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結論から言えば「基本的には水抜剤は必要がないが、気になるのならたまに入れても問題はない」となります。
そもそもガソリンタンクに錆が発生するのかという点ですが、錆が発生することがゼロではありません。特に旧車といわれる古い車の場合は錆が発生していることがよくあります。
錆が発生する仕組みは次の通りです。
①燃料タンク内の燃料が減っていくとそのスペースを補うように外気がタンク内に入ります。
②タンク内の空気に含まれた水蒸気がタンク外との温度差などによりタンク内表面に結露し水となって現れます。
③タンク内の水がタンクの材料の鉄と結びついて錆が発生します。
それではなぜ錆が発生することが問題なのでしょうか。それはそのまま錆を放置すると燃料タンクに穴が開いて燃料が漏れたり、錆が燃料に交じって燃料ポンプを故障させたりするからです。
こうしたタンク内の水を抜くために水抜剤を入れるわけです。その仕組みは水抜剤の主成分であるアルコールが水と溶けあう性質を利用してます。ご存知の通り水と油であるガソリンは混じり合いません。そこで油と親和性の良いアルコールに水を溶け合わせることで、ガソリンと一緒にタンク外へ吸い出そうというわけです。ガソリンと一緒に吸い出される水はごく少量なのでエンジンには問題ありません。
ここまで書くと、「じゃあ早速水抜剤を入れないと」と思われると思いますが、実際はその心配の必要はほとんどありません。なぜなら、現代では燃料タンクにほとんど錆が発生しないからです。
最初のほうに「旧車にはよくある」と書きましたが、現在の燃料タンクはより錆びにくいコーティングを施すなど製造方法が進歩したり、タンクの材料そのものが錆びとは無縁の樹脂製になったりしています。ですから、ほとんど錆びないので水抜剤は基本的に必要ないのです。
ただし、錆が発生しやすい条件はありますので注意してください。それは燃料タンクがスチール製で、湿度の高い時期や冬など気温が低い時期、そして日常的にタンク内に燃料の少ない状況でクルマを使用している場合、タンク内の結露により水が発生しやすいので注意が必要です。気になるようであれば、1年に1回位使ってみても良いと思います。
