本に導入されているのは、1.3L ガソリンターボとフルハイブリッドシステムの“E-TECH HYBRID”の2種類で、そのうちリッターあたり20km上回る燃費を持つのがE-TECH HYBRIDです。
ルノーのE-TECH HYBRIDは、メインのE-モーターとHSG(ハイボルテージスターター&ジェネレーター)という2基のモーターと、1.6Lエンジン、1.2kWhのリチウムイオンバッテリーで構成されるシステム。
モーター側に2速、エンジン側に4速のギアを持ち、それらを効率よく組み合わせることで22.8km/Lという低燃費を達成しています。
走りの質感は欧州車らしく、直進安定性なども優れていることにくわえ、アダプティブクルーズコントロールとレーンセンタリングアシストを組み合わせたハイウェイトラフィックジャムアシストやアクティブエマージェンシーブレーキ、360°カメラなど先進安全装備も十分。
国産車のような細かいシートアレンジはちょっと苦手ですが、かわりにたっぷりとした大きめのシートで長距離移動も得意としています。
フランス本国の価格と日本の価格差もほとんどないので、お買い得な輸入車といえるでしょう。
リッターあたり20kmを超える低燃費のSUVは、ここで取り上げた以外にも存在します。
「SUVは燃費が…」とあきらめていた人も、これを機会にハイブリッドSUVに乗り換えを考えてみてはいかがでしょうか?