その他Cクラス(メルセデス・ベンツ Cクラス)の車両情報
メルセデス・ベンツ・Cクラスとは

Cクラスはメルセデス・ベンツで4ドアセダンをメインとするシリーズとしては最小のクラス。
かつては190クラスが担っていたポジションであるが、190クラスのように日本の小型車枠には入らず「3ナンバー」である。
■ 初代
初代Cクラスは190クラスの後継として1993年に発売、型式はW202/S202。
先頭のアルファベットがWのものはセダン、Sはステーションワゴンである。
ボディデザインは後に三菱・グランディスや2代目レガシィ、マイバッハ等を手掛けたオリビエ・ブーレイ。
ボディは190クラスよりホイールベースで2cm、全長で7cm拡大。 190クラスでは比較的狭かったリアシートの足元スペースも快適と言って差し支えないレベルに改善した。
運動特性は非常に高い安定性を誇るもので、日本発売当時の国内自動車雑誌での安全性テストで、C280スポーツラインは「宇宙一のアクティブセーフティ」と評された。
ステアリング機構は先代モデルである190クラス同様のリサーキュレーティング・ボール式で、現在一般的なラック&ピニオン方式よりも耐久性等に優れるというメリットがある。
また舵角を大きく取りアライメントを工夫してあることによる驚くべき小回り性能を持ち、取り回しが非常に楽である。
サスペンション形式はフロントはダブルウィッシュボーン、リアはマルチリンクを採用。
トランスミッションは初期型は4AT、1994年の年次変更以後は5AT、1999年の年次変更以後の「後期型」はマニュアルモードつき5ATとなっている。
なお190クラスの時代には一部設定されていたMTモデルは日本仕様には存在しない。
外見の変化としてはバンパー形状を含むマイナーチェンジが1997年に行われている。
一般にはこれを境に「前期型」「後期型」と分けられる。
このとき同時に6気筒エンジンが直6からV6へと刷新され、旧来4気筒であったC230は消滅、代わりにV6のC240が設定される。
ディーゼルエンジンのモデルはC250Dが正規輸入されたが販売台数は少なく、希少である。
AMG C280のエンジンは通常のC280と同じであるが内外装はもちろん足回りも異なり車高は25mm低められている。あまり知られていないが本物のAMGである。輸入台数は僅かで中古車市場ではめったに見かける事ができない。
AMG C36は280psを発生する3.6リッター直6エンジンを搭載する。
AMG C43は1997年のマイナーチェンジより、C36に代わり登場した。
AMG C55は1998年に追加設定。5.4リッター自然吸気V8エンジンから347psを発生する。
■ 2代目(2000-2007年)
二代目のCクラスは2000年発売。型式はW203/S203/CL203。
W203はセダン、S203はステーションワゴン、CL203は「スポーツクーペ」と呼ばれる3ドアハッチバック。
「スポーツクーペ」はBMWの「3シリーズコンパクト」の対抗馬として、Cクラスをベースに全長を切り詰めCセグメントを狙ったものである。クーペ版であるCLKは別に存在するので混同に注意が必要だ。
駆動方式の基本はFRであるが、このモデルから「4MATIC」と呼ばれる4WDも追加されている。
サスペンション形式はフロントは先代モデルではフロントはダブルウィッシュボーンであったがマクファーソンストラットになり、リアは変わらずマルチリンクを採用。
一方でステアリングはラック&ピニオン式となり従来に対してスポーティーな味つけとなっている。
外見上はひょうたん型のヘッドライトが特徴で二代目の識別点である。
前例がなかったわけではないがこのモデルから車名が排気量を表さない事が多くなった。
この代よりコンプレッサーモデルがあり、スーパーチャージャーで出力を高め、その分を加味した数字を車名にしているものと、その分を加味せず排気量を車名に用いるものと混在した。
また同じ車名で年式により排気量が異なることもあるため車名からそのエンジンを類推することは、知っていなければ非常に困難になった。
特に実際の排気量と車名の数字から素直に換算した数値が日本の自動車税の分かれ目を跨いだものもあるため中古車として購入する際には注意が必要だ。
列挙すれば下記の通りである。
○ 直4
「C180」:2リッター自然吸気、129ps
「C180 コンプレッサー」:1.8リッタースーパーチャージャーつき、143ps
「C200 コンプレッサー」:1.8リッタースーパーチャージャーつき、163ps(※)
「C200 コンプレッサー」:2リッタースーパーチャージャーつき、163ps(※)
「C230 コンプレッサー」:1.8リッタースーパーチャージャーつき、191ps
※ 「C200コンプレッサー スポーツライン」「C200コンプレッサー スポーツクーペ」「C200コンプレッサー スポーツクーペ エボリューション」では2003年5月以降が1.8リッター、それ以前が2リッター。「C200コンプレッサー」「C200コンプレッサー ステーションワゴン」では2002年10月以降が1.8リッター、それ以前が2リッター。
○ V6
「C230」:2.5リッター自然吸気、204ps
「C240」:2.6リッター自然吸気、170ps
「C280」:3リッター自然吸気、231ps
「C320」:3.2リッター自然吸気、218ps
「AMG C32」:3.2リッタースーパーチャージャーつき、353ps
○ V8
「C55」:5.4リッター自然吸気、367ps
■ 3代目(2007年-)W204/S204/C204
この頃、メルセデス・ベンツは顧客の高齢化を問題視、Cクラスは特にオーナー層の若返りを図るため、ボディデザインはダイナミクスを表現。
シャーシもそれに合わせ「アジリティ」(意のままに操ることが出来ること)を重視した味付けとなった。
従来から内外装のトリムの違いとして存在していた「アヴァンギャルド」と「エレガンス」を顔つきまで含めて差別化した。
アヴァンギャルドは特に若い層を意識したもので、旧来ではメルセデス・ベンツのクーペモデルのみに与えられていた「クーペグリル」を採用している。
クーペグリルとは、グリル中央に大きなスリーポインテッドスターを置きメッキを控えめにしたスポーティーなものである。
三代目Cクラスは様々な国で生産されているが、日本向けはドイツ本国で生産される。
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