中古でホンダ シビックタイプRを買うならこのモデルがおすすめ!

2022年7月21日に新型シビック タイプRが世界初公開されました。
FF最速を掲げた新型は、先代タイプRからグッと大人の雰囲気を高めとともに、エンジンも含めて全方位で進化を遂げていました。
しかしながら、新型コロナウィルス感染拡大影響や慢性的な半導体不足および不安定な部品入荷や物流に遅延によって、受注が一時ストップするという事態になり、中古で販売されている現行型はおしなべてプレミア価格になっています。
そこでここでは、先代タイプRを中心に、中古車をチェックしていきます。
コンパクトハッチからスタートした初代シビック タイプR

初代シビックタイプR(EK9)は、6代目シビック(EK型)のマイナーチェンジを機に1997年8月に設定されました。
コンパクトな3ドアハッチバックに追加されたタイプRは、NSX、インテグラに続くモデルで、初代からFFスポーツという位置づけになっていました。
当時、NAエンジンで世界最高となる1.0Lあたり116PS(排気量は1.6Lで、最高出力185PS/8,200rpm、最大トルク16.3kgm/7,500rpm)を実現。
足まわりを固めたスポーツサスペンションやハイグリップタイヤ、空力性能とスポーティな見た目を両立するエクステリアパーツなどを備えていました。

2代目シビックタイプR(EP3)は、2001年12月に発売。3ドアハッチバックは初代と同じです。
パワーユニットは、2.0L DOHC i-VTECエンジンで、最高出力215PS/8,000rpm、最大トルク20.6kgm/7,000rpmをそれれぞれ発生。
トランスミッションは、クロスレシオ化された6速MT(インパネシフト)と組み合わされていました。エンジンのリッターあたり出力は108PSと若干下がっていますが、最高出力が30PSアップしていました。
丸みを帯びたエクステリアは、エアロフォルムバンパーによるスポーティかつ個性的な仕立てで、インテリアには、レカロ社製フロントバケットシートをはじめ、MOMO本革巻3本スポークステアリングホイールなどを用意されています。
3代目で3ドアハッチバックから4ドアモデルにスイッチ

3代目シビックタイプR(FD2)は、2007年3月にリリースされました。全幅が3ナンバー枠に突入するとともに、ボディは4ドアセダンに変更されています。
後席への乗降性や居住性が高まる一方で、その真価はスポーティな走りであり、ハードなサスペンションセッティングは健在でした。
ブロックを刷新したK20A型2.0L DOHC i-VTEC 自然吸気エンジンは、リッターあたり112PSの最高出力225PS/8,000rpm、最大トルク215Nm/6,100rpmを発揮。

トランスミッションは、クロスレシオ化された6速MTで、シフトレバーは通常の位置に戻されました
専用サスペンションや専用18インチハイパフォーマンスタイヤなどによる走りの良さに加えて、専用のフロントバケットシートである「Honda R specシート」は高いフォールド性も備えています。
なお、3代目は欧州仕様の3ドアハッチバックである「タイプRユーロ(FN2)」が台数限定で日本にも導入されました。
ニュルブルクリンクで最速タイムをマークした4代目

4代目シビックタイプR(FK2)は、2015年に750台限定(抽選)で販売されました。
750台はドイツのニュルブルクリンク北コースで、当時のFF量産車で最速となる7分50秒63を記念したタイムから設定されました。
心臓部は、新開発の2.0L VTECターボエンジン(K20C型)で、最高出力310PS/6,500rpm、最大トルク400Nm/2,500-4,500rpmを発生。ターボ化によりリッターあたり155PSと一気に高出力化されています。

5代目となるシビックタイプR(FK8)は、2017年7月にベース車のシビックとともに発表されました。
先代からの軽量化とボディ剛性の向上をはじめ、マルチリンク式リヤサスペンションなどにより高いスタビリティを実現。

パワーユニットは、先代から大きく進化を遂げた2.0L VTEC ターボエンジンで、最高出力320PS/6,500rpm、最大トルク400Nm/2,500-4,500rpmを発生し、リッターあたりの最高出力は160PSに到達しています。
6速MTの進化も含めて圧倒的な加速フィールを実現。サスペンションは依然としてハードながらもドライビングモードに「COMFORT」が加わっています。

FF最速の座を狙うシビック タイプRは、毎日乗れる実用性を備えながらもその時代最高のFFスポーツという位置づけですので、距離を重ねた初代モデルであっても価格は高値になっています。
また趣味性が高いため、どの世代を狙ったら良い、という確固たる正解もありません。
まずはどの世代にするのか、ボディタイプをどうするのかを決め、予算が許す範囲で走行距離が少なく、程度のいい物件を根気よく探す必要があります。
ただし、登場時の新車価格と大差のない価格設定の個体も多く、そこらへんは織り込み済みで探す必要があるでしょう。
なお先進安全装備という観点でいえば、5代目がマイナーチェンジを受けた2020年10月以降のモデルには「ホンダ・センシング」が採用されています。